柿喰う客企画公演「誰も笑わない『検察官』」を見る
花組芝居の堀越涼さんが出るというので、花組以外(女形以外)で演技をしている堀越さんはどうなのかしら??と思い、「柿喰う客」ホームページから予約して見に伺いました。本日千秋楽。
「柿喰う客」は堀越さんと同じ青山学院大学出身の中屋敷法仁さんが作・演出を担当している劇団。出演者もそのくらい(22、3歳?)の年代の方が多いようです。
いつもは中屋敷さんのオリジナルの戯曲を上演しているそうですが、今回は『検察官』というゴーゴリの古典喜劇に挑戦してます。
ロシアの小都市。賄賂を受け取り私腹をこやしていた市長(堀越)たちのところに、首都から彼らの悪事の査察のため「検察官」がやってくるという話が聞こえてくる。そのときたまたま旅行に来ていたフレスタコフ(玉置玲央)のことを、市長たちは検察官と勘違いして……という喜劇です。
思ったよりも正攻法で作品に当たってるのだなあ…というのが第一印象。
最後、市長がなぜか洋服を脱いでパンツだけになっちゃうのも、飾り立てた部分を取り去られた滑稽さをそのままストレートに表しているようだし、
最後のほうに市長が「お前たち(観客に向かって)は私たちのことを笑えない」(=私たち観客も、取り違えをして滑稽に見える市長たちと変わらないのだ)というところとか、
古典戯曲の中にある今と変わらない部分を、とても分かりやすく表現していたと思います。
場面、場面のつなぎの部分や照明の使い方などはスタイリッシュな感じですが、変に崩さないで演じている分、作品の持つ毒とか苦味がストレートに伝わってきたようにと思います。
ただ、今に生きる人の戯曲を演じる機会が多かったであろう、若い役者さんたちにはちょっと荷が重い感もあって…。こういう戯曲の台詞を生きた人間の言葉として聞かせるのは難しいんだろうなということも改めて感じました。何をもって芝居をリアルと思うのか……なんてことも、考えちゃったりして。
その中では、際立って生きた姿を見せてくれていたのが市長役の堀越さんとフレスタコフ役の玉置玲央さん(柿喰う客)でした。堀越さんは膨大な台詞の量の中で、緩急がハッキリした演技で、観客の気持ちを引っ張っていってくれていたと思います。台詞がないところでも、感情の流れがよく見えてました。玉置さんは(役柄のせいもあると思いますが)とてもイキイキしていて、パワーのある芝居でした。憎めないようなキュートさがありました。
中屋敷さんのオリジナル戯曲のときはもっと違ったタイプの芝居をしているみたいなので、劇団としての評価はそういう公演を観ないとできないですが(というか、この公演も劇団公演ではなく「柿喰う客 企画公演」なのですが)、堀越さんと玉置さんが出るのなら、また見に行ってみようかな…と思いました。
最後に挨拶に出てきた中屋敷さんが、なかなか特異な感じの方で驚きました(笑)。普段は出演もされてるようで、どんな芝居をなさるんでしょーかね??
私は出口付近の席に座ってたのですが、終演後ロビーに出て振り返ったら堀越さんがいらっしゃって驚きました(即行!笑)。おかげでちょっとご挨拶できました。
最後に、すごーく余計なお世話ですが。
チラシや劇団ホームページには「※全ステージ、終演後に演出家と出演者によるアフタートーク」と書いてありますが、本日は(千秋楽のためか)アフタートークはありませんでした。個人的には別になくてもよいのですが、期待してるお客様もいるかもしれないし(近くの席のお客さんで「アフタートークになったら…」という話をしてる人もいた)、やらないならやらないと、あらかじめ書くなり、せめて場内アナウンスするなりしたほうがよい気がします……。
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コメント
彩太さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
そうなんですよ~、花組芝居で見る堀越涼さんは女形さんなんですよ。男性役をやってるのを拝見したのは今回が初めてだったので、新鮮な感覚だったんですが、彩太さんにとっては女形やってる堀越さんをご覧になるときっと意外な発見があるんじゃないでしょうか? 7月に「恐怖時代」という、堀越さんが出る公演がありますよ(^_^)。
(ロビーで堀越さんに話しかけてるお客さんの姿をちらっと見て、同世代の人にとっては堀越さんはトップランナーなのだなあ、ということを感じました)
柿喰う客さんを次回見るときは覚悟して(笑)伺いますね。
投稿: kaoru(おおはら) | 2007/06/07 02:16
kaoruさん、はじめまして。
「誰も笑えない『検察官』」観に行かれたという事で、書き込みに来ました。
僕は、「柿喰う客」のファンで、堀越さんの芝居を観るのは初めてだったんですが、堀越さんって、女形だったんですか?
花組芝居自体あまりよく分からなかったんですが、あのかっこいい市長さんが女形だったとは、意外でした。
普段の柿喰う客の芝居は、雰囲気的に言うと、とにかく深く、濃く、危険な感じの作品が多いです。
今回は、戯曲の台本をもとにしたものなので、比較的マイルドな感じでしたが、普段の柿喰う客はもっとすごいです。
ぜひ、機会があれば、覚悟して観てみてください。(笑)
それから、アフタートークの件なんですが、kaoruさんがいらっしゃる前日はやっていました。
千秋楽にやらないのは、中屋敷さんも言っていましたが、終演後すぐ、撤収作業がある関係だと思います。
前回、僕が観に行ったときも千秋楽で、アフタートークはありませんでした。
これは、柿喰う客に意見言っておいたほうがいいかなと僕も思います。
以上、お邪魔いたしました。
投稿: 彩太(さいた) | 2007/06/06 23:14