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2010/05/28

劇団四季『春のめざめ』

昨年の初演より、早くも再演が行われた『春のめざめ』。東京公演は5月30日までということで、急いで足を運びました。(5月21日観劇)

ブロードウェイ公演時より大好きな作品です。

ブロードウェイ2007年版の観劇時のブログ
ブロードウェイ2008年版の短いブログ
劇団四季2009年1回目の観劇時のブログ
劇団四季2009年2回目の観劇時のブログ

作品についての基本的な感想は2007年版のをご覧いただくとして。

ほとばしるエネルギーが伝わってくる、心の躍動感がある舞台でした。

2009年1回目の観劇時に「感情を爆発させる部分は、なんというか、もっと強い衝動がほしい…とも思うのです」と書いたのですが、それとはまったく違ってますね。

「THE B/I/T/C/H OF LIVING」(ブチきれそう)も、本当にエネルギッシュで、内面の強い思いがひしひしと伝わってきて、感動しました。

初演より何カ月か経ってテンションが下がってたら…というのはまったく杞憂でした。逆に、間があいたことによって、皆さん役の解釈がさらに深まったのでしょうか。繊細に丁寧に心の動きを追求する四季らしさと、パッションをぶつけるSpring Awakeningらしさがうまく絡み合って、「ああ、もう一度見たい…」と思わされる舞台でした。

私にとっては5人目(!)のメルヒオールとなる、上川一哉さん。歴代メルヒの中で一番骨太?な感じ。「Totally F/u/c/k/e/d」の客席をあおるようなロックテイスト(?)な演じ方は個性的だし意外でしたが、そういう演じ方もアリですよね。面白い。

今回印象に残ったのは、ラストの「パープルサマー」。ブロードウェイ版で見たときは、ちょっと蛇足に思えたこの曲も、四季で見ると納得できてしまう。
季節が変われば、つらく苦しい春は終り、夏が来る。
でも、めぐってくるのは、決してピーカンに晴れた夏じゃなく、purpleカラーの苦味の残った夏なんですよね…。

どんなことが起きても、それでも時間がたてば(生きてさえいれば)それを受け止められるようになるときが来る…

時の重み、それでも生きていかないといけないということ、いろんなことを感じさせてもらった気がします。

(東京終了後、名古屋にて8月11日から上演決定)


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2010/05/26

花組芝居 花組ヌーベル『ハイ・ライフ』竜組初日

花組芝居主宰の加納幸和さんが花組の本公演ではやれないことをやる!という企画「花組ヌーベル」、第1回公演(←すみません、訂正。花組ヌーベルは2006年の『恐怖時代』からで、2005年の『ハイ・ライフ』は「花組芝居OFFシアター」名義でした)2005年『ハイ・ライフ』の再演。ダブルキャスト公演で、基本的に前回公演の演出を踏襲する…ということなのだが、

これがまた、2005年版とはまったく別物に見えるのだ。

同じ演出をしていても、演じ手によってまったく違うということか。ならば、ダブルキャストもう一方の虎組はまた全然違うのだろうな、とそちらにも期待が膨らむ。(虎組は公演後半に観劇するので、また改めて書きたいと思う)
※2005年版のときの私の観劇記録はコチラ

カナダ人作家のリー・マクドゥーガルの戯曲で96年の作品。刑務所から出所してきたジャンキーたちの犯罪計画とその崩壊を描くものだけれど、冒頭の4人がゆっくりと歩みを進める登場シーンからまずハッとさせられる。暴力とか血とか、そういうイメージでない、シンプルで洗練された感覚。
花組版の『ハイ・ライフ』は暴力的なテンションとか勢いだけとかで見せるものでない。一つ一つの台詞の意味をちゃんと汲み取り、各場面で男たちの関係性を積み上げていく。それらが折り重なることで、ダメ男たちの気持ちや生き方が見えてくる。1枚1枚本のページをめくるように、男たちのことがわかってくるのがなんともスリリングで、私も前のめりな気持ちで舞台に集中できたのだった。

実は暴力が多いタイプの芝居は苦手なのだけれど、粗野な単語やら暴力のシーンがあったとしても受け入れられたのは、加納さんの演出が持つ力(表面的な暴力描写に流れない、真意をつかんで見せる)だからだと思う。

