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2010/11/27

萩尾望都原画展・スタジオライフ「11人いる!」製作発表

萩尾望都先生デビュー40周年記念「萩尾望都原画展」の開催と、スタジオライフによる「11人いる!」の舞台化が決定し、製作発表記者会見が行われました。(11月26日 博品館劇場)
その模様をレポートします。
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7回に及ぶ上演回数を誇る「トーマの心臓」をはじめ、「訪問者」「メッシュ」「マージナル」に続き、「11人いる!」で萩尾望都作品5作品目の上演となるスタジオライフ。
「宇宙大学受験のため、宇宙船白号に乗り込んだ受験生たち10人。しかし、宇宙船にはなぜか1人多い、11人いた」というところから始まるストーリー。
日本のSF漫画史上で最高傑作の一つとの評価を受ける「11人いる!」をいかに舞台化するか? 興味が集まります。
今回は宣伝ビジュアル製作も萩尾先生が担当とのこと。宇宙的な広がりを感じさせるポスターも要チェックです。

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最初に、萩尾先生とスタジオライフの作・演出家、倉田淳さんによるトークショー。

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「11人いる!」の製作秘話(宮沢賢治の「座敷童子のはなし」を読んだことがきっかけで「10人のはずが、11人いる!」というストーリーを思いついた。はじめ、高校生のときに描こうとしたけれど、キャラクターが7人くらいしか思いつかずに断念した)や、11人の個性豊かなキャラクターについてが話題に。
「性が未分化のフロルは、ル・グインの『闇の左手』に出てくる性が定まっていない登場人物から発想のヒントを得た。生物学の本を読んだら、はじめから性別が決まっていない生き物が多いんです」
と萩尾先生がいうと倉田さんが「イメージが広がりました」などと、かなりの刺激を受けているご様子。

トークの中で私が印象に残ったのは、コミュニケーションに関する話。
倉田さんが
「いろんな星から受験生たちが集まってきて隔離された宇宙船の中で生きていくが、その中でいろんなアクシデントがあったりする。彼らは他者と対峙することによって自分のことが見えてきて、最終的に自分の立場や自分の負を受け入れることができて、未来へと結びつけていくことができたんじゃないかなと思うんです。自分の負を受け入れるためのアドバイスがいただければ」
という問いかけに
萩尾先生は
「まさにおっしゃるとおりで。自分の負は克服したり戦うものでなく、受け入れるものじゃないかなと。コンプレックスをなくそうとすると厳しくなってしまい、結果、他にも厳しくなってしまう。むしろ、受け入れる、自分を許すことが大事で。その兼ね合いは一人でできることではなく、他人を介して、コミュニケーションを取りながら距離感を図りながら、自分で発見して理解していけるようになる。そんな風にして許し合っていくのが一番いいんじゃないかと思います」
と答えられていて。

私は聞きながら
「ああ、これってまさに『トーマの心臓』で描かれているものだな」
と思っていたのですが、すかさず倉田さんも
「それは『トーマ』とリンクしてますね」
とおっしゃって。「人は一人では生きていけない」という思いはスタジオライフの作品の中で繰り返し描かれているテーマですが、萩尾先生と倉田さんには深く共通する部分があることを改めて感じさせられたトークでした。


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引き続いて、出演者の皆さんが登壇し、製作発表に。

主宰の河内喜一朗さん
「萩尾先生の『トーマの心臓』と出会わなかったらスタジオライフは存続しえなかったと思う。改めて萩尾先生に感謝の言葉を申し上げたい。SF作品で、代々木アニメーション学院の協力を得てハリウッド並みの特殊メイクと舞台いっぱいのスクリーンにコンピュータグラフィックスを使って表現したい」

倉田淳さん
「『11人いる!』が舞台化できて幸せです。稽古を一番待ち望んでいるのは私自身です。男性ばかりの宇宙船は(男優集団)スタジオライフにぴったりではないかと思います(笑)。お客様がどうしたら想像力を膨らませて現実から飛び立っていただけるか、身が引き締まる思いで挑戦していきたいです」

