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2011/07/26

萩尾望都先生「なのはな」

月刊フラワーズ8月号掲載(次の9月号が出るのは7月28日…本屋で手に入るのはあと2日!)
萩尾望都先生「ここではない★どこか」シリーズの作品「なのはな」。

ネットで萩尾先生が今の福島を題材にした漫画を発表したという話を知り、久々に月刊漫画雑誌を買いました。

(以下、結末部分を含め、作品の内容に触れていますので、未読の方はご注意ください)

舞台はフクシマ。原発の近くのために自分たちの家を離れて暮らす小学校6年生のナホとその家族。ナホのばーちゃんは津波で行方不明になってしまった。その現実を受け止めきれず、時を止めてしまったじーちゃん。
「今日の校庭の使用は禁止です」
「いくつだい?放射線量」
そんな会話が普通に交わされる現状。

ナホは夢の中でチェルノブイリの少女に出会う。そして、なぜかばーちゃんもチェルノブイリにいた……。

はじめは「怖い夢」と思っていたナホ。やがて、菜の花の種をまく少女と向かい合うように。
少女が手にしていたのはばーちゃんの種まき器だった。
「あなたはチェルノブイリにいるあたし」
「あたしはフクシマにいるあなた」

***************

最初早く読みたいという一心で、本屋さんで立ち読みを始めたのですが(もちろん、そのあと購入しましたよ)、話を読み進めて、菜の花とナホと少女がページ見開き2面にわたって描かれるページをめくったとたん、涙が出て…。立ち読みで泣いててめっちゃ恥ずかしいですが、モノクロの漫画なのに、菜の花の黄色が鮮やかに眼前に現れたように感じたのでした。

震災から作品発表まで3ヶ月半。萩尾先生がどれほどの、やむにやまれぬ思いを持ち、この作品を描いたのか……。創作者としての真摯な姿勢にもとても感動します。

現実の日本を題材にしながらも、それは萩尾先生らしい現実と幻想が入り混じった世界で。

「なのはな」は土壌の汚染を除去するために植えられたという花。
最後は、ばーちゃんの種まき器を、一時帰宅したじーちゃんが取って帰ってきたところで終わります。
ナホは花を植える。
そう……そこに、未来へとつなげていこうというナホの(そして萩尾先生の)強い意志を感じるのです。

これは、今読むべき漫画です(単行本化されるのはだいぶ後になると思うので、ぜひ雑誌で)。萩尾先生、ありがとうございます。

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コメント

>むつきさん
読ませていただきました。ありがとうございました。まさに今からが「スタートライン」ですね。東北外に住む私たちにとっても…。

この間新聞記事で、お米が作れなかった田んぼに植えたひまわりが満開になったという写真を見ました。田んぼ一面のひまわり……切なく美しい光景。やはり「なのはな」を思いました。

投稿: おおはら | 2011/08/16 14:39

同感です。でもその気持ちを見失わないことが大切なんだ、と思います。

「なのはな」と合わせて、おおはらさんに読んでいただきたいな、と思ったのでこちらをご紹介します。

>スタートライン (NHK_PR 1号)
http://www.facebook.com/NHKonline?sk=notes

投稿: むつき | 2011/08/09 00:54

>むつきさん
お久しぶりです!
泣きますよね、やっぱり…。
泣くだけでなくて、それを原動力に何かしないといけないんだとも思いますが、なかなか難しい…。

投稿: おおはら | 2011/08/08 16:29

私も読みました。
電車の中で読んでいたら、泣いてしまい、慌てて涙を拭いました。

投稿: むつき | 2011/08/01 00:06

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