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2006/09/04

花組芝居『百鬼夜行抄2』~内容・配役に触れています

妖魔と日常と。あるいは彼岸と此岸と。
その両方を楽々と行き来できる世界を表現できるのは、やはり現実にはない存在である女形を擁する花組芝居以外にはないんじゃないかと。
今市子さんの漫画『百鬼夜行抄』の舞台化。3年前に続いて、今回がパート2。(初日と本日の2回拝見)

見鬼(妖魔の世界が見えてしまう)の能力を持つ高校生飯嶋律とそれに近い能力を持っていたり持っていなかったりする家族たちの日常……から、加納さんが原作からイメージしたとのは『お化けが出てくるサザエさん』だそうで、初演のときは3作オムニバス(…ってとても『サザエさん』ぽいですよね)でした。今回は26年間彼岸の世界にいた律のおじ、飯嶋開(各務立基)と彼の恋人だった妖魔のかつら姫(加納幸和)の物語を縦軸に、飯嶋家を横軸に描いた形でストーリーが展開。前回とは設定は同じでもストーリーは新たなものなのでパート1を見てなくても分かりにくいところはないはず(^^)。

わかぎゑふさんが脚本を書いているだけあって、いつもの花組芝居とはちょっと違うテイストだけれど、加納さんの演出の変わらず鮮やか。日常の潜む魔、というものを、見えていながら見えていない存在である黒衣たちの姿にしたのは(『眉かくしの霊』に続き)本当に上手いなあと思う。シンプルな枠の装置をスピーディに様々な形に変えることで、妖魔との結界や、飯嶋家の座敷などを出現させていて、見ているほうとしても想像力を刺激されました。
妖魔の力によりいろいろと飛躍のあるストーリーを追って振り回されて?いくうちに、開とかつら姫の彼岸と此岸を越えた愛に胸を詰まらせて……どこか明るい気持ちでラストが迎えられる。楽しい舞台でした。

今回のポイントとしては、飯嶋律に美斉津恵友さん、律のいとこ・司に堀越涼さん、謎の妖魔・鬼灯(きちょう)に小林大介さんと前回初舞台の新人がメインキャストに配されたこと。美斉津さんの律は、前回公演のときの体温が低そうな(^^;律とはちょっと違うのだけれど、「大丈夫、助けられるから」と言える潔さが美斉津さんのストレートな持ち味と合っていましたね。「芯がある男の子」感が魅力的でした。(枠の装置が激しく動く中で見せた体のキレがとても良くて、ちょっとビックリしました)堀越涼さんは前回『ザ・隅田川』の清玄尼に続いての大役。今日見たときに衣装が破れてしまうアクシデントがあったのだけれど、動じずに芝居を続けられる度胸があってすごいなあと思いました。普通の女の子の格好でキレイに見せるのはちょっと難易度高いでしょうか。酔っ払ってるときの演技が結構好き。小林さんは既に新人とは思えぬ雰囲気なのですが(笑)、押し出しの強さが良いですね。

新人を揃ってメインで使う、というのは(古い話ですが)『花組沙翁劇 ロミオ&ジュリエット』で植本さん、桂さんたちの期の人が揃って大役に入ったとき以来かなあ、と思います。花組芝居も20周年を来年に控えて、新しい転機を迎えつつあるんでしょうか。

加納さんのかつら姫は、まずハードロックに乗って出てくる登場がとてもカッコ良くて(^^)。開とももちろんだけど、律と一緒の場面でも全然違和感なく添うことができるのですよね。すごいなと思いました。20歳の内面と46歳の外見を持つという開役の各務立基さん。父親との葛藤など複雑な心情がきちんと見えていた。上に書いたとおりラストはぐっと来るものがありますよね…。前回と同じ配役の方たち。(妖魔のことは)分かってないはずなのにすべてが分かってるように見える瞬間がある、底知れぬ(?)飯嶋絹は八代進一さんにはとてもピッタリ。情けなキャラの覚おじさんは桂憲一さんで、絶妙なバランスで芝居の中に存在してたと思います。覚おじさんの最後はもう、ウケましたね~(^^)。

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コメント

パーシャさん、はじめまして。トラバありがとうございました。
花組芝居は初めてということですが、とてもよく見てらしてすごいなと思いました(^^)。これを機会に、またこのブログにも遊びにいらしてくださいね。もちろん花組芝居も(^^)。

投稿: おおはら@ニューヨーク | 2006/09/19 11:16

はじめまして。m(__)m
昨日、初めて花組芝居さんの舞台を拝見しました。 とっても楽しめました。 こちらの記事を拝見し、いろんなコトを思い出しました。
トラックバック、宜しくお願いいたします。

投稿: パーシャ | 2006/09/18 15:03

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» 百鬼夜行抄・2 〜花組芝居〜 in 新神戸オリエンタル劇場 [パーシャ日記]
9月17日(日) 行ってまいりました。 20年弱来(笑)の念願叶いました。p(^^)q 以前も書きましたが、”『夢の遊眠社』の上杉祥三さん(当時)が出演されるから!” と言う事で観に行った舞台に 確か 加納幸和さんが出演されていたと思うのです。 その時、”面白い役者さんだな〜” と印象に残っていました。 で、その加納さんが劇団・花組芝居の座長さんと知り、”一度行きたい” と思いながら、月日は流れ。 原作の漫画も読んだ事ないし、お話の内容も あんまり分かっていないし。 大体、加納幸..... [続きを読む]

受信: 2006/09/18 15:01

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