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2016/02/26

新宿公社『ノンフィクション』観劇しました

新宿公社の旗揚げ公演の初日を観劇。以下感想。

新宿公社は作・演出を担当する小林弘幸さんが主宰。ラッパ屋などに出演されている青野竜平さんとの二人ユニット。小林さんはあやめ十八番や花組芝居の『毛皮のマリー』などの演出助手を担当されていた。脚本としては初めて書いた作品だそう。

壁、をモチーフとした話。近未来かパラレルワールドか、一つの民族が壁を隔てられている(東西ベルリンとか韓国北朝鮮のような設定?)世界と、そこから十数年後の壁がなくなった世界が交互に語られる。時代が細かく行き来するので、初めは「?」と思うけれど、この構造に気付くと話はすんなり読み込めてきて。これに、心の壁を乗り越えられない恋愛のあり様が絡む。『ノンフィクション』というタイトルが、これが今の小林さんの実感した世界、ということか。

壁がある時代と比べて、壁がなくなった後の方がより閉塞しているという状況の描き方が小林さんの視点。壁があるという閉塞感を感じながらも、声高に何かを言うんでもなく、どこか淡々と過ぎていくのが、今の若い方(小林さん、25歳だそう)の感覚なのかな、と思って見てました。個人的には、恋愛パートよりも「壁がある世界、なくなったあとの世界」の要素をもうちょっと見たかった気もします。
音楽(懐かしい歌謡曲)の使い方があやめ十八番ぽいかな、という気もして、芝居の全体のトーンだともうちょっと違う感じのものの方が効果的だったかもしれない。

とはいえ、2時間をちゃんと最後まで飽きさせないで引っ張ったお力は確かなものだと思うし、旗揚げにしてこれだけのキャスト(女優さんに美少女多数)を集められたのも目を見張る。

ちなみに、以前小林さんはコントをやっていて(コントユニットだったか?)コントの台本を書いていらしたとのことで、作家の長岡(青野竜平さん)と新マネージャーの神宮寺(袋小路林檎さん)とのやりとりがテンポがよくて面白かった。(特に袋小路さん、間合いがいい)

地に足がついた趣のある青木竜平さん、線が細いナイーブな青年像を描いた小林さん。そして、この世界にぐっとリアルな色付けをした奥田努さんと土佐まりなさんのヒロインぶり、と役者さんの生かし方もなかなか達者。

多分いろいろ書きたいことがたくさんあるんだろうなー、と思いながら、きっと公演を重ねていけば小林さんの、新宿公社としての色が明確になるんだろうなと、今後に期待。当日パンフには新宿公社第2回公演2016年夏『凱旋』とありました。

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