« 新井薬師御開帳 | トップページ | スタジオライフ『THREE MEN IN A BOAT +ワン』  »

2010/05/18

裏切りの街

決断しない、面倒くさがる、流されていく……おそらく誰しもが少しは持っている感情だろう。
それを舞台上でつぶさに見せるのが「裏切りの街」。
ポツドールは未見のため、三浦大輔さん作・演出の作品は今回が初見。
人間のそういう「ダメ」なところを、批判するわけでも肯定するわけでもなく、そのまま描き出す。

しっかり者の彼女と同棲しているフリーター、サラリーマンと結婚している専業主婦がテレクラで出会い、会って3回目にホテルへ行き、それを重ねていく。
二人が出会っている場面と交互に、フリーターと専業主婦の家の中の様子が同時進行で演じられる。ちょっと、自分が人の家の中を覗き見しているような変な気分になる。

恐らく、この舞台で描かれている後も、彼らは同じような生き方を続けるのだろう。誰もが皆、結果として誰かのことを裏切っている。でも、「裏切り」という言葉の持つ重々しいイメージとは違う。
それぞれのパートナーを愛しているというのは嘘じゃない、でも、「浮気」で会っている間は忘れているのも本当。罪の意識はない、けれど「裏切っている」。現代に生きる人たちのリアルが、そのまま舞台上に照らし出される。


上演時間は3時間15分(!)。ドラマティックな展開があるわけでない舞台だが、決して飽くことなく、集中して見ていられた。駅やレストラン、二人の家など、複雑に回転させながら立体的に見せる装置も、効果的。

役者さんはそれぞれに役柄にピタリとはまっている。フリーター役、田中圭さんの背中の丸め具合が印象的。ダメな人なんだろうけど、でも、惹きつけるものがあるという複雑なところがよく出ていた。秋山菜津子さんの、スラスラと物事を進めていけない様子に非常にリアリティを感じる(スタイル、素晴らしい)。松尾スズキさんの決して悪い人でないだろうに、どこかイヤ~な感じもこれまたリアルなのだ。

(パルコ劇場にて観劇。公演は5月30日まで。後、大阪・福岡で上演)

|

« 新井薬師御開帳 | トップページ | スタジオライフ『THREE MEN IN A BOAT +ワン』  »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34077/48392050

この記事へのトラックバック一覧です: 裏切りの街:

« 新井薬師御開帳 | トップページ | スタジオライフ『THREE MEN IN A BOAT +ワン』  »