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2011/04/09

劇場って温かいなと思う

計画停電も一応終了宣言が出されましたね。
我が家は停電区域に指定されていたため、停電予定に行動が縛られていて意外に難儀だったのですが、とりあえずほっとしています。
(計画停電は被災地の東北に電力を送るためでなく、東京電力管内の電力不足を補うために行われます。お分かりと思いますが念のため)

今夏は大幅電力不足ということですが、計画停電でなく節電で乗り切りたいとのこと。演劇界もいろいろと大変と思いますが、ほかの業界と同じく節電に協力しつつ、それを上回る演技のパワーで皆さんの心を明るくし続けていただきたいなあと思います。

見る予定の舞台が中止になったり、交通事情でどうしても伺えなかったりして、しばらく劇場に足を運べなかったのですが、地震後に初めて見た舞台はこまつ座さんの「日本人のへそ」。

「久しぶりの観劇、そして、こういう状況でどういうふうに舞台が見えるのかしら…」と自分的には思ったのですが、劇場は常と変らず温かく私を包んでくれました。


井上ひさしさんの追悼ファイナルとなる公演で、ぐいぐい引き寄せられるようなパワーに圧倒される3時間。

笹本玲奈さんがイキイキと場を引っ張っていって魅力的。石丸幹二さんも意外な姿を見せてくれました。周りを固める皆さんも実力派そろい。植本潤さんも何役やったか数えられないくらい、早変わりが多い中、それぞれの役をきちんと際立たせる技が素晴らしい。最後のどんでん返しに次ぐどんでん返しは、最後の最後まで「ええっ、そうだったの!?」と何度も騙され続ける私でした(笑)。

工夫のある装置。そして生演奏の小曽根真さんが作曲もされているのですが、これが、井上さんと一緒に作品を作ったとしか思えない、見事に作品と一体化した音楽でした。

芝居って、舞台ってパワーがあるな……と改めて思います。久々に3時間、頭を空にしました。


その次に拝見したのが東京スウィカ『光の庭』。
こちらは現代のお話で、関東近県のちょっとノスタルジックな佇まいがある田舎町の日常を描いた舞台。登場人物も、セットや道具も非常に丁寧に作ってある舞台で、今まで(311以前)なら、リアリティのあるお話だなと思って見たと思うのですが。今は逆に悲しい状況を見るのが常になってしまっているせいか、「ああ、こんな日常もあったな……」と不思議に遠く感じる自分がいて。作品がどうということより、そういう自分の受け止め方にちょっと戸惑いがあったのも事実です。

でも、やがては舞台に次第に引き込まれていき、人と人とつながりの温かさに思いを馳せられるようになりました。
東京スウィカさんは、前回見たときも思ったのですが、子役さんの使い方がお上手ですね。緒方和也さんは東京から来たテレビ局の人という設定で、田舎町の人たちと間にある違和感を巧みに表現されていたと思います。


公演中止も相次いだ、この1カ月。中止された方も、開幕を決めた方もそれぞれに真摯に考えた結果の結論と思います。「演劇」の意味、そして見ることの意味をはからずも考えさせられました。今まで以上に、一つ一つを大事に受け止めていきたいと思います。

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