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2011/05/16

ミカシュン☆ライブ

役者さんが音楽ライブに挑戦して新たな魅力を見せるというPATA PATA☆MAM Produce Live。
Vol.8を数える今回は『ミカシュン☆ライブ~軌跡~』。14日にお邪魔してきました。
(当初は3月13日に予定されていましたが、地震の影響により5月14日、15日に変更)

出演はスタジオライフの三上俊さん。ゲストに舟見和利さん。

PATA PATAさんのライブは何回か参加してますが、ワンマンライブ形式のものは今回が初めてだそう。
2人や3人のライブはコラボレーションで新たな視点を持つ、という利点がありますが、今回は三上さんのパーソナリティが選曲とかトークなどからトータルで窺えて、ワンマンライブにしてもらってよかったなと思いました。

内容としては、三上さんがスタジオライフに入るまでの軌跡をたどる歌だということ。
お好きだというビジュアル系の曲も3曲ほど。

劇団では女性役や少年役を主にやっている三上俊さんですが、歌声は思いのほか力強く、ストレートな響きがあるところが快かったです。(曲も前向きなメッセージがあるものが多かったかな)
あと、音楽に対して役者さん的なアプローチをされているなと思いました。1曲の中でも歌詞の内容に合わせて歌い方を変えて(特に最初に歌った曲)、内容に即した歌唱をしてくれたことが印象に残りました。
デビュー作の『夏の庭』のオーディション秘話や、役者になる前にバイトしていた時代の話など、率直なトークに人柄を感じました。それと、お客様とのやりとりで「Sキャラ」になるところが(もちろん演じてらっしゃるんでしょうけど)ちょっと面白かったです(笑)。

ゲストの舟見和利さんは4月末にスタジオライフを退団してから、お客様の前に立つのは初のタイミング。朗読少女ならぬ「朗読男子」で歌詞の朗読と三上さんの歌とのコラボやトーク、そして(珍しく)歌も。ライフ退団について、お客様の前に誠実に語られていたのが印象的です。ご自身の思いを込めた詩を読んでいるときに涙をこぼされるところもありました。
ある意味、舟見さんの「卒業式」でもあったような。

舟見さんのコーナーの後に三上さんが歌った歌も「別れじゃなくてこれが出会い」というよう歌詞で、お二人の絆を感じさせるようなものになっていました。

(ライブの話からずれますが、舟見さんは女性役で独自の境地を開いていらっしゃった方。『LILIES』の伯爵夫人や『白夜行』の雪穂など印象に残る役がありますが、一つ挙げるとするならば『夏の夜の夢』のヒポリタ。今はなきTop Stage誌で公演レポートを書いたとき、舟見さんのヒポリタを「静謐な美しさ」と表現したと思います。倉田淳さんの独自の解釈も見事でしたが、とらわれた悲しみと、女王としての矜持と、シーシアスへの愛と、いくつもに引き裂かれた感情を持ちながらも表面上は静謐で、独自の存在感を放った舟見さんのヒポリタは、日本の『夏夜』上演史上でも特に記憶されるべきものだったと思います。
退団すると女性役があまり見られなくなるのは残念ですね。でも、人の世は、上に書いた歌じゃないけど、別れと出会いの繰り返し。今後も舞台含めご予定が決まっているということなので、新たな姿が拝見できることを期待です)

客席もかなりしんみりしたトーンになりましたが、それをきちんと切り替えた、三上さんの空間掌握力もすごいと思いました。「軌跡」を振り返りつつ、未来に向かって明るく、希望を感じるラストだったと思います。

こういうライブをやると、ご本人のキャラクターがとても伝わってくるものですね。
普段役者として舞台で拝見している姿とは違う、三上さんの素の姿も感じ取ることができた楽しい2時間のライブでした。

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2011/05/12

『レミゼ』とカトケンさんと『キム・ジュンスミュージカルコンサート』

だいぶ間が空いてしまいました。
ゴールデンウィークも結局ぼちぼち取材→原稿書きの予定が入り、あんまり休みらしい休みは取れずに終わってしまいました。

したことといえば観劇かな~っていうと、普段と全然変わりませんが(笑)、それでも心動かされる作品に出会えて、よいゴールデンウィークだったと思うことにします。


ロンドン・オリジナル演出版ラストとなった『レ・ミゼラブル』1回目の観劇。
今回はマリウス3人座談会とアンジョルラス2人対談を(それぞれ別媒体ですが)担当させていただいたので、マリウス&アンジョルラス目線で観劇してみました(笑)。

マリウスは山崎育三郎さん。『モーツァルト!』での成長著しかったのが記憶に新しいですが、進化したマリウスを見せてくれました。コゼットに恋する姿のキラキラ感が半端なかった。そして、バリケードの中での「恵みの雨」(エポニーヌの死)から、亡き友人たちを思って歌うカフェ・ソングまでのマリウスの心の動きが切なく胸に迫ってきました。

