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2006/09/28

ニューヨークの「コーラスライン」はすごかった!

プレビュー見てきました! 客席の期待度も最高潮の中、開幕。
ニューヨークでやるからこそ見えてくるもの、そして30年前と今と変わったもの、変わらないものが見えてきました。
とにかくすごかった!!

詳細は帰国後に(^^)。

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2006/09/26

9/11メモリアル写真展@7ワールドトレードセンター

お会いした人に「絶対行ったほうがいいですよ」と勧められて行ってきました。
グラウンド・ゼロのまさに隣にあるビル、「7ワールドトレードセンター」45階で行われていた写真展「9/11 and the American Landscape」です。
正直言って初めは、タダだし45階から素晴らしい眺めが見られたらいいや(360度ガラス張りで景色が見られると聞いていたので)…という気持ちで上に上がったんです。
ですが。会場に入ってすぐ、上からグラウンドゼロを見て言葉を失いました。

2年前もそばまで来てるんですが、そのときはフェンスで囲まれていて工事現場のような外観になっていたのです。悼む気持ちはあってもあまり実感には落ちてきませんでした。
上から見ると、そこにビルがあったのだ、ということがまざまざと感じられて。
そして、そこにあった巨大なビルが、多くの人命と共に崩壊したという事実を突きつけられて。
衝撃的でした。
涙が出た。

写真展の内容も予想に反して、どういう形で人々が911の出来事を記憶に残そうとしているかということを写真に残したものでした。一番胸を打ったのは、消防士の人が亡くなったご家族かお友達の写真をタトゥーにして彫っているものです。

景色を見ているときに、たまたま近くにいた人が「ここで僕の兄弟と友人が亡くなった…」という話をしているのが聞こえてきました。

今日はマンハッタンは快晴で、その場所からはマンハッタンも自由の女神も一望できました。とてもきれいでした。
多分ワールドトレードセンターからはこれと同じような眺めが見られたのでしょうね。
景色は今も変わらず美しいけれど……。

写真展は10月7日までなので、見られる方は限られてしまうと思いますが、もし近々ニューヨークに行かれるかたがいたら必ず訪れてほしい場所の一つです。

写真展のサイトです。

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LIFE CAFEに行ってきた……@RENT

Rent1

映画の「RENT」を見て感激したので、今回のNY滞在中に見ることを決めていた作品の一つでした。
土曜日、「WICKED」を見た後にまだ体力ありそうだな…と思って、ラッシュチケットに挑戦。
ラッシュとは当日に抽選で廉価で限定数発売するチケットのことです。レントの場合は当日34席、20ドルで発売します。当日は結構な人数が来てたので、「当たるわけないな…」と思ってたのですが、なんと当選! しかし前から2番目の一番端とうれしさが中途半端な感じの位置でした(←贅沢言うな)。

うーん、自分の中ではあまり作品がつかめなかった。映画を見てるからストーリーは分かるのですが、最初に英語で舞台を見てたらたぶん話は全然分からなかったものと思われる。
シンプルな舞台装置に、上手側に大きいメタルのオブジェ状のものがアクセントになっておいてある。
そのシンプルな装置のまま、たとえばミミのダンスクラブのシーンもそのままの装置で演じていて想像力でいろいろ感じさせる作りになっているのです。
普段日本にいるときは一日2本見ることは決して珍しくないのですが、海外では言葉を理解しようと神経使ってる分疲労度が高いのでしょうかね。同じ日に2本見るのはちょっとしんどかった…。

「シーズン・オブ・ラブ」など曲の素晴らしさはしっかり伝わってきたんですが。作品に対して感ずべきものと自分が実際に感じているものがずれている気がして、自分内では不完全燃焼に終わってしまった。もう一度しっかり見直したい作品です。
中ではまっすぐな視線のマーク役のChristopher J Hankeと、これがブロードウェイデビューというミミ役のJaime Lee Kirchnerが印象に残ります。Jaimeさんは本当に裏がなく誘惑するシーンは真剣に誘惑し、恋するシーンは真剣に恋し、悲しむシーンでは血を流さんばかりに悲しんでいる。この後も(新人の域を脱した後も)ずっとこういう演じ方はしないと思うけれど、その本気度はすごいなあと思いました。

そして、今日。「RENT」一幕最後のシーンでみなが打ち上げに行ったというCAFEのモデルとなった「LIFE CAFE」に行ってきました。アルファベットシティと言われるアベニューBにあります。以前はアルファベットシティはヤク中の人とかがいて危険なので旅行者は絶対近づくなといわれてたところです。今はきれいになっておしゃれなお店もできていてそのころの面影はそんなにないかも。もちろん映画で見た冒頭のシーンとは今のアルファベットシティは全然違っちゃってます。
同じところといえば道から家に上がる階段のところに何をするでもなく座っている人たちが今も何人もいるということかな。
Rent3

