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2009/07/24

スペリング・ビー

温かく優しく、ケラケラ笑いながら、最後は一歩前に進んでみたいような気持ちにさせられる。

「スペリング・ビー」とはアメリカではテレビ中継があるくらいポピュラーな「英語つづり当てコンテスト」。パットナム郡という架空の郡のコンテストに、各校から選ばれてきた6人が参加して優勝者を決めるという模様を描く。劇場は体育館、私たち観客はコンテストを観に来た父兄や友人…ということになっている。これがなかなか臨場感があって、だんだん応援してるような気分になるのだ。

出演者は他に審査員と司会者と負けた人のケアをするカウンセラーという大人が3人だけ。そして、6人の子供たちを大人の役者が演じるのがポイント。1幕にはお客さんからの一般参加者もスペリング・ビー大会に参加して舞台に上がっている。

スペリング・ビーというものが日本ではなじみがないだけにどう感じるかな…と思ったのだけれど、進むうちにどんどん気にならなくなってくる。それは、一人ひとりのキャラクターや生きていく悩みや勇気というものが浮き彫りになってきて、そちらに気持ちが集中してくるからだろう。
途中カウンセラーが「この勝ち負けは重要じゃないんだ」と歌うのも象徴的だし、それが実感できるような舞台だった。

何より子供役6人のキャラクターが本当にイキイキと描かれていて、そのリアルさが面白くて、笑ってしまう。中でも梶原善さん! もちろん歌はうまくないけれど、そういうことを補って余りある演技力。他の子が答えてるときの落ち着きのない仕草とか、本当は3位なのに代表になってしまったコンプレックスと、でもなんとかなるさという明るい思いと……本当に愛おしい存在だった。そして、透明な歌声を聞かせて、可愛らしかった新妻聖子さんと、きちんと子供のキャラを押し出してきた藤井隆さん。こまっしゃくれた感じがキュートな風花舞さん、子供ももちろんもう一ついわゆる「ご馳走」でやってる役も抜群におかしい坂元健児さん、個性的な役作りとラストシーンが印象的な高田聖子さんと、皆さんとても魅力的な「子供たち」だ。

そして、それを見つめる大人たちの目も温かい。冷静に問題を読んでいる様子がやたらにおかしい、副校長の村井国夫さん。元スペリング・ビーの1位だったという司会者の安寿ミラさんも、元宝塚トップスターという「トップを知る人」と「元1位」というのがうまくリンクしている感じ。コメディセンスが冴えわたらせつつ、冒頭とラストに温かい余韻を滲ませていた。そして、強面なカウンセラーの今井清隆さんも、なかなか面白い。

ラストシーンになって、大人が子供の役を演じた意味が浮き上がってくる仕掛け。素敵なミュージカルでした。この夏のお勧め!

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コメント

>みかん星人さん
トラックバック&コメント、ありがとうございます。
「丁寧に作られた」本当にそう思います。
ステージに上っている人を見ると、楽しそうですよね。ちょうど、私が見た日は本当は落とすはずの問題を答えてしまうというハプニングがあって、安寿さんが「ありえない…」と小さくつぶやいていたのがなんともおかしかったです。

投稿: おおはら | 2009/07/27 11:27

こんにちは。。。TB失礼します。

私も「これをどうやって日本語で?」と思っていましたが、実に素敵で、丁寧に作られた作品になっていましたね。

ステージにものぼってみたいし、もう一度観に行きたいと思ってるほどです。

この夏、一番の「拾い物舞台」かもしれません(笑)

投稿: みかん星人 | 2009/07/25 00:27

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2005年に発表された『第59回トニー賞』で、「ミュージカル助演男優賞」と「ミュ [続きを読む]

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