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2009/10/26

お知らせなど

またまたまとめ書きになってしまいました。実は次の号が出そうな時期になり(苦笑)、慌てて書いております…。

こんなところで書いてます。

レプリークBis Vol.16
井上芳雄さん×伊礼彼方さん対談
『レ・ミゼラブル』4人のマリウス(泉見洋平さん、藤岡正明さん、小西遼生さん、山崎育三郎さん)
『レ・ミゼラブル』歴代マリウス・歴代キャストを追え!
スタジオライフからの新音楽ユニット「雪月花」誕生
演劇系U-30+α俳優図鑑
演劇系イケメン海外編

BEST STAGE FRESH!
スタジオライフ ジュニア7(松本慎也さん・荒木健太朗さん・三上俊さん・吉田隆太さん・関戸博一さん・大沼亮吉さん)『十二夜』

BEST STAGE Vol.14(11月号)
『CHICAGO』大澄賢也さん
スタジラオイフ『十二夜』山本芳樹さん・松本慎也さん・及川健さん・笠原浩夫さん
楽屋へようこそ『ワンダーガーデン』植本潤さん

ちょっと遡りますが…。
月刊ミュージカル9月号
『ブラッド・ブラザーズ』久世星佳さん

ローチケ.com
「ウーマン・イン・ホワイト」スペシャルプレコンサート&製作発表レポート

花組芝居
『ナイルの死神』加納幸和さん×青井陽治さん(翻訳)スペシャル対談


井上芳雄さん・伊礼彼方さんの対談は初ということで、私の取材が終わったあともお二人で話が弾んでいるご様子で(伊礼さんが井上さんにアツく質問されていたり)、お二人のミュージカル、芝居にかける意気込みをとても感じる取材でした。

演劇系イケメン海外編は掲載する人の選定もしたので、ジョナサン・グロフの紹介などもできたのがよかったなと思ってます。この原稿を書いた後にニューヨークでジュード・ロウの『ハムレット』を見たので、順番が逆だったら…というのがちょっと残念でしたが。

月刊ミュージカルは稀にお仕事させていただいています。私が高校生くらいから読んでいる雑誌なので、自分にとっては初心に帰り、気持ちを引き締めることができる、ありがたい機会です。久世さんがサッパリ・サラリとした語り口ながらとても誠実に話して下さって、実りの多い取材でした。

前にこのブログに書いた、スタジオライフ・ジュニア7、花組芝居『ワンダーガーデン』植本潤さんのも既に掲載中です~。
よろしかったら書店等で手に取っていただけたら嬉しいです。

先日は安蘭けいさんの取材に伺いました。『The Musical AIDA』の製作発表のときに個別取材をさせていただいて以来ですが、ちょっとそのときと印象が変わっていた気がします。女優としての「安蘭けい・第二章」も充実した道のりを歩み始めてらっしゃるのだな、というのを感じさせられる輝きがありました。
ヘアメイクが宝塚OGのCHIHARUさんだったので、撮影中も和気藹々とした雰囲気で、CHIHARUさんとの会話に思わず笑いがこぼれ、「あっ、今の、笑いすぎですよね」となることも多く(笑)、楽しい取材でした。
雑誌が出るころに詳細をご案内しますね。

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花組芝居 若手リーディング公演

花組芝居『ナイルの死神』公演中のイベントとして、若手によるリーディング公演が開幕前に行われました。『ナイル~』とは別立てにして書きますね。

10月24日17:35~17:50
『鯛』
作・演出 堀越涼 出演 堀越涼 丸川敬之 二瓶拓也

ネットの『婚カツ・バラエティ番組出演者募集』で集まった10人の男たち。しかし、その番組は嘘で無人島に監禁されてしまうことに。監禁しているのは「アガサ・クリスティ」を名乗る女性。「そして、誰もいなくなった」のように1人1人殺されていく男たち。最後に残った3人が、youtubeにあげる15分間の映像作りを許される、その15分間。

リーディングというよりはむしろ芝居(台本は手元に置かれてますが)。youtubeとか巨大掲示板とか現代的で身近な世相も入れながら、切迫した状況で人間が露になっていくのを、キリキリと描き出していく。アガサの時代とは違い、自分が生き残るために他の人を追い落とすことができる現代の人間の怖さ、というのも感じさせて。

1回勝負の緊張感もあいまって、スリリングな15分間でした。3人のキャラ・個性の違いも、服装、演じ方、佇まい(前を向いて語る丸川さんと二瓶さんに対し、動きを出す堀越さんとか)に表れていて。劇団公演では女形を演じている堀越さんの、切羽詰った男らしさと破滅する攻撃性は新鮮。二瓶さんのナイーブな感じは母性本能くすぐり系(ですか?)、丸川さんも希望と絶望に揺れる感じがうまく伝わってきました。

堀越さんにとってはほぼ初めての作・演出とのこと。音楽の使い方とか、加納さんとは全然違いますよね。花組の演出助手をしている大野裕明さんの作品を見ると加納演出の影響を感じるところもあるのですが、同じ花組内でも全然違う個性が出るものだなと思って、その懐の深さに妙に感心したりして。

