« 花組芝居「花たち女たち」初日見てきました | トップページ | アジアン・スイーツ »

2010/11/16

芝居を見ることは自分を見ることでもある

8年前の新派での公演『花たち女たち』を見たのはHさんとご一緒でした。
ちょうど母が入院中だったので、新派の舞台を見ながら「女性が生きるってどういうことなんだろうか?」と思いを巡らしていた記憶があります。
(母は帝劇の『西鶴一代女』に一緒に行ったときに、パンフの植本潤さんの写真を見て「花組芝居にも女優がいるのね」というナイスコメントを残した人でしたが…(笑))


今回の花組芝居公演『花たち女たち』を見て、8年前のこともいろいろと頭によぎってきて…。
Hさんは2年前に他界されたのですが、「今ご一緒したらどんな感想をおっしゃるのだろう?」と思ったり。

花組『花たち女たち』千秋楽の前日、私が仕事などでとてもお世話になった方の告別式に伺いました。60代前半でお若いご最期だったけれど、果敢に病気に闘ってらしたようです。その方と関わるようになったきっかけは、私と長くお付き合いがある方とのご縁からでした。告別式でご一緒した後で、その方にメールをした返事が、翌日『花たち女たち』千秋楽の幕間にメールチェックしたら届いていて。

「人生は本当に、いろいろな経験といろいろな方たちの支えがあっての繰り返しかも」
というその方の一文が、心に残りました。
「○ちゃん(←私)の人生を深く応援します」とも。


『花たち女たち』で描かれているのは、大正~昭和を生きる二人の女性、正子と蔦代。この日は終幕近くの、酩酊した正子の前に過去の男性たちの幻想が現れるシーンがよりリアルなものに感じられました。

演じている堀越さんも谷山さんも20代の男性。自分の周りにいる人たちが次々に手の届かないものになるという感覚は、彼らの現実としてはリアルなものではないかもしれないけど、でも(前回のブログに書いたように)「魂は現実」と思える瞬間がある。
谷山さんが演じる蔦代の愛嬌と芝桜のような逞しさ、「自分が死ぬときは、バレエの『瀕死の白鳥』のように消えていきたい」という堀越さんの正子の儚い美しさ……。非現実が現実を生み出したような不思議なリアリティがあるのです。


花組版のラストシーンは新派と違って、あたりを闇に包まれた正子が泣き崩れるところで終わります。(ちなみに原作のラストもそういう終わり方)
「一期は夢」というようなラストも、でも、それは哀しいだけのものでない気もする。その後も正子の人生は続いていくわけで、さまざまな経験を繰り返しながら生きていく(生きていかなければならない)。そんな人間の生命力の強さとか、もしかしたら、蔦代という存在(難儀な人ですけど…(笑))も正子にとっては支えなのかも、…とか、いろんなことを感じさせられるラストでした。

|

« 花組芝居「花たち女たち」初日見てきました | トップページ | アジアン・スイーツ »

コメント

>HSさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

>生きるという事は楽しいと感じる事以上に哀しい/悲しいと感じる事のほうが多いように思います。それでも人は生きていかなければならない。
本当にそう思います。それでも生きていかなければいけないけど、でも、何か、悲しむだけで終わらない人間のたくましさ、みたいなものを、この作品で改めて感じさせてもらいました。

千秋楽に見たのが「恋チーム」だったので「恋」に言及させてもらいましたが、本当は、1チームを見るともう1チームが見たくなる。そんなネバーエンディングな(笑)芝居でしたね。

投稿: おおはら | 2010/11/27 20:20

こんばんは、ご無沙汰しています。本当に自分と照らし合わせてしまう舞台でした。正子や䔍代ほどいろいろな事がある人生ではありませんが、それでも考えさせられることが多いものでした。生きるという事は楽しいと感じる事以上に哀しい/悲しいと感じる事のほうが多いように思います。それでも人は生きていかなければならない。そんな事を再認識しました。
 夢、恋それぞれに個性あるチームだったように感じます。個々の役柄について誰がという思いはありますが、チームとしてやはりバランスがとれていたのでしょうね。前半で夢チームを観ていた事もあり、千秋楽で恋チームをみたあとに、もう一度夢チームを観たくなりました。

投稿: HS | 2010/11/20 23:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34077/50045600

この記事へのトラックバック一覧です: 芝居を見ることは自分を見ることでもある:

« 花組芝居「花たち女たち」初日見てきました | トップページ | アジアン・スイーツ »