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2007/08/29

女優さんが百花繚乱~新派『婦系図』

劇団新派の泉鏡花『婦系図』見てまいりました(27日)。

新派は良い女優さんがいっぱいいらっしゃいますね。まさに、新派の「婦系図」という感じの舞台でした。
可愛いらしくて健気な女心を見せるお蔦の波野久里子さん、独特の色気を見せた河野家の菅子役の石原舞子さん、物語の要である妙子を透明感を持ってみせてくれた瀬戸摩純さんなど、それぞれに見せ場があります。とくに、芸者小芳の紅貴代さんは、名乗れない娘と出会いながら、それを隠し通さねばならない悲しさを見せて印象に残ります。

鏡花の台詞のリズムも淀みなく伝わってきて、それも新派の芸の賜物なのだなあ、とも感心してました。

個人的には、『婦系図』は花組芝居版しか見たことがなかったので、新派で見るのは初めて。花組版は小説の「婦系図」を元に台本を作っているので、「切れるの別れるのってそんなことはね、芸者のときにいうことよ」や「月は照っても心は闇だ」の台詞で有名な「湯島の境内」の場面は出てきません。
新派で上演されている台本は、泉鏡花の原作を元に脚色(久保田万太郎・補綴)されているものです。花組芝居版に馴染んでいるぶん、後半に行くにしたがって「菅子は出てくるけど、(その妹の)道子さんは出てこないの?」とか「主税はお蔦の死に目にあえるの??」とか驚くところもありまして(^^;ゞ。今回は「長大な原作から、お蔦、主税のくだりを中心にした場割で上演」とチラシに書いてあったので、今回だけのアレンジなのか、それとも元々新派版はそうなのか、どうなんでしょーね。(「婦系図」は妙子の系図を調べる、という意味のほかに、河野家の女たちの系図という意味もあるかと思うので、道子さんは出してほしい気がする。でもそうしたら、上演時間3時間では絶対に収まらないですよね(^^;)

27日本公演を拝見した後、新人公演も伺いました。で。お蔦が鴫原桂さん、主税が児玉真二さんで「湯島の境内」の場を上演。形の部分(動きなど)はきちんと芸を継承すべく、かっちりと楷書の演技を見せてくれていた気がします。その反面、情の部分ではいじらしい女心が際立つ可愛いお蔦でした。名台詞「切れるの別れるのって……」を謳いあげすぎていない分、台詞の持つ実の部分が響いてきました。

余談ですが、当日の観劇のお供は日本橋「うさぎや」のどら焼き(*^^*)。泉鏡花先生にちなみまして……といっても、泉鏡花先生が食べてたわけでなく、泉鏡花は自分の向かい干支である「うさぎ」の柄のついているものを愛用されてたので、その故事にならい「うさぎ」やに←ちょっと話が遠すぎですか……(笑)。でも、初「うさぎや」のドラ焼き、美味しかったですよ。

(向かい干支……自分の干支の7つ先の干支のものを持ってると縁起が良いのだそうです。私も泉鏡花を知って、初めて向かい干支の話を知りました)

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