開演前のリーディング…ということで、軽い気持ちで客席に現れた人は異質の世界にちょっとびっくりしちゃったかもしれません。
でも、15分間であっても、入場するお客様が続く中で観客の気持ちをそらさず、引きつけられた作品と出演のお3人の力は大したものだと思います。

余談ですが。花組芝居のホームページで「リーディング開始が35分~~ロビー開場を早めて17時15分に設定致しましたので、できれば15分位に劇場に来て、少しゆったりした気持ちで観て頂ければ思います」という前日の書き込みを読んで、一緒に見る友人と17:20に待ち合わせ。なぜか二人ともさらに早く着いちゃって俳優座劇場内のHUBでジュースを飲んでました。17:30に振り返ると、ロビーにいっぱいのお客様が待ってて。こうして、開場前から待っていられる花組芝居のお客様の温かさにもちょっと感動しました。

ところで、なんで『鯛』というタイトルだったの? それはわからなかった(笑)。

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花組芝居「ナイルの死神」初日

リアルから遠ざかることで、よりリアルになる。
ゴージャスできらびやかで技巧的な、面白い舞台でした。

花組芝居の新企画KABUKI-ISM。「翻訳劇を歌舞伎で演じる」というもので、今回はアガサ・クリスティの『ナイルの死神』(映画版タイトルは『ナイル殺人事件』)を取り上げています。
初日の加納幸和さんのご挨拶によると「新しいことをやってないと死んじゃう(笑)」とのこと。
確かに新しい。だって、洋装で白塗りですもの(笑)。台詞回しも幕切れなどは歌舞伎的な謳い方をしているところもあって(全編ではない)とても不思議な感覚です。

ナイル川クルーズの船中で繰り広げられる殺人事件の物語ですが、謎解きよりも人間ドラマに目をいきます。
目にも鮮やかな、怪しい(笑)登場人物たちが、キャラクターも色濃く出てくるのが、なんとも面白いのです。特に1幕はいわゆるグランドホテル形式だけれど、歌舞伎の顔見世のよう。きちんと時代性が出せているのも、花組芝居が今まで培ってきたものなのでしょうね。

最近はオールメール(男性のみ)の舞台も増えているけれど、それらは基本的に「女性らしく演じない」「自然に」という演じ方をしているものなので、逆に女形で演じているのが新鮮に映ります。

特に、ケイを演じている八代進一さんの美しいこと! パンフレットでの対談で山田和也さんが「綺麗な女の子が出てきて、美女が殺されてこその芝居なのに、男性がやるなんて無茶ですねえ(笑)」というようなことをおっしゃってるのですが、むしろ、普通にきれいな女優さんがやるより、おそらくずっと美しく「見えて」いると思う。
現実から飛躍した非現実の美しさを目の当たりにできるのは、演劇を見る醍醐味でもあると思うのです。

そして、ジャクリーンの加納幸和さん。こちらは、冴え冴えとした月のような美しさ。(白い細身のドレスがピッタリ)
「暗い感じの人」という説明の台詞もあるけれど、加納さんが演じると嫋嫋としているだけでない、そこにどこか力強さも加わるのですね。ラストにはジャクリーンの悲しさが浮かび上がってきます。

北沢洋さんのいかにも怪しい感じのメイドや、秋葉陽司さんのこってりした風情の老婦人、驚異的に初々しい娘ぶりの大井靖彦さんも含め、花組芝居の多様な女形芸を堪能できる舞台でした。

普通の女性じゃない、より女性性を誇張された女形さんを相手にするのは、きっととても難しいことだと思います(宝塚の男役と組む娘役のように)。普通よりも男性性を前に出してこないといけないと思うし。ケイとジャクリーンから愛されるサイモンは小林大介さん。初日に見たときは二人とのバランスからするとちょっとナチュラルに傾いてるかな? とも思ったのですが、2日目はより押し出し強く、陰影深く演じられているように感じました。きっと日を重ねるごとにさらに素敵になっていくと思うので期待。

桂憲一さんのスミスは若くて青い感じがチャーミング。どこか色っぽい感じがするのが魅力的ですね。ペンファーザー司祭の原川浩明さんは、ジャクリーンとの対決する場面が緊迫感があり、その奥にある懐深い愛情が感じられました。ドクトル・ベスナー「赤っ面」水下きよしさん(医者なのに、アガサなのに赤っ面!)は、舞台に厚みを加えてくれますね。ヌビア人客室係の谷山知宏さんは、もう、全身が可愛い(笑)。肉体表現を駆使しつつ、芝居中にチョコチョコ動き回る姿は良いアクセントになってました。磯村智彦さんはアラビアのロレンスみたいな素敵な衣裳のマクノート。日替わりのアドリブも。何しろ周りの皆さんが強力なので、もう一歩前に出るパワーがほしいところ。

