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2013/01/18

スタジオライフ『11人いる!』観劇しました

スタジオライフ『11人いる!』観劇しました(1月11日にVチーム、17日にMeチーム)。

萩尾望都先生の傑作SFを舞台化。2011年公演に続いての再演で、今回は『11人いる!』に続き続編の『続・11人いる! 東の地平・西の永遠』を連続して上演するという企画。

前回2011年公演の感想はコチラ↓
「スタジオライフ『11人いる!』」
http://kaoru-web.air-nifty.com/blog/2011/02/post-d205.html

宇宙大学受験のための宇宙船内。受験生が10人のはずが11人いる! というところから始まるストーリーで、受験生たちの葛藤や成長を描く舞台。
(作品としての感想は2011年版のブログもご参照下さい)
今回は文化庁委託事業「新進演劇人育成公演」ということで、ダブルキャストもそれぞれに工夫を凝らして、個性を出していたのが面白いところ。

テンポよく見せる舞台の中で、今回印象に残ったのは、途中に挟まれるモノローグや回想シーンの情景の広がりだ。たとえば、ヌーが自分の出身星を語るシーンで描かれる、男女の恋と一生の儚くも切ない美しさ。あるいはガンガの大学進学の希望に潜む、自分の星の人たちを一人でも多く助けたいという思い。メイン・キャラのタダの心象に深く入っていくモノローグもそうだが、そんな一つ一つを丁寧に描き出しているところが、作品としての奥行きをより深いものにしている。それが萩尾望都先生の作品の根底に流れるものと見事に符合しているし、『トーマの心臓』『訪問者』『マージナル』『メッシュ』と萩尾作品を数多く舞台化している劇団ならではの在り方と思って、とても興味深かった。

もちろん、作品の持つ前向きなパワー、「未来へ!」というメッセージも十分に伝わってきた。非常に爽やかな後味を残す、とても快い公演でした。

キャストに目を移すと、「新進演劇人育成公演」だけれど逆にベテラン勢の頑張りが目に付いたというか(笑)。ありえないほどの可愛らしさで舞台を席巻するフロル役の及川健さん、有無を言わさない「王様」感がありありと出ている王様・バセスカ役の曽世海司さん、ちょっと大人な立ち位置であたたかみのある芝居を見せたガンガ役の船戸慎士さんなど、星々から来た受験生たちの幅の広さが、演技で明確に提示されていたのが印象的。

主役のタダ、荒木健太朗さん(Vチーム)と松本慎也さん(Meチーム)。荒木さんはまっすぐな気性と爆発的なパワーがまさにタダにぴったりだし、松本慎也さんは男の子らしさと共にモノローグで見せるナイーブな心情が魅力的だ。

次回作『続・11人いる!』へのつながりを予感させるフォース・仲原裕之さん、ヌー役鈴木智久さんの美しい動き、もう一人のヌー役、関戸博一さんの独自の存在感なども目を引いた。

宇宙船白号の中で限定された密室劇だった『11人いる!』から、異なる星同士の戦いを描き、壮大な宇宙空間が登場する『続・11人いる!』へ。どう発展していくかも楽しみ。

『11人いる!』は1月20日まで、『続・11人いる!』は2月28日~3月17日、紀伊国屋ホールにて。(『続』はその後、名古屋、大阪、亀有公演あり)

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