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2014/04/27

パク・ウンテさんのルキーニの真骨頂~Music Museum

パク・ウンテさんが初来日公演としてゲスト出演した『Music Museum』へ(4月26日の初回を観劇)。

私は韓国で『モーツァルト!』のヴォルフガング役(そのときのブログはコチラ)と『エリザベート』のルキーニ役(そのときのブログはコチラ)を見ている。迫力のある歌声、シャープさのある外見でとても魅力ある方(シア・ジュンスさんも「ミュージカルの先輩」としてウンテさんのことを信頼しているとのこと)で、日本で見られるということでとても楽しみにしていた。

前半はミュージカル形式、後半はコンサート形式のMusic Museumで前半のウンテさんはジキル&ハイドの「This is the moment」(韓国では「チグミスンガン」と呼ばれて人気がある曲。一般の方の結婚式とかでも歌われるそう)を歌い、コンサート形式の1曲目で『エリザベート』のルキーニの曲、「キッチュ」で登場。ご存知のとおり「キッチュ」は曲調としてはアップテンポで楽しい曲だし、コンサート形式だから単に楽しい曲として歌うこともできたはず。でも、ウンテさんは韓国版の『エリザベート』で実際に使われている衣裳を着て芝居として歌っていた。そして曲の最後。その目には一瞬にしてルキーニとしての狂気が宿った! 観劇当時「青い炎の趣」とウンテさんのルキーニを評したけれど、まさにそれが眼前に蘇るような。ゾクっとしたし、これがパク・ウンテさんのルキーニの真骨頂なのだなと改めて実感した。

もちろん迎える日本人勢もウンテさんに負けない歌唱力の持ち主。坂本健児さんは「ウンテさんへの歓声に嫉妬(笑)」と言ってたけれど、なんの(笑)。『ピピン』のオープニング曲「MAGIC TO DO」が豊かで、そしてやぱり『ライオンキング』の「サークル・オブ・ライフ」は本当にアフリカの大草原が広がるような雄大さがあった。新妻聖子さんとウンテさんの「愛していれば分かり合える」(ウンテさんは日本語で)のハーモニーが美しい。そして新妻さんの「オン・マイ・オウン」に感情があふれた。
以前取材させていただいたことがある内藤大希さん。これだけのメンバーの中も臆せず伸び伸びと歌っていた姿が清々しかった。

実はミュージカルコンサート的なものはあまり得意でない(というのは大曲が続き過ぎて、聞いてる自分がへとへとになってしまうので(笑))のだけれど、今回有名なミュージカルでも結構意外な選曲もあって、楽しく見ていられた。何より歌の豊かさを実感できる公演だった。

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2014/04/21

あやめ十八番 ワークショップオーディション見学しました(4月19日)

あやめ十八番 次回公演『肥後系 新水色獅子(仮)』出演者募集を兼ねるワークショップオーディションの見学に伺いました。19日、20日、22日、23日×各2回=全8回のうち、19日夜の回です。

あやめ十八番のワークショップに伺うのはこれで3回目。1回目はコチラ、2回目はコチラ。ワークショップの内容については前2回と重なる部分もあるので、以前のブログもご参照ください。なので、今回は感想ということで。

全体の流れとして。
初めにあやめ十八番主宰・作・演出である花組芝居の堀越涼さんが、あやめ十八番についてだだっと語ります。「他人のために生きる人間は尊い」という命題と、幸せってなんだろう?ということを追求するのこと。
そして、当日のワークショップ参加者+(人数合わせで、当日スタッフとして来ていた)あやめ十八番過去出演者で3人1組になって、堀越さんが書き下ろした脚本を演じる。その演技に対して堀越さんが演出をつけ、最後に発表して終わり……というものです。

さて、見学者の私としては。

「他人のために生きる人間は尊い」
ううむ。
難しい。
なかなか、他人のために生きられませんよね? あ、なかなか生きられないから、そういう人は「尊い」のか。

などと、最初のところから気持ちが引っかかったりするわけですが(笑)。

しかし、ワークショップを見ているうちに「他人 対 自分」という関係性のあり方が徐々に見えてくるのです。あやめ十八番で求められるのは、現実を芝居に移すナチュラルさでなく、本質としてのリアルさを見せる芝居。
もちろん芝居というものは「嘘」であるわけですが。でも、芝居をしている役者さんたち同士の気持ちの受け渡しがリアルなものになっていくにつれて、今度は見学者の私たち(=観客)と役者さんたちとのコミュニケーションも生まれてくる。呼吸が生まれるというか。
そんなコミュニケーションの輪が多層的に広がっていくのを見られるのは、非常に面白い経験でした。

なるほど。だから、普通は見学者を入れないワークショップというものに、見学者を入れるのか。と急に合点がいったり。

そして、もう一つ。私たちが普段客席に座っている状態ではなかなか伺い知ることができない、演出家と役者さんのコミュニケーション。演出をする堀越さんの言葉に打てば響くように反応できる人もいるし、なかなか的確な反応を返すことができないで、ご自分でももどかしい思いをしているだろうというのが伝わってくる人もいる。見学席側からすると胸が痛くなるような場面ではあるけれど、ここで「ああ、もっと自分を見つめて、そして、自分のために一生懸命になって言ってくれる人の言葉を受け止めてほしいな」とも思うのです。
ワークショップの参加者の芝居を全身全霊で受け止めて演出する堀越さんを見て、これも「他人のために生きる」ということかしら、と思うところもありました。

さらに。普段客席側にいると、「芝居を見て→心が動かされれる(感動したという意味でなく、たとえば、『目線が自然と右に行く』とかいうことで)」の流れがどうして起こるのかは、つい見逃しがちになります。でも、このワークショップで、そのへんのメカニズムに改めて触れることができたのも、なかなか面白かったです。

「坊ちゃん劇場からお帰りなさい」の丸川敬之さんの生歌ギター生演奏がWSなのに贅沢とか、そして人数合わせ組でワークショップの三人一組で出てきた美斉津恵友さんが、それこそリアルな佇まいなのに、なんか色気あるよとか。それこそいろんな視点での感想が出てきます。そして、思わずメモした名言。「団子は帰りに買う」(笑)。(神社参拝の行きに団子を買う人はいない。団子を買うのは参拝帰りの人)

ということで、役者でない立場から見ても得るものの多いワークショップでした。

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