エジプト的なエキゾチックな雰囲気のある音楽(坂本朗さん)。岡田嘉夫さんの宣伝イラストを見事に立体化した衣裳が非常にゴージャスで美しいです。そして小道具のバッグ類もとても工夫があって、たとえばケイのご祝儀袋形バッグ、クリスティーナの蟹形バッグ(なぜ蟹?)、ジャクリーヌの扇形バッグなど、それぞれのキャラに応じて和風だけど意表をついてるところがとても面白い。視覚的にもとても楽しめる舞台です。

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2009/10/18

屋根の上のヴァイオリン弾き

何度か見ている『屋根の上のヴァイオリン弾き』だけれど、私の中では今回が一番心に響いてきた気がする。

演技面では新モーテル(植本潤さん)の起用が大きく作用していたように感じた。貧乏な仕立て屋で気が弱いけれど、でも誰よりツァイテルのことを愛していて、愛する家族を守る男気はある…というモーテルの人柄が一つ一つの芝居に出ていて。普段は気弱だけど、テヴィエに娘の結婚を頼むときのパワーの発揮の仕方が利いている。1幕の最後、結婚式をロシア人に荒らされた後、ツァイテルにそっと花束を渡す仕草に愛情がこもっていて、ちょっと泣けた。

再演を繰り返されてきて、ある意味演出も洗練されたものになっていると思うけれど、演出を超えて生身の気持ちが伝わってくるとき、とても心揺さぶられるものだな、と思った次第。

市村正親さんのテヴィエは素朴で(ちょっと妻の尻にも敷かれつつ(笑))、家族を愛している様がとても魅力的。

装置は後ろが坂になっていて、テヴィエの娘たちは恋人たちと手を取り合って去っていくときに、その坂を上っていく。そして最後にアナテフカ村を追われるテヴィエ一家も、その坂を上っていくのだけれど、(下り坂じゃなく)坂を上る姿に、テヴィエの上向きな気持ちというか、誇りやエネルギーもイメージとして伝わってきた。

こちらも新配役のツァイテル、貴城けいさんは生来の華やかな雰囲気(結婚を許されたモーテルの歌の中で「神様が粘土で人を作った…」というポーズのところで、喜びでキラキラと全身輝かせていたのが印象的)がある中に、モーテルへの愛情をしっかり見せていたのも好印象。後半は人妻らしい落ち着いた風情で演技にメリハリがあった。
笹本玲奈さんは、恋に走っていく情熱がひたむきなホーデル。

ミュージカルとしての楽しさ(冒頭の「しきたり」の歌が力強く、結婚式の場面はエキゾチックな雰囲気もあり見ごたえがある)はもちろんだけれど、家族や恋人同士、人と人とのつながりをシンプルに素朴に見せてくれた分、心の芯で受け止められる舞台だった。

10月29日まで、日生劇場にて。

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2009/10/03

NYLON100℃『世田谷カフカ』

(ラストシーンなどに触れてますので、未見の方はご注意下さい)

カフカは高校生のころ『変身』を読んだことがあるきりで、(以下結末に触れてます)

虫に変身した主人公がいつ人間に戻るのだろう?と思いながら読んでいて、最後まで人間に戻らなくて「戻らないのかよ! これで終わりかよ!」と思ったという記憶があります。
さて、『世田谷カフカ』、カフカの未完の小説をモチーフとした、ある種不条理な芝居です。

3時間5分くらいの長尺の芝居で、冒頭、村岡希美さん、廣川三憲さん、水野顕子さんが「自分が不条理、理不尽だなあと思った話」というのを語ります。15分くらい。正直、はじめ(その話が面白くないとうことでなく)「これで15分?」と思うのですが、それがカフカの3本の小説の登場人物たち話と、村岡さんたちが語っている話とが後半になると見事に絡んでくるのですね。
村岡さんが語っていたぼけたお母さんを村岡さん自身が演じたり。

そのメビウスの輪的というか、エッシャーのだまし絵的にいろんな話がつながってくる「不条理」な構図に、はっとさせられました。

物語性を追うという舞台ではないですが、いろいろなイメージの羅列が面白いです。世田谷区長たちのバンド(笑)とかやけにおかしいところもあり、ラッパを吹く天使たちの立体的な絵面は美しい。

途中でカフカと妹たち3人が出てくるシーンで「妹は3人とも、後にアウシュヴィッツに送られた」という台詞が出てきます。ラストシーンは、カフカの作品の主人公3人が職を求めていて、他の求職者たちと一緒に世田谷第二線に乗せられるところで終わるのですが、おそらくそのイメージはアウッシュヴィッツに送られるユダヤ人のイメージと重ね合わせられているようで、心に強い苦味を残すラストです。

役者さんでは三宅弘城さんのカール・ロスマンが不条理に翻弄されているだけではない、屹立した存在感を見せて印象的。もちろん、やけにおかしい世田谷区長も。村岡希美さんも独特の雰囲気があって、魅力的です。

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