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2009/09/29

スタジオライフ『十二夜』公開稽古

スタジオライフ「十二夜」の公開稽古にお邪魔してきましたので、ご報告を。
稽古場の階段を降りると、既にアップしている役者さんの姿が。仮組してある舞台装置は立体的なもの。
まず初めは代表の河内喜一朗さんのご挨拶。
「今回が3回目のシェイクスピア。(スタジオライフのジュニア7で結成された音楽ユニット)雪月花の音楽家の協力によって、初めてのオリジナル曲での上演となった。オリジナル楽曲と言うのは劇団としては見果てぬ夢のように思っていたが、今回は挑戦の第一歩にしたい」

続いて上演台本・演出の倉田淳さんから。
「とても素敵な曲を作っていただきました。シェイクスピアというと堅苦しいイメージがあるが、昔は庶民のものだったはず。『隣りにいるシェイクスピアおじちゃま』、くらいの感覚で見ていただけたら。ライフならではのものを目指したいです」

本番まであと20日弱、
「今はいろいろと大変です(笑)。どういうふうにシェイクスピアにトライしているか、というのを稽古場の一風景として(笑)見て下さい」
ということで、4場面を披露。

ダブルキャストでαチームとβチームに分かれているので、4場面を通してαチーム→βチームの順番で稽古を見せていただきました。

オープニングは意表を突く展開で始まり、やがて華やかな歌と踊りの場面に。おそらく客席降りもある? というところでは役者さんたちが記者見学席に突入(笑)。間近で見ると、役者さんのパワーとテンションに圧倒されます。

続いて、男装したヴァイオラがオーシーノに恋の取り持ちを頼まれる場面。
αチームでは、オーシーノ邸の従者の役も演じている及川健さんがヴァイオラの山本さんと絡むシーンも。山本さんの少女役も独特の表現があって、ナチュラルに可愛い松本さんのヴァイオラと好対照。それぞれのチームのキャラの違いが際立っているのも面白いところ。
曽世海司さんのオーシーノ侯爵のハイテンションぶりがとても印象的です。

男装したヴァイオラへの恋に落ちたオリヴィアの場面。恋する乙女を音楽に乗せてパワフルに表現している楽しい場面です。
ライフ久しぶりの出演となる及川健さんは水を得た魚のようにイキイキと女性役を演じ、ダブルキャストの舟見和利さんも、こういう役柄を見るのは新鮮な感覚。周りで歌い踊っているのは「コーラス隊」の人たち。この場面の後、「コーラス隊の彼らはオリヴィア邸の鳥です」と倉田さんから注釈が入りました。

稽古場だから、周りで見ている役者の皆さんも興味津々で他の役者さんの演技を見ているのが伝わってきて。この日、特に皆さんのツボ(?)にハマっていたのが、アントーニオの牧島進一さんの芝居。セバスチァン(奥田努さん・関戸博一さん)とのシーンでは、かなり笑いが起こってました。

オリヴィア邸での夜中の祝宴の場面。マルヴォーリオ(坂本岳大さん)とサー・トービー(笠原浩夫さん・船戸慎士さん)、サー・アンドルー(青木隆敏さん)、フェステ(山崎康一さん・倉本徹さん)、マライア(石飛幸治さん・林勇輔さん)の場面はアドリブも飛び交って、イキのよい場面になっていました。

公開稽古終了のああとは、撮影、そして懇親会と続き、倉田淳さんにお話することができました。
「オープニングで歌われている歌が今回の『十二夜』の作品としてのテーマのようになっている。人生は光と闇がつきものだけれど、雨と嵐があるからこそ晴れの日を楽しむんだという『祝祭感』を大事にしたい。(道化)フェステを影の部分の象徴として表現した。
また、オリヴィアは従来は大人の女性として描かれていることが多いけれども、『恋する女の子』という部分を表現したい。オーシーノの恋心に負けないようなパワーで恋をしてもらいたいから、稽古で見せたような表現になった」
だそうです。

今まで上演されてきた『十二夜』とはまた違う、倉田淳さんらしい十二夜が期待できそうです。また、『夏の夜の夢』のヒポリタで女性ならではの解釈を見せた倉田さんが、今回は新しい切り口でオリヴィアを見せてもらえるのではないでしょうか。

また、男性だけの劇団で、男装する女性ヴァイオラを男性が演じるわけですが
「男装するときに、楽になってはいけない。女性役を演じるということでストレスがかかり、さらに男装するということでさらにストレスがかかるわけだから、二重のストレスを楽しんで演じてもらえるように」と演出されてるそうです。

衣裳はクラシックな中に60年代70年代テイストが入っているそうで、「サー・アンドルーの衣裳はデヴィッド・ボウイをイメージしてるんです!(笑)」。そして、コーラス隊はαチームとβチームでは違う性格設定になっているとか。先輩格の役者さんが普段はあまりやらないような役をメイン役以外のチームで配していて、皆楽しんで演じているとのことで(稽古では、笠原浩夫さんの従者役!も見られました)、両チーム見るとさらに楽しさが広がりそうです。

他に、松本慎也さんが「まだ稽古に入ったばかりなので…(でも台詞も歌もしっかり入ってらっしゃった)、男装するときに楽にならないように、どういうふうに演じていったらいいか、これから見つけていきたい。今はダブルキャストの(山本)芳樹さんのを見て勉強してます」、及川さんと舟見さんは「オリヴィアは大人の女性という印象があったから、初めは演じていて倉田さんからことごとくダメ出しをもらいました(笑)。設定では18歳くらいなので」と苦労した話などを、三上俊さんからは「(コーラス隊は)鳥ってわかります?(笑) 稽古している段階でコーラス隊の設定はいろいろ変わっていってたんですけど、最終的には鳥ということになったんです。鳥だけどオリヴィアの心の動きに沿った感じで演じてますね」と伺いました。

音楽劇という華やかな祝祭感と共に、光と影の部分を浮き彫りにして作品の本質に迫る、スタジオライフならではの『十二夜』が期待できそうです。

公演は10月15日~11月8日まで、シアターサンモールにて。

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