ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」12月4日に見てまいりました。
大好きな「ヘドウィグ」。
三上博史さん版の初演と再演(以前のブログに書いたものはこちら)
山本耕史さん版の初演と再演(以前のブログに書いたものはこちら)
そして、韓国・ソウルでのオ・マンソクさん主演版(以前のブログに書いたものはこちら)
ソウルでやった、ジョン・キャメロン・ミッチェルを迎えた「ヘドウィグ・コンサート」(以前のブログに書いたものはこちら)
山本さん主演版のラストにジョン・キャメロン・ミッチェルを迎えた「ヘドウィグ・コンサート」
と様々見てきてます。こうやって書き出すと、どれだけヘドウィグ好きなんだよって感じですが(笑)。
作品全体的な感想は上のブログをご参照いただくとして……。
今回見てよかった!と強く思いました。
(以下、ラストシーンに触れてます)
背中合わせの一体だった二人が神様によって切り離されたから、人は失われた半身を求め、愛そうとする…というプラトンの「饗宴」をモチーフに、自分の半身を激しく求め続けるヘドウィグ。
山本さん初演版は、半身を求める哀しさ、辛さが前面に出ていたような印象を受けました。
でも、今回は、違った。もちろん半身を求める哀しさはあるんだけれど、ラストには立ち上がろうとする生命力のパワーに溢れていたと思います。
ヘドウィグは自分のかたわれと思っていた(そしてヘドウィグを手ひどく裏切った)トミーのコンサート会場の隣でライブをやっているという設定で、舞台上でヘドウィグ役者がトミーを演じるようになってます。
初演版では(ブログにも書きましたが)、幕切れ直前、「ヘドウィグがトミーがいる方向を見て終わる」と思ったのですが、今回は、「(ヘドウィグの歌っているパワーがトミーに伝わって)トミーがヘドウィグの方向を見て終わる」だと感じたのです。
山本さんの演じ方の変化は、ジョン・キャメロン・ミッチェルとの共演でインスパイアされる部分もあったのかしら?と推測しますが。
変わり者でちょっとおかしくて、キュートでとても切ない、愛を求めてやまないヘドウィグ……とても素敵でした。
今まで以上に言葉もよく響いてきて、これだけ見てるのに「あ、こんなこと言ってたんだ…」と思うような発見もかなりありました。
イツァークはソムン・タクさん。イツァークの比重も今まで観たどのバージョンよりも重くなっていると思います。ソムン・タクさんもとてもパワーのある役者さんで(歌声がすばらしい)、ヘドウィグとイツァークが、実は心の奥底では支え合い、通じ合っていたのだ、というのを感じさせられました。
孤独、心の揺れ、でも何かを求めなければ生きていけない気持ち……、共感できるから、最後のほうの歌詞「LIFT UP YOUR HANDS」で素直に手を上げたくなってしまうんですよね。
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