さて、旅行者である私ももちろん全然問題なくお店に到着し、お茶してきました。
COZYな感じのお店で、ここにジョナサン・ラーソンが実際に来てたんだなあ…と思うととても不思議な気持ちでした。
「RENT」開幕の10日前にジョナサンは突然死んでしまったのですが、「RENT」を見たお客がLIFE CAFEまで来るようになるとはジョナサンは想像もしなかっただろうな……。

Rent2

そういうお店であっても、表には全然RENT関連のものを飾ったりしてないのがいいところで。トイレに行ったら裏のほうにポスターが一枚張ってあるだけでした。
別な形でRENTの世界に触れられた気がした、LIFE CAFEでした。

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2006/09/25

WICKED(ウィキッド)@ブロードウェイ

今回唯一日本にいるときから手配していた作品で、現在もソールドアウトが続く大ヒット作。
2004年2月にニューヨークに来たときに見て大感激して、今回もっとも見たかった作品の一つでした。
見た当時割りとちゃんとしたレビューを書いた気がするんだけど、どうやら掲示板に書いたものだったらしく今探しても見つからない……(^^;。

そのときも書いた気がするが、「オズの魔法使い」の西の国の魔女というのは私が高校時代唯一演じた役でそれが主役の作品があるなんて……と思ったのが2年前に見た動機だった。
生まれながらに緑色の顔に生まれてしまった西の国の魔女エルファバ。彼女は多くの人からいわれのない差別を受けている。でもそれに負けない不屈の魂を見せる強さが彼女の魅力で、特に一曲目に歌った歌のすごさは忘れがたかった。
まあ、2年前はイディーナ・メンゼルとクリスティン・チェノウィスという超強力キャストだったので、今回のキャストの皆さんが出来が悪いわけでは決してないけれど、以前の記憶が良すぎるのかなあ…というのが今回の正直な印象。

でも、大掛かりな装置や、さまざまな伏線が「オズの魔法使い」の話に収束する見事さや、衣装の素敵さはさすがです。細かい集団をそれぞれに振り付け、それが盛り上がり大ダンスになるという、ウェイン・シレント(日本では宝塚時代の真矢みきさん主演「ハウ・トゥー・サクシード」や、「アイーダ」の振り付けが有名)らしいダンスシーンもすばらしいです。

今回のエルファバのエデン・エスピノザは、力強さはとてもよく出ていたけど、ちょっと声の調子が悪そう。1曲目の長く伸ばすところが途中で切れてしまい、びっくりしてたら、多分咳を我慢したためにそうなったと思ったらしく、以後の歌はときどき咳を交えながら(堂々と咳してたので、きっと気づかないお客さんもいたはず)歌っていた。たしかに公演回数多いし、大変だよなあ~。でも、生命力の強さはさすがでした。

今回特筆すべきは、エルファバとグリンダ(良い魔女)と二人の間の恋に悩むヒーロー役のデレク・ウィリアムズ。前回見たときは白人の方がやってました。この方がなんというか、見た目は「ハクション大魔王」みたいな下膨れ顔で(ああっっ、すみません……)全然二枚目じゃないんだけど、歌いだすととたんに素敵に見える。こういうのを「声ハンサム」というのでしょうかね。初演キャストで頭の中でしっくりいかなかったこの役を説得力を持って見せてくれました。

しかし。前回終幕泣きながら見てたせいか、すごく大切なせりふを聞き逃していた自分にびっくりしました。
エルファバがオズの魔法使いの子供だったとは……。(fatherなんて簡単なせりふを聞いてなかったのです(^^;;)

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アバクロ@五番街

五番街にある「アバークロンビー&フィッチ」のショップに行く。4階建ての建物の中は薄暗く音楽がガンガン流れてクラブふう。
建物の入り口にはイケメンが立っている…という話どおり。店員さんも皆さんイケメンと美人ばかりでした。

しかし。
入り口にいる店員さん、上半身裸でポーズしてて、おまけに隣にポラロイド持ったお姉さんがいて、上半身裸のイケメンとお客さんが記念撮影できるようににこやかに待ってるんですけど……。

