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2008/08/28

中日劇場の「エリザベート」

中日劇場で始まった「エリザベート」。配役変更になって初めてということで、東京に来る前に見ておきたいな……と思い、頑張って名古屋まで行ってきました。残念ながら時間の都合で1回しか見られず、朝海ひかるさんのエリザベート、伊礼彼方さんのルドルフという新キャスト版で拝見。涼風真世さんのシシィは東京まで楽しみにしておこうと思います。

朝海さんのエリザベートは、少女時代が実にイキイキとしてましたね。トートと初めて出会ったときから、自由な魂を生まれ持っているのがよくわかる。出発点がハッキリしているので、非常にエリザベートの心の旅がよく見えてきました。私が演技面でここまで朝海さんに注目したのも初めてかもしれません。
あと、ドレスのデコルテラインがとてもきれいですね。

伊礼彼方さんはスタジオライフプロデュース公演『カリフォルニア物語』のときに取材させていただいて、その方がどうルドルフを演じられるのか……ということで、個人的にはとても注目していました。ルドルフとしての登場の冒頭、逆鍵十字の旗を引き摺り下ろすときの表情に、ルドルフの孤独と悲しみがあってはっとさせられました。
王子然とはしていないかもしれないけれど、王子であることを受け入れている人だと、ああいう生き方はしないでしょうから、それでいい気がします。
ラストのふーっと深いため息をついてピストルの引き金を引く姿に、彼自身の生き方が集約されているようで、なんだか切なかったですね。

エリザベートとルドルフが変わると、もちろん作品全体の見え方も変わってきます。新生エリザベート、東京で改めて拝見できるのを楽しみにしています。

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2008/08/17

新派「紙屋治兵衛」

片岡愛之助丈を迎えての花形新派公演。歌舞伎の「心中天網島」を元に北條秀司が昭和36年に書き下ろしたもので、紙屋治兵衛が愛之助丈、治兵衛と心中する遊女小春が瀬戸摩純さん、治兵衛の妻おさんが鴫原桂さんという若手な座組で、三越劇場で1ヶ月公演。鴫原さんに急遽チケットをお願いさせていただき、劇場へ。

……北條秀司さんが書いた名戯曲に対してとても失礼な感想かもしれないけれど、これは元祖「だめんず・うぉ~か~」な話だなあ~と見てる最中ずっと思ってました。だめんずとはダメオトコのことで、ダメオトコばかり好きになってしまう女性のことをだめんず・うぉ~か~というのです(倉田真由美さんの漫画のタイトル)。

…スミマセン。でも、歌舞伎の心中ものは切なく美しいけれど、現代の視点から見れば本当はそれだけじゃないんじゃないの??(本当はだめんず、というかダメダメオトコとのダメダメ恋愛なんでないの?)という疑問が、北條さんにもあったのではないか、と推測されるのです。劇中の丁稚さんが心中ものの本を読んで批判しているように。

愛之助さんが演じる治兵衛は本当にダメオトコで。おさんという本当に良くできた女房がいて、その人のことも確かに愛している。でも、その一方で激しい愛情を注いでくる小春のことも愛している……という、天秤がどちらにでもすぐ傾く様子がとてもリアル。もしかしたら、タイミング次第ではおさんとよりを戻して幸せにこの後生きられたかもしれないという「星のめぐりの悪さ」を見せてくれました。
こんなダメオトコだけれど、やっぱり愛之助さんという役者の肉体を通して見せてもらうと、ある種の愛嬌とか、理屈でない部分で「……もしかして、こういう人に惚れるっていうのもアリなのかも」と説得させられるのですね。

女性の目から見ると、自分の感情を人の迷惑顧みずぶつけてくる小春は、なかなか共感が持ちにくいキャラかもしれません。特に前半。見ながら「これって、女形さんが演じていたら、自分ももっとすんなりこの役を受け止められるかも」とも思ってました(役にもう一つオブラートをかけてもらえれば、受け止めやすいので)。後で確認したら、初演は東宝歌舞伎で、小春は女形さんが演じていたと聞いて、なるほどと思いました。
瀬戸さんの小春は、後半、心中を決意するあたりから、切ない女心を見せてはっとさせられます(自分にひどいことをしどおしだった、亡くなったお母さんに対して、自分の羽織をかける仕草に思いがにじんでました)。

終幕に至って、こんなダメダメな男女二人でも、運命のめぐり合わせで二人で死んでいくという悲しさにどこかじーんとさせられてしまうのです。人間てこんなにも愚かで、だからこそこんなにも哀しいのだな…と。

