« 「リアル・シンデレラ・ストーリー」見てきました | トップページ | 「ロミオ&ジュリエット」ゲネプロ »

2011/09/06

身毒丸

「身毒丸」を見に銀河劇場へ。
武田真治さん、藤原竜也さん版と見てきて、今回は新人・矢野聖人さんの身毒。
義母・撫子は白石加代子さんから大竹しのぶさんへ。

火花と奇妙な人たちがたくさん出てくる冒頭が、猥雑であり美しい。
寺山修司さん・岸田理生さんの戯曲に書いてある、どう考えても現実不可能な家の現れ方や、世界の裏側につながる穴へ飛び込むシーンが、そのまま具現化されていることにも改めて驚かされる。

矢野さん、稽古開始前に取材でお会いしたときよりも格段にやせていてびっくり。
裸になるシーンがあるせいかもしれないけれど、極限まで(肉体的にも、精神的にも)自分を追い詰めて演じてらっしゃるのが伝わる。
とにかく「本気」。でも、その「本気」を舞台で表すためには、どれだけの苦労があったんだろう。
そんなことも感じながら。まっすぐな思いが痛いほどに伝わる身毒だった。

そして、義母・撫子。白石さんがある種グレートマザー的な、土俗的な象徴としての「母」の部分が強かったような印象があるけれど、大竹さんは母というよりも女。
今回の公演はラストシーンが今まで上演されているものとは違うけれど、それは寺山さんの元戯曲に近いアレンジだとか。
義母と息子の禁断を乗り越えた先には、息子の命をも飲み込んでしまう究極の愛があるのか。

今までの身毒丸が「禁断の愛を手に入れて、少年から大人になる」という男性の一種の通過儀礼的な位置づけであったのとは違う。愛しているからこそ相手を食らい尽くしてしまう、女性性への畏怖、オマージュもここにはあるのかもしれない。

余談ですが、数日前「笑っていいとも!」をたまたま見ていたら、「ファンをキュンとさせるコンサートの締めの挨拶」を考えるというコーナーがあって。
そこで、今井翼さんの答えが
「今日はどうもありがとう、次、生まれてくるとしたら、次はあなたのお腹から生まれたい」
というものだった。

この答え、まさしく「身毒丸」の「お母さん、もう一度、僕をにんしんしてください」そのものでびっくり。
ちなみに会場の女性客からは一番不人気な答え。
男性の心の中には、もしかして普遍的にこういう身毒丸的な考え方があるのだろうか。(そして、それはなかなか女性には理解できない……と(笑))

|

« 「リアル・シンデレラ・ストーリー」見てきました | トップページ | 「ロミオ&ジュリエット」ゲネプロ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34077/52661441

この記事へのトラックバック一覧です: 身毒丸:

« 「リアル・シンデレラ・ストーリー」見てきました | トップページ | 「ロミオ&ジュリエット」ゲネプロ »