« 定額給付金 | トップページ | 第一弾…!? »

2009/05/15

劇団四季「春のめざめ」

劇団四季の「春のめざめ」を見てきました。

私が大好きなミュージカルSpring Awakening。既にニューヨークでも何度も観劇しています。

2007年9月に見たときの感想はコチラ→「Spring Awakening(春のめざめ)」@ニューヨーク

2008年9月に見たときの短い印象はコチラ→「ニューヨークより戻りました」

作品としての感想は概ね上記のとおりなのでそちらを見ていただくとして、それ以外の部分で…。

この作品の原作はフランク・ヴェデキントの19世紀ドイツの戯曲。(ちなみにtpt上演、串田和美さん演出のストレートプレイ版も見てます)自由劇場のロビーには築地小劇場での上演のときのポスターが飾られていました。
このポスター掲示はなかなか象徴的な感じもします。
つまり、最先端の作品であるけれど、同時に日本の新劇の上演の歴史を汲むものでもあるという…。

さて、拝見した印象は、四季版は非常に繊細に心理を追求した舞台だということです。
心情を一つ一つ丁寧に描き出し、たとえばメルヒオールとベンドラが重ねる手の指先にも、二人の気持ちの揺れが見えるようでした。特に「Touch me」など、一人ひとりの出演者の心の動きがそれぞれ見えるようで、とても美しい場面でした。

私の英語の理解力の問題もあるので一概にはいえないけれども、登場人物それぞれの心情をドラマとして描くという部分ではブロードウェイ版より四季のほうが上かもしれません。
一番最後の曲、「The song of purple summer」は、ブロードウェイ版で見たときはやや蛇足?っぽい印象も受けたのですが、四季版で見て、人生の春から夏へと向かっていく希望や前向きな気持ちも伝わってきて、初めてこの曲のある意義を受け止められた気がします。

一方で、感情を爆発させる部分は、なんというか、もっと強い衝動がほしい…とも思うのです。懐からマイクを取り出すと同時に、内面に隠し持ったものを歌で爆発させるという、それがこのミュージカルの大きな特徴で、若者の感情の強さに圧倒されるパワーを感じるのです。「The B/i/t/c/h of living」とか、モリッツがロックで歌う場面とかにもっとパワーを見せてもらいたいと思います。(その点、やっぱり、John Gallagher Jr.はすごかったんだなあ、とも改めて思う)

ただ、話が佳境になって、「春のめざめ」の世界が役者さんの体になじんできたであろうころの「Totally F/u/c/k/e/d」では、全員のパワーの爆発があり、とても良かった。(これを受けて、客席も大きく盛り上がりました) ということは、きっともっと伸びしろがあるというか、前半ももっともっと…と欲張りな気持ちも持ってしまいます。
このへんは公演を重ねていくうちに変わっていくのかな? 役者さんとしてもおそらく初めて取り組むタイプの作品なのでしょうし。 もうちょっと時間がたってから、また見てみたいです。

非常に丁寧に作ってらっしゃる姿勢は好感が持てますし、私としても今後のさらなる成長に期待して、劇団四季「春のめざめ」にまた足を運びたいと思います。

私にとっては4人目のメルヒオール、柿澤勇人さんは繊細な心理と少年らしいきらめき、ある種の大胆さが伝わってきて、オリジナルキャスト、Jonathan Groffと比べても遜色のない、とても素敵なメルヒオールでした。

オンステージシートに座っているシンガーの人たち、ブロードウェイ版では

>(舞台袖から登場するのではなく)客席を通って舞台上に上がり、ステージサイドシートに座るのですね。

という形でした。今回(開演前に)彼らが登場するところは観られなかったのですが、立ち上がって歌ってる姿を見たら、手首に何か白いものがぶら下がっている…? と思ったら、オンステージシートの一般のお客さんが荷物を預けるロッカーの鍵を、他のお客様同様手首に付けてるのですね。このあたり、神経が細かく行き届いていて(彼らの歌声が、観客である私たちの中の内面の声である、ということの象徴)よいなと思いました。

|

« 定額給付金 | トップページ | 第一弾…!? »

コメント

>froufrouさん
戯曲版読んでらっしゃるのですか!
tpt版「春のめざめ」で北村有起哉さんがデビューだったんですよね。
ブルーノ・ガンツのメルヒオールってなんだかすごい(笑)。

しかし、9月に終幕だそうで…、なんとかもう1回観に行かなくては……。

投稿: おおはら | 2009/07/27 11:22

戯曲を読み始めたのですが、tpt版のメルヒオールとモリッツの配役を逆で想像して読んでしまいました・・
65年のドイツ公演では、ブルーノ。ガンツがメルヒオールを演じたそうですよ!

投稿: froufrou | 2009/07/11 17:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34077/45018575

この記事へのトラックバック一覧です: 劇団四季「春のめざめ」:

» 『春のめざめ』 @ ステージシート [みかん星人の幻覚]
こんなに短期間に3度も観劇するのは、珍しい。『コンタクト』の千穐楽直前の頃のよう [続きを読む]

受信: 2009/05/15 13:13

« 定額給付金 | トップページ | 第一弾…!? »