そして、おさん。治兵衛のことを愛して一生懸命に旦那のために尽くす姿が印象的です。
(でも、考えようによっては、おさんもだめんず・うぉ~か~かもしれません。治兵衛のダメなところも好きなのかも←と、昔風のステロタイプな「耐える女」像だけでないところも、北條さんの戯曲の面白いところ)
最後近くの「私にあなたをひきつける魅力があったら」と泣く姿も、恋する女性の悲しい気持ちがよく伝わってきました。治兵衛とこれからの未来を思い描けるようになったとたんに、それがプツンと断ち切られる。希望を持って風呂屋に向かう表情が明るいものだっただけに、帰ってきたあと、治兵衛が小春と出奔してしまったと知った後のことを思うと、なんだか可哀想でなりません。鴫原さんは、健気に相手に尽くし、そしてただ耐えるのではなく、なんとか未来を探そうとする一生懸命さがある「おさん」でした。

出番は少しですが、女スリ役の英太郎さんがとてもイキ。あだっぽい魅力がある見事なお芝居で、舞台に厚みを加えていました。

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2008/08/16

花組芝居「怪談牡丹燈籠」の稽古場に

8月7日のブログに書いた取材の一環で、先日、花組芝居・加納幸和さんにお話を伺ってきました。(とても面白い話が伺えました! ありがたいです)
その後、次回作「怪談牡丹燈籠」の稽古を1時間ほど見学させていただきました。

最近は通し稽古にお邪魔することはあっても、作っている過程の稽古を見せていただくことはほとんどなかったので、とても新鮮な気持ちで受け止められました。

拝見したのは2幕目の冒頭から次の場面くらいまで。一度通し稽古をやって、細かく芝居を詰めていくという作業をなさっているところのようです。大勢出る場面ですが、一人一人まで揺るがしにせず、そして細かい動きまできっちりと決めていく、その精密さにびっくり。そして、ちょっとしたことでも、変えることによって見違えるほど芝居がはっきりと良くなっていくのですね。加納さんが考え込んでらっしゃる時間に、腹筋している各務さんとか(笑)、一人一人のあり方も個性的。「ここって、○○だよね?」という問いかけに間髪入れず答える様子とか、全員野球ならぬ全員芝居だな、というのも改めて感じて。

配役を発表されてないので、詳しく書けないのが残念ですが(そして、2幕冒頭の場面しか見てなくて、そこに出ていない配役はあえて伺わなかったので、私が配役がわかった人は数人…)、適材適所な感じの配役? かなあと。主役(?)孝助役の方が、目に力があるというか、清新な演技で目を引きます。

拝見したのは短い時間でしたが、非常に花組芝居らしい、華やかかつ毒がある舞台になりそうです。初日が楽しみです。

そして…、場面転換の間、すっと近づき「北島康介、金メダルですよ。世界新」とささやいていった原川さん。タイムリーな情報ありがとうございました(笑)。

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2008/08/07

このごろ

猛暑の中、取材で都内を駆け回る日々を送っています。
ある雑誌で私が出した企画を取り上げていただきまして、そちらのお仕事でいろんな方にお会いして刺激を受けつつ、頑張っています。

…と思いついたようにブログを更新しておりますが、実はその企画の一環で、昨日スタジオライフの松本慎也さんと荒木健太朗さんに取材でお会いしたとき「ブログ読みました」と言われまして(焦)←結構ビックリしました。いや、実はあまり想定していなかったので…。
それで慌てて更新しております(笑)。
取材も作品のテーマと企画のテーマがうまく合致して、なかなか興味深いお話が伺えたと思います。

9月発売予定の雑誌なので、発売されるころにご案内しますね。

も一つ宣伝すると、現在発売中の月刊ミュージカル8月号でミュージカル「SHOUT!」紫吹淳さん、樹里咲穂さん、岡千絵さん、入絵加奈子さん、森口博子さん座談会の原稿を書かせていただいてます。とても楽しい取材でした。パワーが凝縮した素敵なミュージカルになる予感がします。よかったら書店などで手に取ってご覧下さいね。私は博品館劇場公演を拝見する予定。

最近見た舞台で印象に残ってるのは、シアター・トラムでやっている「サ・ビ・タ」。韓国ミュージカルの翻訳上演ですが、シンプルに家族の愛情を考えさせられる、温かみのある良い舞台でした。山崎育三郎さんが、粗野な振る舞いと裏腹のナイーブな内面を覗かせて好演。
明日は「女教師は二度抱かれた」を見てきます。期待は高いですが、3時間超の上演時間が(自分の体力的に)ちょっと気にかかるところ(汗)。

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