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2008/05/08

Studio Life「夏の夜の夢」再演で感じたこと

GWも終わりましたね~。連休明けの昨日、シアターサンモールに行って、Studio Lifeの次回の舞台の取材に行ってまいりました。その話はまた雑誌が出るころに…。
お邪魔したのは、「夏の夜の夢」の開演前。皆さん早くに劇場入りして、念入りにアップされてるんですね、と感心。(最近ヨガを始めたもので、ストレッチしている人の姿がとても気になります(笑)、あのストレッチのポーズだけでも、私にはできないと思った……)
でも、あれだけ肉体的にハードな舞台だから、ちゃんとアップしないと体が持たないですよね。

さて、その「夏の夜の夢」の舞台。再演なので、舞台全体の感想としては2006年の舞台のときにこのブログに書いた感想(→コチラ)と、基本的には同じです。やはり、Studio Life版の「夏の夜の夢」はヒポリタの描き方がキーになっていると思います(詳細は、前に書いたのをご参照のこと)。シェイクスピアの言葉の韻を70~80年代のポップスに乗せて描いて、弾むような楽しさがある舞台です。

今回の再演では……

ダブルキャストで、ハーミアを演じている岩崎大さんと松本慎也さんが、もう一つのキャストでヒポリタを演じているところが、配役のポイント。これによって、ある意味、シーシアスに害を加えられて連れてこられたヒポリタと、ライサンダーとの恋に生きようとするハーミアとがコインの裏表のような存在である、という印象を与えられます。もしかしたら、立場とかめぐり合わせが変われば、ヒポリタがハーミアであったかもしれないし、ハーミアがヒポリタであったかもしれないというような。そういえば、ヒポリタはティターニアの台詞の中で「アマゾンの元気娘」だったか「じゃじゃ馬娘」だったか(引用不正確)と言われてますものね。今舞台で演じられているヒポリタは元気娘には見えないけど、本来の資質としてはそういうものを持っているということで。

そんなことを考えながら、舞台を見ていて後半。魔法にかかったライサンダーとディミートリアスの男性たちと会って、ハーミアはすごいアクションとパワーでヘレナと取っ組み合いします(このアクションは男優ならでは)。そしてその後。3人と別れた後に、「ライサンダーが無事でありますように」と祈るハーミアを見て、はっとしました。
おそらく愛される幸せだけをまとっていたハーミアが、魔法にかかりライサンダーの自分への愛を失うという「愛の試練」を受けたことで、初めてハーミアが能動的に愛するということを知ったのだなと。「お前なんか愛していない」とあれだけ言われたら普通イヤになっちゃうと思うのですが(笑)、どれだけ言われても、やっぱりライサンダーのことを愛して身を案じるというハーミアの強い愛情が、あのアクションに炸裂してたのだな、ということを改めて感じました。

ライフ版は魔法にかかった4人組の恋人たちの衣装がドロドロになっていますが(今まで「夏の夜の夢」を何本も見てますが、こういう視覚的変化を与えていたバージョンを見たのはこちらだけ)、おそらくここにも、演出の倉田淳さんの視点が隠されているのだと思います。真っ白の恋人同士から、それぞれに愛の試練を受け、再び真っ白い恋人同士になっていくという。(ディミートリアスは魔法かかったままですけどね(笑))

多様な女性(ハーミア、ヘレナだけでなく、ヒポリタ、妖精の女王ティターニアも含めて)がいかに能動的に、愛に立ち向かっていくかという姿を見せてもらえたのは、やはり女性演出家ならではなのでしょうか。

魔法がかかっているところでいえば、ライサンダーの山本芳樹さんは、魔法にかかった後、ただギャグに走るのではなく普通でなくなった精神状態というのを的確に表現して、その前後を非常にくっきり演じ分けてらして、さすがだなと思いました。そのほか、印象に残ったところでいうと、前田倫良さんのハーミアの父親も、迫力があって芝居の中で良いアクセントにいたと思います。シーシアス役は今回初の船戸慎士さん。冒頭の、ハーミアに向かって諭してる場面で、(言葉を言っている相手はハーミアでも)気持ちのベクトルがヒポリタに向かってるのが伝わってきて、面白いなと思いました。シーシアスという男性の心情を、場面を追うごとに丁寧に表現してくれていたと思います。

いろいろ七面倒くさいことを書きましたが(^^;ゞ、非常に祝祭性の高い、楽しい舞台だと思います。最後にちょっと人を愛したくなるような気分になる舞台ですね。

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