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2006/10/22

誇り高くあれ~劇団四季の『コーラスライン』

ブロードウェイで16年ぶりに帰ってきた『A CHORUS LINE』を見たことは前のブログで書きましたが、これを機会に久々~に劇団四季の『コーラスライン』を見てきました。

えー、どれくらい久々かというと、多分山口祐一郎さんが出てたとき以来(汗)……って何年前……(^^;;;? 劇団四季ももちろん時々拝見してますが、やはり新しい作品中心に見てしまうので、ご無沙汰になってしまいました。
実は日本初演版も見てまして、そのころの私は高校生で「もうすぐ30歳、嬉しくてたまりません」と言っていたシーラ(前田美波里さんでした)が自分にとってははるかに遠い、想像の中の年代のことのようだったんですが、今はキャシーよりも年上になってる自分に驚いてしまいます(笑)。

さて、冒頭。アバクロのTシャツを着てオーディションを受けに来ている人もいたりして、ああ、これは現代の話なのだな、ということを感じます。実際台詞の中も、たとえば26歳の人がいたとしたら1980年生まれという設定になっていて、リアルタイムという設定になっているのですね。(ブロードウェイ版が初演当時の年代の設定となっているのとは対照的です。衣装も70年代ファッションでしたし)

25年間、リアルタイムであり続けることは非常に難しいことだと思うのですが、それに果敢に挑戦し続けてきたのはやはりすごいことだなと思います。もちろんそれは普遍・不変の魅力を持つ作品だからこそできることなのですが。

翻訳作品を日本人としてのリアル感を得られるようにアダプトするという試みは、たとえば最近の『ゴルフ・ザ・ミュージカル』や『プライベート・ライヴス』などがあります。が、それよりはるか前から、『コーラスライン』の中でもトライされてきたのだ、ということを今回拝見して改めて感じました。
下のブログにポールが過去を語るシーンで「7歳が42丁目の映画館に?」という台詞があったことを書きましたが、四季版を見たら「42丁目」の部分はカットなのですね(「7歳なのに一人で映画館へ?」と驚くというニュアンスに変えてありました)。確かに日本人に42丁目=悪場所という感覚はないですから、言われても分からない。その後「イーストヴィレッジの劇場に出た」という台詞があるのですが、(当時の)イーストヴィレッジが柄が悪いところというのはやはり今の私たちでは(よっぽどNYとか行ってる人でないかぎり)分からないので、それもカット。と一つ一つの台詞まで吟味しているのだということを、NY版を見て改めて気づきます。

やはり個々のキャラクターを打ち出すという点では、肌の色も人種も違う人たちが演じるのと、同じ民族の人が演じるのとは(中国人の方も出演してらっしゃいましたが、まあ同じアジア人ですので)大分違って見えるのは仕方ないし、それで当たり前かなと。
一方、「ONE」になるということの魅力は四季版のほうにより強く感じました。NYで見たとき「ちょっと古めかしい感じ……?」と思ってしまった♪12、13~♪から、♪俺にボール回せ♪(タイトル不正確です)というナンバーは、集団の迫力やパワーがあってとても素晴らしかったですね。
これも、一つの作品を長く上演してきたことの賜物かと思います。

さて、タイトルに書いた「誇り高くあれ」というのは、シーラ(八重沢真美さん)のこと。オーディション会場を去るシーラの姿は、毅然として誇り高かった。NYで見たシーラは終りが近づいている悲しみを感じさせたけれど、八重沢さんのシーラは多分(この後も舞台に立ち続けるかどうかは分からないけど)どんな形であれ誇りを持って生きていける人に違いないと、そんな強さと気概があるシーラだったように思います。
そう。そして、劇団四季の『コーラスライン』も、日本初演から年月を経た今でもやはり「誇り高く」存在し続けてくれていて、それが嬉しい観劇でした。

余談ですが、パンフと舞台を見て「……私、多分、この人と話をしたことがある」と思った前田員範さん。最初のオーディションで落ちてしまうメンバーの役でしたが、家に帰って調べてみたら分かりました。昨年シアターコクーン『キレイ』のパンフレットの仕事でコメントをお聞きした出演者のお一人でした(@_@)。(あのときすごい人数の出演者がいらしたので…)ちょうど稽古場に伺ったときに、台本にない「ドンキホーテ文化村前店の前田」さんという役をやり始めたところで、ドンキの袋を持った松尾スズキさんと一緒に登場してらした姿が思い出されました。『コーラスライン』のパンフによると「2005年11月オーディション合格」とあります。『キレイ』のあともこうやって頑張ってらっしゃるんだなあ、と密かにエールを送らせていただきます(^^)。

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