« 2010年7月 | トップページ | 2010年9月 »

2010/08/30

キリンバズウカ「LOGLOG」

ディスコミュニケーションのコミュニケーションというか。
自分が向かい合う相手を自分の良いように解釈している、けれど、決して、相手を否定しているわけでなく。
そんな人間同士のつながりが、ある意味とてもリアルだ。

キリンバズウカ「LOGLOG」
作・演出の登米裕一さんのプロデュースユニットで、関西から東京に拠点を移して3回目の公演。シアタートラムで千秋楽の29日に観劇。

「この人たちはいったいどうなってるの?」と思わされるところから、次第にそれぞれの「つながり」が明らかになっていくところとか
なんとなく居心地が悪い感じから、なんとなく居心地が悪くない感じへと移っていくところとか
ゆるやかだけれど、明確な変化が、舞台では表わされていて、登米さんの作劇の確かさを感じる。

初めの10分くらいは芝居に入り込めなかったりして、ちょっと気になる部分はあるのだけれど、でも、舞台に流れる「今の人の空気」というのは非常に説得力がある。特に、登場人物一人一人の造形がしっかりしていて、何より登米さんが選んだ小劇場界の巧みな俳優たちを存分に動かしている様子が快い。

「ハンサム」と呼ばれている人(中原裕也さん)のキャラとか、刑事ハダの説明「シュッとしていて、ナヨッとしている人」とか、思わず笑ってしまう部分もあって。

出演者では、ニイムラ役の三浦俊輔さんは、特異な役柄に走りすぎず、隠された彼の心情を描き出していた。登場人物たちとちょっと違う次元(?)にいるというスタンスを、独特の存在感を持って表していた、ハダ役の堀越涼さん。濃い女性性が魅力的な岡田あがささんなどが印象に残る。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/08/27

おおのの 「怪談八雲噺」

ひんやりとした涼しい気配が感じられるような舞台。まさに「夏の夜の…」という感じ。


花組芝居で加納幸和さんのもとで演出助手を務める大野裕明さんの個人ユニット「おおのの」の第5回公演。夏目漱石(これは「おおのの」名義ではないけど)萩原朔太郎、太宰治、溝口健二と取り上げてきた大野さんが今回は小泉八雲を取り上げる。乃木坂・コレドで25日に拝見。


ラフカディオ・ハーン=小泉八雲を丸川敬之さん(花組芝居)、八雲の妻セツを鈴木陽代さんが演じ、八雲の綴った「怪談」をフリーアナウンサーの木次真紀さん、戸丸彰子さんが語る。

冒頭、老年のセツの登場の声にハッとさせられる。(ちょっと、白石加代子さんふう?) 八雲の怪談を語るお二人も、見た目可愛らしい方たちなのに、予想外の声を聞かせられる場面もあって、一人の人の声の幅を感じさせられた。

丸川さんが持ってるまっすぐさが、八雲が持っている情熱にうまくはまっていた。ただ、1時間10分という制約もあるためか、八雲とセツとの関係性を朗読で説明している部分があり、ちょっと客観的な感じになってしまったかも。そこは芝居として表現してもらった方が、私はすんなり世界に入り込めたかなあ、という気もする。とはいえ、夏の一晩にふさわしい清涼感のある芝居を楽しませていただきました。

音楽はピアニスト・保坂修平さんとパーカッション・秋葉正樹さん。 生演奏オリジナルは一気に世界が広がる。
「怪談噺」が終わったあとは、15分の休憩を挟み、「おおのの」でのオリジナル曲を演奏する保坂さんライブが30分。

天井からは夏らしい風情の小物やタペストリーがぶら下がって、夏の楽しさを感じさせる演出。コの字型に配置した客席も、怪談噺を聴くにはふさわしい。演じる上では制約のあるコレドという空間だけれど、うまく使ってるなあ、と感心する。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/08/25

