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2013/08/09

キリキリした切迫感と希望~american IDIOT(アメリカン・イディオット)来日公演を観劇しました

アメリカン・イディオットamerican IDIOT来日公演を観劇しました。
ニューヨークで見た大好きな作品で、ニューヨークでは3度観劇して今日で4度目(今日終演後のトークショーに出た柿澤勇人さんも「大好きで、ニューヨークで3度見て、今日で4度目」と言っていたから、同じ(笑))。

GREEN DAYのコンセプトアルバム「AMERICAN IDIOT」と「21世紀のブレイクダウン」の曲を使った、90分のショー仕立ての作品。

作品としての感想はブロードウェイで見たときのものと基本的には一緒なので、そちらを見ていただくとして→(AMERICAN IDIOT (ニューヨーク)
それ以外のところで。

ブロードウェイ版のオリジナルキャストは春のめざめSpring Awakeningでトニー賞を受賞したJohn Gallagher Jrや今年のトニー賞を総なめしたKinky Bootsで主演しているStark Sands、めちゃくちゃインパクトがあったTony Vincent(We will rock you主演)などが出演していた超強力布陣だっただけに、来日キャストはやや小粒感があるのは否めない。だけど、その分、閉塞した田舎を出ていこうとする3人のアメリカのバカ者たち(american idiot)の心の旅や葛藤がよりリアルに伝わってきた気がします。柿澤さんもトークショーで「今日4回目を見て、なんだか偉そうな言い方ですが、作品って進化するんだなと思った」とおっしゃってたけど、若者の生きる姿が浮き彫りになっていたのが、今回の来日公演の特徴かな。
とくにブロードウェイ版ではやや影に隠れていた感があるWill(恋人の妊娠で町を出られない人)の苦悩が、この公演ではダイレクトに伝わってきました。St.JimmyーとJohnnieの重なり具合も、ブロードウェイ公演よりもわかりやすいものになっていたと思う。

このミュージカルから伝わってくるのはどうしようもない焦燥感や切迫感、なんだけどそれが決して辛いだけに終わらないのは(ブロードウェイ版の感想でも書いたけど)マイケル・メイヤーのあたたかい視点があるからだということを、改めて強く感じました。アメリカのバカ者だちの話だけど、決してメイヤーはバカにしていないというか。田舎町を出ていって挫折する三人の若者たちの姿を見ながら、それでもラストに残るものが希望である気がします。

普段観劇するときって(仕事柄か)、「あまり作品に励まされた、勇気づけられた」という感じ方はしないのです。でも、彼らの軌跡を追っていって、最後のカーテンコールで出演者全員がギターを弾きながら歌う「Good Riddance (Time of Your Life) 」の曲を聴いて、Japanese Idiot(日本のバカ者)である私としては(笑)すごく元気をもらえた気がします。
ちなみに、Good RiddanceはGreen Day5枚目のアルバム、"ニムロッド"に収録している曲。


それにしても、ミュージカルの場面の表現として、本当にかっこいいところが多いなあ。「HOLIDAY」の曲で大きな櫓がこちら向きに倒れかかって、それがバスに見立てられるところ、疾走感とか振りとか表現とか、たまらなく好きです。「若者の衝動」「パワー」をナマな形で舞台に上げるのでなく、ちゃんとして作品として昇華してカッコよく仕立てているところが、AMERICAN IDIOTの大きな魅力ですね。マイケル・メイヤーら大人の作り手がいて、ちゃんと若い世代と向き合って、共感のもとに作っている。出演者と作り手側がとても素晴らしい関係性を作った成果がこの作品なんでしょうね。
などということも、観劇しながら感じました。

そう、それからブロードウェイ版の装置・美術は完全再現されてます! モニターを使った多角的な表現だけでも十分に見る価値があると思いますよ。
 
公演は18日まで。

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