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2013/07/24

演出・岸谷五朗さんと若手俳優8人がぶつかり合う舞台『FROGS』

雑誌Sparkleで小関裕太さん平埜生成さん、溝口琢矢さん、松岡広大さんの座談会と稽古場取材をさせていただいた、アミューズ製作の舞台『FROGS』を見てきました。取材に伺ったのは5月公演の稽古2日目。5月公演は取材時にはすでに全席完売だったため、今回やっと見ることができました。

カエルの世界に紛れ込んでしまった人間の男の子(小関、溝口)がカエルたち(平埜、松岡)と触れ合って葛藤つつも、自分自身を新たに見つめ直していく。再び人間の世界に戻ることはできるのか……!? というのが大雑把なストーリー。物語展開は非常にシンプルでストレートです。だからこそ、演じている役者の熱量と嘘のない心情が必要とされる舞台なのだと思います。

稽古を拝見したとき、岸谷吾朗さんがここまで精魂を傾けて演出するのか、ということに驚きました。演出家としてはもちろんだけれど、役者の先輩として後輩に自分が教えられることを教える、という姿勢で臨んでらっしゃるんですね。本番を見て初めて気づきましたが、私が稽古場にいた2時間は、本番では冒頭からのわずか10分に過ぎなかった。いや、ダンス部分を除いて芝居だけを演出していたから、正味5分の場面を2時間かけて演出してらしたんですね。台詞の一言一言に、ここはどう感じているのか、どう心を動かしたらいいのか、他の人の芝居に対する反応は……と。演技経験の少ない人たち相手だからこそ、芝居の基本になることや役者としてのあり方まで含めて演出してらっしゃったのです。

そして、拝見した本番の舞台では、その岸谷さんがおっしゃっていた一言一言が血肉になっていたのが伝わって、私は関係者でもなんでもないですが(笑)感動しました。こんなにもたくましく成長するのか、と。
言われたことをただやるんじゃなく、自分たちが能動的に作っていった様子が伺えました。

それは、小関さんのカケルが見せる心の揺れだったり。他の人には演じられない、小関さんなりの感性で役を作り上げていらしたのがよかったなと思います。平埜さん、溝口さん、松岡さんと4人の関係性とそれぞれのキャラクターがしっかり前に出ていました。

あと、いかにも岸谷さんっぽいギャグにも体当たり(笑)していたのも好感が持てました。そして、皆さん身体能力がすごい! とくに小関さん、松岡さんのダンスは見事でしたね。

芝居において熱量はもちろん大事。でも、「熱量」だけでごまさないで、ちゃんと「芝居」として成立していたところが、このFROGSの魅力だなと思います。

FROGSから少し話が離れますが……。今、イケメンの男の子たちが多数出演する舞台って多いですよね。イケメン俳優と呼ばれる方たちに取材する機会も多いけれど、「イケメン」というある種チャラチャラした響きとは正反対に、真摯に一生懸命芝居に対して向かい合って、自分を成長させようと頑張ってらっしゃる方たちが多いです。
(多いです、というか、上の四名の方たちをはじめとして、芝居に対して真摯な人にしか会ったことがない。それはもちろんそういう人でないと、人から注目されるような立場には立てないということなんでしょうけど)
でも、彼らを迎え入れる作り手側の人たちはどうかな……と。「イケメン舞台だからこの程度でいいよね?」という考えが一切ないといえばウソになるような舞台も、残念ながらあると思うんです。
今回のFROGSのように作り手が本気になって彼らを育てようと思って取り組めば、これほど目に見えた成果を上げることができる。前に見た「冒険者たち」でも同じようなことを感じました。彼らの先輩の立場にあたる演出家、製作者側の果たさなければならない役割はとても大きいと思うんです。だって、彼らが成長すれば成長するほど、日本の演劇界は面白くなるでしょ?

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