« 心の翼を広げて……大浦みずきさんご逝去 | トップページ | 『トーマの心臓』『訪問者』製作発表会見&取材 »

2009/11/20

陰影深い「十二夜」スタジオライフ

観劇してからちょっと時間がたっちゃってますが、スタジオライフ「十二夜」ダブルキャストの両チーム観劇しました。

スタジオライフのシェイクスピア劇としては3作目、音楽劇テイストの喜劇としては「夏の夜の夢」に次ぐ2作目。
従来の「十二夜」とは異なる、上演台本・演出の倉田淳さんらしい視点が伺える舞台です。

一つは、「光と影」を前面に打ち出した演出。音楽劇として冒頭から歌っている「人生は雨と風の日があっても、いつか晴れる日が来る」というような内容の歌詞の曲のとおり。
道化フェステを片手が不自由という設定にして、負の部分を強調しています。また、従来はチャリ場の登場人物的に描かれることが多いサー・アンドリュー(青木隆敏)やマルヴォーリオ(坂本岳大)、そしてアントーニオ(牧島進一)の喪失感や悲しみを打ち出してきたことで、喜びに輝く恋人たちとの対照が際立ち、陰影深い作品となりました。
特に印象に残るのは、倉本徹さんのフェステがオリヴィアとマルヴォーリオとのやりとりで凹まされた後に深く沈みこむ一瞬。彼の持つ闇の部分が浮かび上がり、オリヴィアの心理を動かすことになる、その一瞬がとても鮮烈な印象を覚えます。

もう一つは、女性の恋する様をイキイキと描いたこと。利発で強い女性のように見えるマライアがサー・トービーに乙女のような恋心を寄せています。また、前半のオリヴィアは自分の恋心とは裏腹な行動を取っているのですが、内面の心理を歌や踊りで表現することで、恋する女性のパワーを表現。
ヒロインのヴァイオラ/シザーリオは山本芳樹さんと松本慎也さんのダブルキャスト。ナチュラルに可愛らしい松本さんと、心のひだを繊細に描き出す山本さんと、それぞれに違ったアプローチを見せました。オーシーノー(曽世海司)とヴァイオラの二人の場面のロマンチックで切ない表現は、スタジオライフならではですね。

初のオリジナル曲(作曲・林有三)ということで多彩なイメージの曲が使われてます。ミュージカル劇団ではないので、もちろんうまい方ばかりではないけれど、「役者歌」で味があるという感じでしょうか。中ではテーマ曲というべき冒頭の曲や鳥たちが歌う爽やかな感じの曲が記憶に残ります。

上記以外で印象に残った人を上げるとすると、華やかな存在感があるサー・トービーの笠原浩夫さん。恋するオリヴィアの浮き立つ気持ちを鮮やかに演じた及川健さん(←やはり、水を得た魚のようでした)。オリヴィア邸の鳥の皆さんも、ダブルキャストで違うキャラになっていて、なかなか面白かったです。

|

« 心の翼を広げて……大浦みずきさんご逝去 | トップページ | 『トーマの心臓』『訪問者』製作発表会見&取材 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34077/46815658

この記事へのトラックバック一覧です: 陰影深い「十二夜」スタジオライフ:

« 心の翼を広げて……大浦みずきさんご逝去 | トップページ | 『トーマの心臓』『訪問者』製作発表会見&取材 »