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2007/05/15

Studio Life『Romeo & Juliet』

自分の人生の中で、どれだけの情熱に出会うことができるだろう?

自分は基本的にローテンションな人間なので(^^;、もしかしたらそういう「生きるパッション」に出会いたくて、劇場に通ってるところもあるのかもしれない。

とまあ、そんな感情を抱かされたのがスタジオライフの『Romeo & Juliet』。ダブルキャストの両チームを(1チームはゲネですが)拝見してきました。

1幕は笑いも交えつつ、青春の明るさを見せ、2幕は悲劇にむかって一直線に進んでいく。と、幕ごとの構成はきっちりしています。

岩崎大さんと舟見和利さんが主演のチームのほうを先に拝見したのですが、衣装などもクラシックでオーソドックスな作りの舞台にも関わらず、全体としては「ウェストサイドストーリー」を見た後のような感じを受けました。それは、マーキューシオやベンヴォーリオが乳母をからかう場面とか、ロミオを交えた3人でくだらない冗談を言うところや、ティボルトがどこにぶつけたらいいかわからない暗い情熱を、キャピュレットに対して向けてしまう刹那感に現代性を感じたからなんでしょうか。(ティボルト役の奥田努さんの、暗い瞳がとても印象的)

岩崎さんのロミオと舟見さんのジュリエットはとてもバランスが良いですね。舟見さんのジュリエットは、急速に大人になっていく少女、という感じがよく出てました。毒を飲む前の場面の心の惑いを見せているところが良いなと思います。岩崎さんは、ストレートな持ち味とソフトさが役にマッチしてましたね。素敵なロミオでした。(バルコニーにやすやすと駆け上がれる、長身&脚長にビックリ)

若手の荒木健太朗さん、松本慎也さんが主演のチームは、本当にそのパッションに圧倒されました。
初主役の荒木さんは、本当に人生を駆け抜けていくようなロミオでした。(見た目は相当な美少年ぶりで、これだけ美少年な人も舞台では久しぶりに見た気がする)幼さが残るロミオは「恋人に会いに行くときは下校する生徒のように元気で、別れるときは登校する生徒のように力ない」(←引用不正確ですが…面白いこと書くなあ、シェイクスピア)という台詞がとてもリアルです。若いからこその感情のアップダウンがあって。

ロミオとジュリエットが初めて結ばれた後に帰っていく、うちひしがれた姿に、「ああ、そういえば、この後二人は生きて会うことはないんだな…」ということに初めて気づかされました。(その場面だけでなく、時々ハッとさせられるような表情をすることがあった)

ご自分のテンションを制御しきれてないな、と思うところもありますが、今回はそれがうまく役にマッチしていたと思う。(このあたり、倉田淳さんはうまく配役してると思う)
首が前に出てしまう癖など直したほうがよいなと思うところもあるのですが、そういうのは些細なことで。役の首根っこの部分、「パッション」がストレートに感じられるロミオで私は非常に好きでした。

相手役の松本さんも、個人的には今までやられた役の中で一番好きかも。初主役の人を相手にすることで、引っ張っていこうという意識が芽生えてらっしゃるのかな。それもまた、ロミオとジュリエットが対等に恋をしている姿に重なって感じられます。

(各チームでは)工夫のある役作りで「芝居が好きなんだなあ」と感じさせる、関戸博一さんのベンヴォーリオや、何も悪いことをしてないのに死んでいかざるをえない寺岡哲さんのパリスの悲しさ、行動の奥にジュリエットに対する深い愛情があることを伝わってくる倉本徹さんの乳母などが印象に残ります。饒舌に喋り続けていた曽世海児さんのマキューシオが、ティボルトに刺された後、その前にやっていた冗談のポーズを取るところがなんとも切ないですね。

余談ですが、この前翻案されてテレビドラマ化された『ロミジュリ』を見てたら、ロミオ役にあたる人が、ジュリエット役にあたる人に「○○家の名前を捨てて…」と言われて「愛しているけど、家の名前を捨てることなんてできないよ」と言うのです。
その後二人は両家の仲直りのために奔走し、もちろんラストは二人は死ぬことはなくハッピーエンドで終わりました。人間の生き方としては、このドラマの二人が正しいです。でも、正しいからと言って、それが人の胸を打つかといったらそうでもないんですよね。

幼い情熱であっという間に死んでいってしまう二人、そして、周りの人たち。愚かだなあと思うけれど、人間は本来愚かなものなので。自分の愚かさに直面されたり、自分にはない情熱に出会うときにいろいろと物思ったりする生き物ではないかと、そんなことを考えました。

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