というか、花組芝居の役者さんって皆さん芝居がお上手だ(なんかシンプルな感想で申し訳ない)。4人全員に、リアルな息遣いが感じられるのだもの。そんなことにも感心してしまう。花組というと様式的な美しさが注目されがちだけれど、リアルに落としこめる演技力の確かさはもっと評価されてしかるべきだと思う。

暴力的でキレがちなバグ(水下きよしさん)と犯罪計画を立てて男たちを巻き込んでいくディック(桂憲一さん)との不思議な「友情」…という言葉では表現しきれない、妙な紐帯のようなものが印象的。そのあたりがうまく表現できてるのもお二人ならではか。
桂さんのディックは皆を引きずりこめるような魅力と不思議な説得力があるようだ。前回ディックを演じた水下さんが今回はバグ。水下さんの存在で芝居のスケール感が大きくなったようだ。

二枚目で女をたらしこむ色気を持っているビリーは美斉津恵友さん。前回公演の各務立基さんが見せた生き急いでる感の嫌な感じとはまた違ったタイプの、刹那的で空虚な面を覗かせるところが面白い。体が弱く弱気なドニーは堀越涼さん。弱いだけでなく、どこか小ずるくしたたかな面も見せる。ビリーがドニーに迫る(?)場面も、心理面が非常に緊密に作られていて、記憶に残る。

それにしても…と思う。人を殺した後も、彼らの非常に特殊な感じの「日常」は続いていく。ヤクをやっているということは、自分の死と隣り合わせ(たとえば、自分が打つヤクの量を間違えたらすぐ死んでしまうし)であるから、人の死に対しても不感症なところがあるのかしら。バグとディックの変わらなさ加減を見て、白々とした寒さも感じるラストシーンだった。

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2010/05/25

スタジオライフ『THREE MEN IN A BOAT +ワン』 

スタジオライフが「ロンドンやニューヨークの小劇場の傑作を日本に」というコンセプトで行っているシリーズ「The Other Life」の第8弾『スリーメン イン ア ボート+ワン』。
第8弾だけど、そのうち今回含め計3回はこの「THREE MEN IN A BOAT +ワン」をやっている。
イギリスの作家デニス・ディーガンの原作。構成・台本・演出は倉田淳さん。

上演のきっかけとなったのは、ロンドンで倉田さん、河内喜一朗さんがこの作品を見て「ぜひ上演したい!」と思ったことからだそうだ。ちなみにロンドン版では犬が登場しなかったそうで、3人の男+犬が出るのはスタジオライフ版のみとのこと。

自分たちが病気だと思い込んでしまった3人の男、ジェイ(関戸博一/緒方和也)ハリス(深山洋貴/船戸慎士)ジョージ(冨士亮太/篠田仁志)が、健康を取り戻すために犬のモンモラシー(三上俊/神野明人)と共にテムズ河の旅に出かける…その珍道中を描く。ダブルキャスト公演で、私はLAGERチームとALEチームを観劇。(※お名前はLAGER/ALEの順で表記)

スタジオライフの本拠地ウェストエンドスタジオで、中央ステージ部分を客席が四方から取り囲む形。ダブルキャストの出ていないチームが客席を案内してくれるのはなんとも贅沢。スタジオに降りていくと、既に中央では芝居が始まっている。ビールを飲みながら、男たちが客席と絡みつつ馬鹿話をしている感じがゆるやかで心地良く、芝居に対する期待が膨らむ。

3人と1匹のテムズ河の旅を演じながら、ときには観客に直接話しかけたり、観客に音が出るものを配ってテムズ河の流れの効果音を出してもらったり…という観客参加型の芝居。役者としてのスタンス(4人の芝居の世界⇔観客とやりとりする世界)が行ったり来たりする感じで、演じる人の技量が試されそうな設定ではある。
個人的には客いじりされるのが苦手なシャイな(笑)私なので始まる前はちょっと心配したけど、大丈夫だった(?)。