山本芳樹さん(タダトス・レーン役・Alcorチーム)
「今はまだどんな作品になるか想像もつかないけれど、これからどういうふうに作られていくかが楽しみです。萩尾先生の素晴らしい作品世界とスタジオライフの世界がうまく良い化学反応を起こしていけたら、と思います」
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松本慎也さん(タダトス・レーン役・Mizarチーム)
「大好きな萩尾先生の作品に出演できることを幸せに思っています。閉鎖された密室の空間における集団心理を演じるということで、関係性と心情を丁寧に描きながら、お客様にドキドキハラハラしていただけるように真摯に芝居に取り組んでいきたいと思います」
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及川健さん(フロルベリチェリ・フロル役・Alcorチーム)
「私は学生時代アニメーション部にいて、部員達でアニメの『11人いる!』を見た覚えがあります。それから月日が流れて、『11人いる!』に出演するという不思議なご縁を感じています」
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三上俊さん(フロルベリチェリ・フロル役・Mizarチーム)
「僕が演じるフロルは『メニール』といわれる、性が未分化の人。活発で負けん気が強くて、でも、心の中には優しさと思いやりをもった人物です。『メニール』は天使という意味もある言葉ということなので、見た目も中身も天使のような存在になれたらいいなと思います」
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曽世海司さん(バセスカ役・Mizarチーム…製作発表では司会も務めました)
「今まで演じてきた中で一番、位が高い役。ついに王様まで上り詰めたかなと思います(笑)。もともとSF好きで、初めて『11人いる!』を読んだときの衝撃と感動は忘れられない。SFの面白い要素が作品の中に凝縮されてるんです。ずっとやりたいと思っていた作品に参加できて、嬉しくてワクワクしております」
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青木隆敏さん(バセスカ役・Alcorチーム)
「初めての王様役でドキドキしているのですが…(笑)。威厳と高貴なオーラをまとって、萩尾先生の作品の登場人物らしく繊細な心理描写も忘れずに演じたいと思います」
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山崎康一さん(グレン・グロフ役・Alcor/Mizar両チーム)
「『11人いる!』は『トーマ』に次いで2番目に読んだ萩尾先生の作品です。先生の作品を演じるとき、追えば追うほど逃げていく気がするんです。どこまで追えるか挑戦していきたい。僕と林勇輔が特殊メイクをやるということで、今からドキドキしています(笑)」
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質疑応答では「スタジオライフ版『11人いる!』に対する期待は?」という質問。

萩尾先生は
「これまでスタジオライフではリリカルな話を上演していただくことが多かったので、ハードな要素が多い『11人いる!』がどんなものになるのか、非常に興味があります。演出家の倉田さんが女性ですからリリカルな面を出せるでしょうし、役者さんは全員男性ですからそれと相反する別の面がうまく出せるんじゃないかなと思っています。特殊メイクも入るということで、今から期待感がますます高まっています」
と答えました。

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2010年、劇団創立25周年という節目の年を迎えたスタジオライフ。
2011年、新たな未来に向けての第一歩は『11人いる!』からスタートです!

スタジオライフ 『11人いる!』
◆東京 あうるすぽっと 2011年2月5日~28日
◆名古屋 名鉄ホール 3月19・20日
◆大阪 シアター・ドラマシティ 3月26・27日

デビュー40周年記念 萩尾望都原画展 
◆名古屋栄三越 12月22日~1月3日
◆福岡アジア美術館 2011年1月24日~3月13日


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(番外編)
青木さんの発言が笑いを呼び、一気に場が和みました。
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発言する山本さんを見つめる及川さんの視線に同期の絆が垣間見えます…。
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(写真掲載は劇団の許可をいただいております。禁・無断転載)

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