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2010/05/25

スタジオライフ『THREE MEN IN A BOAT +ワン』 

スタジオライフが「ロンドンやニューヨークの小劇場の傑作を日本に」というコンセプトで行っているシリーズ「The Other Life」の第8弾『スリーメン イン ア ボート+ワン』。
第8弾だけど、そのうち今回含め計3回はこの「THREE MEN IN A BOAT +ワン」をやっている。
イギリスの作家デニス・ディーガンの原作。構成・台本・演出は倉田淳さん。

上演のきっかけとなったのは、ロンドンで倉田さん、河内喜一朗さんがこの作品を見て「ぜひ上演したい!」と思ったことからだそうだ。ちなみにロンドン版では犬が登場しなかったそうで、3人の男+犬が出るのはスタジオライフ版のみとのこと。

自分たちが病気だと思い込んでしまった3人の男、ジェイ(関戸博一/緒方和也)ハリス(深山洋貴/船戸慎士)ジョージ(冨士亮太/篠田仁志)が、健康を取り戻すために犬のモンモラシー(三上俊/神野明人)と共にテムズ河の旅に出かける…その珍道中を描く。ダブルキャスト公演で、私はLAGERチームとALEチームを観劇。(※お名前はLAGER/ALEの順で表記)

スタジオライフの本拠地ウェストエンドスタジオで、中央ステージ部分を客席が四方から取り囲む形。ダブルキャストの出ていないチームが客席を案内してくれるのはなんとも贅沢。スタジオに降りていくと、既に中央では芝居が始まっている。ビールを飲みながら、男たちが客席と絡みつつ馬鹿話をしている感じがゆるやかで心地良く、芝居に対する期待が膨らむ。

3人と1匹のテムズ河の旅を演じながら、ときには観客に直接話しかけたり、観客に音が出るものを配ってテムズ河の流れの効果音を出してもらったり…という観客参加型の芝居。役者としてのスタンス(4人の芝居の世界⇔観客とやりとりする世界)が行ったり来たりする感じで、演じる人の技量が試されそうな設定ではある。
個人的には客いじりされるのが苦手なシャイな(笑)私なので始まる前はちょっと心配したけど、大丈夫だった(?)。

2チームともアドリブやそれぞれの稽古で積み上げていった台詞や設定もあって(劇中に歌う曲も別の曲)、違いを楽しむのも面白い。中でも「無人島に行ったら…」という設定で3人と1匹がどんどん話を膨らませていく大騒ぎ具合が(皆さん汗だく!)で、楽しかった。

客席を楽しく巻き込みながら、ふっと静かなトーンで見せる場面も2つほどあって、その見せ方がとてもスタジオライフらしいというか、倉田さん演出の肝の部分か。特に、終幕近くの3人と1匹が見せる姿がちょっと切なくロマンチックな感じで、印象的だ。

見比べると、個々のキャラクターがきっちり出ているLAGERと、チームワーク良く盛り上げるALEというように感じた。
関戸さんは客席の懐に飛び込んでいくのが上手だなあ、と改めて思う。三上さんの犬は存在がとてもキュートで、関戸さんの「(三上さんのモンモを見て)ふと『可愛いな』と思って顔がほころんでしまう自分がいるのが悔しい」というアドリブ?がなんだか納得。篠田さんはお客様に対して一人一人ときちんと向き合おうという姿勢を感じて好印象。

楽しい舞台でした。

なお、東京公演の後、「お電話一本でいつでもお伺いします!」をモットーに、注文が入ればお客様の近くで演劇を配達するという「Theatre Delivery」で全国で公演を行う。なかなか生の演劇に触れる機会が少ない場所にいらっしゃる方々にも、演劇を届けたい、という姿勢はとても素晴らしいと思う。名古屋、京都、大阪公演、広島、福岡、熊本公演が予定されている。

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