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2015/06/18

キャストの魅力を満喫!~ラスト・ファイブ・イヤーズ in コンサート

辛源さん、ラフルアー宮澤エマさんご出演の『ラスト・ファイブ・イヤーズ』コンサートバージョンへ。演出はブロードウェイの『レント』にご出演した高良結香さん。
原宿のラドンナというミュージックレストランでの上演という身近な形式。冒頭に高良さんのご挨拶があって、「日本では珍しいがブロードウェイではこういう短い稽古で、ときには台本を手に持ってののコンサート形式での上演はよくある。コンサートバージョンだがバンドの編成はミュージカル版と同じです。enjoy!」とのこと。

私は映画版は先日見たけれど(映画版タイトルは『ラスト5イヤーズ』表記)、舞台版は未見だったのでナマで見るのは今回が初めて。一組の男女の出会いから結婚、別れまでを、男性(ジェイミー)は「出会い→別れ」の時系列、女性(キャシー)は「別れ→出会い」の逆時系列で描く。二人の時が重なるのは結婚時だけ……という特別な形式で綴られるジェイソン・ロバート・ブラウンの代表作。
もともと普通ではない形態の作品だし、上演されたのが英語なのでわかりにくいかな……と始まる前は思ったのだが、全ナンバー一つ一つの解説が入った当日パンフレット(これ、資料としても貴重になりそう)もあって、とても拝見しやすかった。

通常の劇場より密接に見える会場で、キャストの持つ実力も魅力もよりダイレクトに伝わってきた。何より、ラフルアー宮澤エマさんの素晴らしい実力にびっくりした。冒頭とのジェイミーと別れた直後のキャシーなのだけれど、一瞬にして彼女の心にある絶望と別れの悲しみが深く伝わってきた。売れない女優のキャシーがオーディションを受けるシーンのなんともいえないおかしみやジェイミーを愛しながらも惑っている様子、さらには出会いの頃のキラキラしている姿まで一人の女性をここまで幅広く見せられるのは驚きだったし、とにかく歌声が本当に魅力的だった。本当に情感が豊かな方なんですね。

辛源さんはジェイミーで、恋する男性の勢いのある姿をパンチを利かせて伝えた「Moving too fast」がよい。ただ、辛源さんとは関係ない部分で、ジェイミー(という役柄)があんまり好きじゃないわ……(笑)という個人的な気持ちもあり。個人的には、別れた後に「僕は君を救えなかった」っていうような男の人は嫌いなんです、ワタシ(笑)(男女の関係はどちらかが救う、救われるというものじゃないと思うのよ……。もちろんジェイミーのそういう至らなさとか身勝手さを含めて、人間のあり様を描きたいという作り手の意図はわかるんですが)。

そういう男女の愛し合いながらもすれ違う思いを、コンサートバージョンとはいえとても親密に、リアルな形で見せてもらったし(だからこそ、二人の思いが重なり合う「Next ten minutes」のシーンは非常に印象的かつ切ない)、何よりジェイソン・ロバート・ブラウンの音楽性の高さや繊細な響きも間近に聞けたのは非常に貴重な経験だった。

何かちょっとニューヨークに滞在しているときのような……、こういう身近な形でミュージカルに接しさせてもらう楽しさがあって、3回限りのステージのうちの1回を見られてよかったなと思う。今回の再演も含め、ぜひまた続けてほしい企画だ。

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