2チームともアドリブやそれぞれの稽古で積み上げていった台詞や設定もあって(劇中に歌う曲も別の曲)、違いを楽しむのも面白い。中でも「無人島に行ったら…」という設定で3人と1匹がどんどん話を膨らませていく大騒ぎ具合が(皆さん汗だく!)で、楽しかった。

客席を楽しく巻き込みながら、ふっと静かなトーンで見せる場面も2つほどあって、その見せ方がとてもスタジオライフらしいというか、倉田さん演出の肝の部分か。特に、終幕近くの3人と1匹が見せる姿がちょっと切なくロマンチックな感じで、印象的だ。

見比べると、個々のキャラクターがきっちり出ているLAGERと、チームワーク良く盛り上げるALEというように感じた。
関戸さんは客席の懐に飛び込んでいくのが上手だなあ、と改めて思う。三上さんの犬は存在がとてもキュートで、関戸さんの「(三上さんのモンモを見て)ふと『可愛いな』と思って顔がほころんでしまう自分がいるのが悔しい」というアドリブ?がなんだか納得。篠田さんはお客様に対して一人一人ときちんと向き合おうという姿勢を感じて好印象。

楽しい舞台でした。

なお、東京公演の後、「お電話一本でいつでもお伺いします!」をモットーに、注文が入ればお客様の近くで演劇を配達するという「Theatre Delivery」で全国で公演を行う。なかなか生の演劇に触れる機会が少ない場所にいらっしゃる方々にも、演劇を届けたい、という姿勢はとても素晴らしいと思う。名古屋、京都、大阪公演、広島、福岡、熊本公演が予定されている。

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2010/05/18

裏切りの街

決断しない、面倒くさがる、流されていく……おそらく誰しもが少しは持っている感情だろう。
それを舞台上でつぶさに見せるのが「裏切りの街」。
ポツドールは未見のため、三浦大輔さん作・演出の作品は今回が初見。
人間のそういう「ダメ」なところを、批判するわけでも肯定するわけでもなく、そのまま描き出す。

しっかり者の彼女と同棲しているフリーター、サラリーマンと結婚している専業主婦がテレクラで出会い、会って3回目にホテルへ行き、それを重ねていく。
二人が出会っている場面と交互に、フリーターと専業主婦の家の中の様子が同時進行で演じられる。ちょっと、自分が人の家の中を覗き見しているような変な気分になる。

恐らく、この舞台で描かれている後も、彼らは同じような生き方を続けるのだろう。誰もが皆、結果として誰かのことを裏切っている。でも、「裏切り」という言葉の持つ重々しいイメージとは違う。
それぞれのパートナーを愛しているというのは嘘じゃない、でも、「浮気」で会っている間は忘れているのも本当。罪の意識はない、けれど「裏切っている」。現代に生きる人たちのリアルが、そのまま舞台上に照らし出される。


上演時間は3時間15分(!)。ドラマティックな展開があるわけでない舞台だが、決して飽くことなく、集中して見ていられた。駅やレストラン、二人の家など、複雑に回転させながら立体的に見せる装置も、効果的。

役者さんはそれぞれに役柄にピタリとはまっている。フリーター役、田中圭さんの背中の丸め具合が印象的。ダメな人なんだろうけど、でも、惹きつけるものがあるという複雑なところがよく出ていた。秋山菜津子さんの、スラスラと物事を進めていけない様子に非常にリアリティを感じる(スタイル、素晴らしい)。松尾スズキさんの決して悪い人でないだろうに、どこかイヤ~な感じもこれまたリアルなのだ。

(パルコ劇場にて観劇。公演は5月30日まで。後、大阪・福岡で上演)

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2010/05/09

新井薬師御開帳

6日に取材で新井薬師前まで行ったら、新井薬師が12年に一度の御本尊の御開帳とのこと!

