困ったメン
「おバカでサエないダメなヤツらが「イキオイ重視」で繰り広げる、超現実逃避型☆青春☆爆走コメディ!」
というチラシの言葉から想像したのとはかなり違う、かなりエッジが効いた作品でした。
今よりも不況が進行している2013年近未来の切迫感が、(ギャグで表現しているけれど)しっかり出ているのが脚本・演出の村上大樹さんの力なんでしょうね。
加藤啓さん、千代田信一さん、政岡泰志さん、平田敦子さんという小劇場の芸達者な方々が脇を固めるなんてものじゃなく、ハイパワーな芝居を見せてくれてます。
加藤啓さんの、オーディションのシーンのビミョーな体の動きとか、やけにおかしいです。あの、平田敦子さんが「ヒロイン」だもの(笑)。でも、おそらく平田さんが本来持っているであろう可愛らしさが垣間見えて、ちょっと嬉しかった。
イケメンな若手出演陣も、おそらくとても刺激を受けているんじゃないかなと思います。やむにやまれぬ気持ち、なんとか突き抜けようとするエネルギーが感じられました。特にダンスシーンが圧巻。
上山竜司さんはグイグイと場を引っ張っていく力があって、素敵。青柳塁斗さんはサイゼリヤの店員。他の人の後始末を押し付けられてしまうけれど、やってしまう人の良さ(というのか)が、印象的。松本慎也さんは繊細な感じが逆に存在感を示していたように思います。(オーディション審査しているときの台詞の間が、なんだか面白かった)
2時間の芝居のあと、7人の若手出演者による「困ったマン」という10分間の一人芝居がオマケについていて、初日は上山竜司さん担当。なんと、「いつかミュージカルに出たい」ということで、やったのが「一人ライオンキング」! 上山さんがシンバ、そのほかの役はモノマネで(スカーはユアン・マクレガーとか)で10分間でライオンキング全編やりました。いやー、これにはヤラレタ! これを発想して、10分間にまとめてやり通すのは大したものだと思います。
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