とくに「カフェ・ソング」。
「ああ、友よ許せ、僕は生きている、言葉にならない痛みと苦しみ…」という歌詞は、おそらく、今の日本中の人の心の奥にあるもので、客席の人たちと育三郎さんのマリウスと、心の深い部分での共感がありました。
その思いがあるからこそ、「明日は」というラストにつながっていく。見る者の心に寄り添ったマリウス像を作り上げてくれて、非常に感動的でした。

アンジョルラスは上原理生さん。芸大卒でミュージカルは初舞台という方ですが、堂々とした舞台姿とカリスマ性ある歌声で、存在感がありましたね。新星登場を印象付けました。

明日への希望を歌う『レ・ミゼラブル』。まさに今上演する意味があるなあと思います。
スペシャルキャストバージョンの上演が始まり、来週観劇する予定なので、それも楽しみです。

加藤健一事務所『出発の詩集』。

初演時は『モスクワからの退却』というタイトルでしたが、今回は、これをサブタイトルにしています。
(内容的には「出発の詩集」のほうが作品をイメージしやすいかな)
4年前の初演も拝見しています→そのときのブログはコチラ

初演よりさらに3人のトライアングルが緊密になったという印象です。
私もちょっと年を取って(笑)、内容がもう一歩深く読めるようになったかも(というか、なっていたらいいなあ)。
離婚する両親(加藤健一さん・久野綾希子さん)と、彼らの間に立つ32歳の息子(山本芳樹さん)の物語。

心が動揺しているときに乗り違えた電車で偶然会ったという両親。ロマンチックな出会いだったのに「あのときから間違えてたんだ…」という父親の言葉は、とても悲しい。
かけ違ってしまった夫婦の心は結局もとには戻らないけれど、(それこそ神の愛の存在を感じさせるような)温かく優しい息子をこの世に生み出すことができたのだから、二人が結婚したことも意味があることだったのだ…と思わせる終幕が見事でした。

以前、久野さんに取材させていただいたときに「『モスクワからの退却』とても好きでした」と申し上げたら「私にとってもターニングポイントになる役でした」っとおっしゃっていたのですが、今回もエキセントリックな部分を持ちつつどこかチャーミングな母親像を見せてくれました。

加藤健一さんは、心情の見せ方がとてもリアルなんですね。とくに客席にいる年配男性の方々の共感を呼んでいたようです。

ナイーブでとても心優しい息子で、離婚した母親のもとにしょっちゅう通ってあげるという役は、現代日本ではあまりいない(いたとしたら、マザコンぽく見える?)人かもしれないけれど、それを違和感なく演じられるのは山本芳樹さんならではだなと思います。透明感があり、繊細で温かみがある。海外戯曲に生きた息吹を吹き込んでいました。


さて、今見ているのは『キム・ジュンス ミュージカルコンサート』のDVD。
韓国ミュージカルのクオリティの高さに圧倒。
シルベスター・リーヴァイさんが指揮し、1曲目の『モーツァルト!』名曲集ピックアップというオーバチュア部分で、すでに感動してしまいます(笑)。
『モーツァルト!』のハイライト版(13曲)と『エリザベート』の抜粋版(6曲)。

韓国ではこのコンサートが初登場となった『エリザベート』でめっちゃかっこいいルキーニを演じたパク・ウンテさん。特別出演の元祖トートのウヴェ・クレーガーさんとルドルフ役のチョン・ドンソクさんの「闇は広がる」は本当にすごかった。

これだけのレベルの人たちに囲まれて、ヴォルフガング役、K-POPのキム・ジュンスさん(JYJのシア・ジュンス)も大変だったと推測しますが、非常に誠実に役に取り組んでいるのが伺えて、好感が持てました。
(下らないこと書いて申し訳ないのですが……、「最後のダンス」を歌ってるとき、日本語で「最後のダンスはおれのもの~」の部分が「マチッマチュ、マチッマチュ~」に聞こえて、非常に気になってます。これは韓国語でなんて言ってるの~!?)

このDVD、2枚組で、コンサートがアンコールを含めてすべてと、メイキング部分がついて、楽天のショップとかで3000円ちょっとで買えるんですよ。とってもお買い得です。回し者ではありませんが(笑)、日本の『モーツァルト!』『エリザベート』ファンの方もよかったら見てみて下さい。

ちなみに、もうすぐソウルで開幕の『モーツァルト!』はキム・ジュンスさん、イム・テギョンさん、(ルキーニの)パク・ウンテさん、(ルドルフの)チョン・ドンソクさんのクワトロキャストで上演。こちらも気になりますね。

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