処暑の候

暦の上では処暑を過ぎましたが、まだまだ暑いですね。
先日、お知り合いのところで、花火大会に伺いました。
Nec_0247

花火大会をちゃんと見るなんて、何年ぶりだろう? 迫力のある花火で、皆さんと盛り上がりました。

さてさて、最近こちらにご報告していなかったので、ちょっとお知らせなど。

ローチケ.comにてグランディーバ・バレエ団芸術監督ブライアン・ノリスさんインタビュー→こちらからご覧いただけます。

現在発売中のBEST STAGE VOL.24
「エリザベート」朝海ひかるさん・瀬奈じゅんさん・山口祐一郎さん・石丸幹二さん インタビュー
CD「Chopin et Sand ー男と女-」春野寿美礼さん インタビュー
スタジオライフ 藤原啓児さん・笠原浩夫さん・石飛幸治さん・山崎康一さん・倉本徹さん・松本慎也さん座談会

現在発売中のレプリークBis VOL.19
「モーツァルト!」井上芳雄さん・山崎育三郎さん インタビュー
「ロミオとジュリエット」演出 小池修一郎さん インタビュー
舞台美術家 堀尾幸男さん インタビュー
「演出家・小池修一郎の10000字」 インタビュー

を担当しております。

小池修一郎先生の10000字では、以前のBEST STAGEのロングインタビューに続きまして、今度も超ロングインタビューを担当させていただきました。
作品に対して小池先生が持っていらっしゃる情熱がハイスピードなお言葉からバシバシ伝わってきて、圧倒されそうになる数時間、皆様にもこの感動が伝えられていたらいいなと思います。

よかったら書店などで手にとってご覧下さいませ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010/08/20

精霊流し

加納幸和さん演出、芳本美代子さん、馬淵晴子さん出演の二人芝居「精霊流し」を拝見。

不倫の末身ごもり、故郷の長崎・松浦に帰り自殺を図った女性(芳本)と、彼女を泊めている宿屋のおばば(馬淵)。
二人の会話から、彼女たちの過去が見えてきて…。

セリフの音の出し方から、照明のふと変わる瞬間、一つ一つがすべて繊細に作り上げられている舞台。
台本(岡部耕大)を本当に細かく掬いあげて、女性の心理や心のひだをここまで丁寧に描く…加納さんの演出力の確かさを改めて感じた。
いろいろな過去があり、悲しい別れがあり、でも、最後には前を向いて歩いて行く。そんな女性の強さを感じる。良い舞台でした。

途中に舞台に現れる精霊流しの灯篭が圧巻。これは、岐阜県可児市文化創造センター制作の舞台で、灯篭は可児市民の方々が作られたとか。


| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010/08/06

いろいろ

歌舞伎チャンネルで、中村歌右衛門の「東海道四谷怪談」を観ました。母が「歌右衛門のお岩さん、本当に怖かったのよ~」と言っていたので、気になってたのですが、やっと映像で見ることができた。
…確かに怖かった(笑)。このとき39歳、こんな芝居ができる女形さんってすごい。悲しい女の人だけれど、ちょっと嗜虐的?というか、伊右衛門が岩を疎んじたくなるのもわかるような部分もあって。体の立ち姿のラインが最近の女形さんと違うのですね。

先代の幸四郎も、私はお年を召した姿しか拝見したことがなかったのですが、若いころはずいぶんカッコよかったのですね。


ちょっと前ですが「ピーターパン」観劇。初めてです。楽しいミュージカルでした。笹本玲奈さんのピーターパン、イキイキしてましたね。橋本じゅんさんのフック船長がすばらしい。「ピーターパン」なのに、まさかのコール&レスポンス(笑)。子供の世界に生き続けるピーターパンと、大人になってしまったウェンディの会話が悲しい。「ダメだよ! 君はもう大人になってしまったんだから(連れていけない)」とはっきり言うの、子供の残酷性がよく出てました。

ピーターパンがフック船長が仕込んだ毒入りの薬を飲みそうになったら、客席から「ダメっ」という声が。その薬をティンカーベルが飲んでしまうと、「ダメッ…うぇ~ん(泣き出す)」。芝居に入り込んでるんだなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年7月 | トップページ | 2010年9月 »