劇団四季『コンタクト』
拝見してまいりました。私は初見です。
ミュージカルというよりも「ダンス・ドラマ」と言いたいような作品ですね。
人と人との「触れ合い」をテーマにした3幕の作品。フラゴナールの「ぶらんこ」の絵をモデルにした(そういえば、前ロンドンのウォレス・コレクションでこの絵見てきた…)、エロスの香りが漂う1幕、時代が下って20世紀半ばのアメリカのレストランで繰り広げられる、束縛する夫を前にした女性のエモーションをダンスで描く2幕。そして、休憩の後の3幕が、個人的にはとても印象に残ります。
現代のニューヨーク。人との「コンタクト」が取れないCMディレクターが自殺を試みるが、失敗。町のプールバーで、自分の好みの男性とのみ、1曲だけ踊る黄色いドレスの女に心奪われる……。
意外な結末がついているのですが、それに触れるのは避けておくことにして。
現実と夢が入り混じってるような、まさに白日夢を見てるような気分になる舞台でした。
「踊る」という行為自体は一人で踊っているようでも、それは「コンタクト」生命力が共振する瞬間なのだということを、改めて感じた次第。
(私はまったく踊れない人ですが、魂は踊ってる気分になりました(^^))
坂田加奈子さんのミステリアスな雰囲気と、鍛え抜かれた筋肉から生み出される、しなやかなダンスはとても魅力的です。ある意味、「こういう女性とコンタクトしたい」と男性が想像するような存在(現実の人間でない)、夢のような存在である「黄色いドレスの女」を坂田さんはとてもしなやかに表現していたと思います。
CMディレクターの役は加藤敬二さん。踊れない人の役を敬二さんが演じるとはなかなか面白い趣向です。その右往左往している様が、今に生きてる人の現状なのだなあと思うとちょっと切なくおかしい。
公演期間前半は黄色いドレスの女をバレエの酒井はなさんが演じていたそうで、そちらも見てみたかったなあ。
(東京公演が3月末日までで、その後京都公演が4月から始まりますが、その中のどこかでまた見られるんでしょうか?)
福岡の「アイーダ」にマルシアさんが出演したり、最近の四季は幅広く魅力的なキャストを客演に迎えてるようですね。
劇場には6月からの「WICKED」の看板が早くもあって(写真撮ってくればよかった)、こちらも楽しみです。
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