ちょうど1年前、長野善光寺の御開帳に行って、やや御開帳マニア(?)になった私としては、ぜひ拝観したい、と思い、終了後に新井薬師へ。お堂に上がり、12年に一度お姿が拝見できる二仏一体の秘仏にお参りしてきました。

ご本尊は写真撮影禁止だったので、ご本尊につながっている回向柱の写真を。新井薬師は厄除けで有名のようですが、回向柱に触ることはご本尊に触れるのと同じことで、とてもご利益があるとか。思いっきりスリスリとしてきました。
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……その晩、いつものようにパソコンを使っていたら、突然パソコンが再起動し、真っ暗な画面に。

パソコンが昇天しました(悲)。


翌日パソコンショップに持って行ったらマザーボードの破損で修復不可能とのこと(涙)。結局新しいパソコンを買いました。

外付けのハードディスクに絶対消えたら困るデータは残してあったのでまだしもですが、ソフト系は全部入れ替えないといけないので、いろいろ大変。OSもXPからWINDOWS7に変わったので、まだ悪戦苦闘中です。

昼間、回向柱に触って厄除けしたばかりだというのに……ううう。
いや、本当はもっと大きな災難が来るはずだったところ、厄除けしたから、パソコンが厄を肩代わりしてくれたのでしょうか?(←そう思うしかない)

さて、気を取り直して。
6日の取材はスタジオライフのジュニア7で結成しているユニット雪月花の6人。昨年に出したCD「雪月花」など第一弾に続く、第二弾マキシシングル「雪月花 meets BLUE BLOOD CLUB」のお話を中心に伺いました。

お話の内容は雑誌で見ていただくとして、印象に残ったこと。前回第一弾発表前にも6人に取材させていただいていますが、良い意味で皆さんちょっと前回とは変わったなという感じを受けました。第一弾でCD、写真集やDVDを出し、お客様の前で楽曲を披露して、その間に経験したことによって皆、何かを掴み成長されているのだなと。それが言葉の端々から伝わってきました。
もちろん、仲の良さとか気の置けない感じは変わりなく。
普通の友達で仲が良いのとも違う、信頼しつつ一緒に競い合っていける感覚が劇団の同期の人たちならではなんでしょうね。私は日ごろ一人で仕事してるので、余計そう感じるのかもしれません。楽しく取材させていただきました。

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2010/05/04

ゴールデンウィーク&さよなら歌舞伎座

皆様、ゴールデンウィークをいかがお過ごしでしょうか?
私は取材に観劇があるのはいつもどおりですが、比較的時間に余裕があるのでぼちぼち原稿書きしながらまったり過ごしております。

GW前の28日にはさよなら歌舞伎座千穐楽に行ってまいりました。
3部はチケットが取れなかったので、1部だけ観劇。

Kabukiza1

カメラ持参で写真を撮ってる方もたくさん。私も。
Kabukiza2

役者の皆さん、思いが込められた好演、熱演でしたね。
1部のラストは連獅子。勘三郎さん、勘太郎さん、七之助さんの気迫がすごかった!
拍手も地鳴りのように鳴り響いてました。

20年近く前?、演舞場歌舞伎公演の千秋楽に勘三郎さん(当時は勘九郎さん)の鏡獅子を見たのですが、そのときは、毛振りを百回以上回していたんです。横で胡蝶で踊ってた勘太郎さんと七之助さんは、あまりに長いので(笑)(振り付けがなくなっちゃったのか)二人でちょっと困った顔をして踊ってたのがなんとも印象的でした。今回はお二人で子獅子でしっかりとお父様と並んで踊ってらっしゃることに、とても感動しました。こうして長く成長する姿を拝見できるのが歌舞伎の楽しみの一つですね。

長く通っていた歌舞伎座がなくなるのは寂しいことですが、3年後には今の歌舞伎座の材料で使えるものは使って設計されるということです。この舞台に立った役者さんたちの魂もそのまま受け継いだ歌舞伎座として蘇ることを期待します。

余談ですが、幕間に偶然真矢みきさんにすれ違って一瞬ご挨拶を。そういえば、旧・東京宝塚劇場の最後の公演は真矢みきさん主演の「ザッツ・レビュー」でした。そんなことも思い出し、劇場というものに思いをはせました。

さてさて
今日はゴールデンウィーク気分を満喫するため(?)美術展へ。国立西洋美術館のフランク・ブラングィン展と(できたら、BUNKAMURAでやってるレンピッカ展も行きたいけど、はしごできるかな~)に行き、その後はミュージカル「黒執事」に行って来ます。

皆様も楽しいゴールデンウィークを!

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