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2013/09/16

心情が歌にあふれ出る、柿澤勇人さんのロミオ~『ロミオ&ジュリエット』

『ロミオ&ジュリエット』やっと2回目の観劇(15日12:30)。柿澤勇人さんのロミオを見てまいりました。(この日、清水くるみさんのジュリエットを初観劇の予定だったのですが、怪我で休演とのこと。残念ですが、早く回復されますように)

柿澤さん、非常にパワーのあるロミオでした。柿澤さんって以前拝見した『春のめざめ』のメルヒオールのときもそう思ったのですが、一点に気持ちが定まると恐ろしいほどの集中力とパワーを発揮して、そのテンションが舞台全体にみなぎるのですね。今回もジュリエットに出会うまでのどこか心が定まらない状態から、ジュリエットという自分が本当に愛する人と出会ってからの変化の大きさ、特にその出会い以降のほとばしる心情が歌に溢れ出るところが素晴らしかったです。

そしてもう一つ私が感心したのは、マーキューシオがティボルトに殺された後、怒りにまかせてティボルトを殺してしまうところ。ミュージカルに限らずシェイクスピアの戯曲にのっとったストレートプレイ版でも、この場面のロミオってそれまで描かれてるロミオ像にそぐわない気がずっとしてたんですよね。急に興奮して人を殺しそうにない人っていうか、「シェイクスピアがそう書いてるから、ロミオはティボルト殺すのよね」という気持ちになったこともありました(笑)。
でも、柿澤さんのロミオはマーキューシオが死んだ後の落胆から感情が高まり、ティボルトを殺し、その後我に返って激しく落ち込む……という気持ちの流れが非常によくわかった。初めてこの場面で納得させてもらったロミオだったかもしれません。(ティボルトを殺した後の、がっくり頭を地面に着けたまましばらく起き上がれない落胆具合も、とてもリアルでしたよね)
直接柿澤さんに伺ったわけではないから想像にすぎないけれど、ミュージカルの『ロミオ&ジュリエット』はもちろん、シェイクスピアの原作戯曲も読み込んでいらっしゃるのかな? フランスミュージカルの常として、気持ちの流れよりもその場面場面の心情を歌いあげるスタイルの『ロミオ&ジュリエット』で(フランスミュージカルを、場面ごとにブツ切りにならないで物語として成立させる難しさは、以前演出の小池修一郎さんに取材させていただいたときに伺いました)、ロミオという人物のジェットコースターのような展開を、ただの波乱の出来事の羅列でなく、きちんと彼の心情から出たものとして表現されていたことに目を見張りました。

歌唱力が素晴らしいことはもちろんのこと、きちんと歌いかける対象に対して声も心情も向かい合っているのがよくわかるのも、とてもよかったです。
http://www.youtube.com/watch?v=kTQC4D_fqBU
この動画の最後の方の、1幕ラストのエメ。ジュリエットは映像に映ってないですが、柿澤さんの声で十何メートルか先にいるジュリエットの位置までよくわかる。芝居としての歌が成立しているところが柿澤さんの本領だなと思います。
ロミオとジュリエットの二人の心情のドラマがミュージカルとして、非常にリアルに伝わってくる今回の公演でした。


ということで、まだ見ていないのは古川雄大さんのロミオ(と城田さんのティボルト)。早くコンプリートしたいです!(笑)

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コメント

>himikaさん
コメントありがとうございます。稽古が始まる前、城田さん柿澤さん古川さんに取材させていただいたときに、シェイクスピアの故郷ストラトフォードアポンエイボンに行った話や卒論で取り上げた話をされてました(^_^)。いろんなバージョンがある「ロミジュリ」ですが、柿澤さんは心情面でとても納得がいくロミオだった気がします。

himikaさんがおっしゃるとおり、柿澤さんはとても素敵なロミオだと思います。

投稿: おおはら | 2013/09/17 01:27

カッキーのロミオ、素敵ですよね。

彼は大学の卒論もシェイクスピアをとりあげていて、シェイクスピアには詳しいんです。

公演プログラムでも他にやってみたいシェイクスピアの演目は?と聞かれてロンドンで見たという「十二夜」や、「間違いの喜劇」などをあげ、「若い男優は「ハムレット」とか言いがちですが、向こうでは「ハム・アクター」といって身の程知らずの俳優のこと」などと言って、「ハムレットと言おうと思ったのに」という城田さんもビックリだったようです。

これからも楽しみな役者さんです。

投稿: himika | 2013/09/16 17:51

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