いくらなんでもやりすぎである(笑)。

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2006/09/21

STOMP(ストンプ)@ブロードウェイ

ビバ! 32ドル!!でした。まさに(^^)。これまた半額チケットで購入、運良く10列目のどセンターでした。

ストンプは皆さんご存知かと思うんですが、ホウキとかバケツとか身近なものを使ってダンスするというものです。
何を見せてくれるんだ?! というわくわく感が1時間半続きました。集団で見せるダンスは本当に一手も狂うとだめになってしまうようなものですし、ホウキ以外にもライターをつけたり消したりとか、新聞紙やゴミ袋とかいろんなもので見せてくれます。音楽も歌も一切使ってないのですが、肉体と物でこんなに音楽的になれるんだというのは(前回のTAP MAN熊谷和徳さんに続き)驚きでした。
そして、私が思ったよりコミカルなんですね。笑えるシーンが随所にあったのは意外でした。

特筆すべきなのは日本人女性の Yako Miyamotoさんという方が出てたこと。2年前に「ブロードウェイ イン ブライアントパーク」という催しでストンプをやったときにもミヤモトさんを拝見してたのですが、その後2年間出続けてるのですね。ほかの方がパッショネイトなダンスを繰り広げているのに対して、ミヤモトさんだけその印象はクールなのです。そのクールさはもともとの持ち味が全体のバランスを考えて狙っているものかはわかりませんが。でも、その静かなかっこよさは(万人受けではないかもしれませんが)印象に残りました。

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WEDDING SINGER(ウェディング・シンガー)@ブロードウェイ

というわけで、ニューヨークにいます(^^)。今回はニュージャージーの知人宅に泊まってまして、対岸のマンハッタンのすばらしい眺めを満喫しています。

満喫といえばもちろん観劇! 今回も見たいものが目白押しで困ってます。

第一弾は「ウェディング・シンガー」というミュージカル。お勧めいただいたのもあって1本目はこれにしてみました。ありがたくもtktsで半額です。(今タイムズスクエアの半額チケット売り場が改築のため目立たないところに一時移転しているため、ほとんど並ばずに買えて個人的に非常にラッキーです。以前は1時間待ちとかざらにあったようなので)

話は1980年代。結婚式で歌うことを生業にしているウェディングシンガーが、結婚式場に勤める女の子と恋に落ちたが、彼女はすでに婚約者がいて……。という非常によくある話です(^^;。(同名の映画があるそうですが、渡米前忙しくてチェックできず)
しかし話は普通でも演出と役者でこんなに面白くできるんだー、というのがわかって、思わぬ拾い物をしたような気分になりました。
演出が非常にテンポがよくて、センスが良い方なのだと思います(ジョン・ランドさんという人)。ひとつの曲の間で何人かが歌い継ぎながら転換したり、曲と曲の間が非常にスムーズで気持ちが途切れない。一幕の終わりのネオン管をつかった大ナンバーも見事で楽しかったです。
そして、最近ジューク・ボックスミュージカルがはやってますが、曲そのものは使わなくてもパロディとしてたくさんの80年代ネタがでてきて、それが面白い。シンディ・ローパーやマドンナ、ティナ・ターナー、最後には(なぜか)イメルダ夫人とレーガン大統領まで出てきちゃうのです。フラッシュダンスの水掛ダンスのシーンもやってしまう臆面のなさですが、それが陳腐な感じにならないところが多分演出さんがお上手なんだろうなと思います。

そして、皆さん役者が達者なこと。主役のスティーブン・リンチは私は初見ですが、コミカルな動きの間がとてもよい、個人的に気に入ったのがキーボード走者の役をやった方(Kevin Cahoonという人)が見た目的には宝塚花組みの高翔みず希さんに劇似で(^^;、格好髪型も宝塚の舞台でロックスターを演じるときみたいな感じになってたのが妙におかしく、その不思議な味わいに受けてしまいました。

話が個性的とかじゃなくても、面白い舞台は作れるんだ!という好例を見た思いで、とても楽しい観劇になりました。

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2006/09/17

ニューヨークに行ってきます(^_^)/~~

明日から30日までお休みをいただいてニューヨークに行ってきます。
必死で仕事してやっと先ほど仕事を終えて、今は荷造り中です。
宿泊先にもパソコンがあるので、こちらのブログにもときどきアップできたらしますね。

今のところ既にチケットを取ってるのが「WICKED」。ブロードウェイ16年ぶりの
「コーラスライン」プレビューや、オフの「アルターボーイズ」は見てこようかなと。
それ以外は飛行機の中でこれからいろいろ検討してみます。

旅行前で仕事がバタバタしちゃって、とても面白かった「プライベート・ライヴス」のこととか
書けてないです……(涙)。

30日に帰国予定。それでは行ってきまーす(^_^)/~~

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2006/09/11

TAP MAN×PIANO MAN×MOVIE MAN

人間の体は楽器にもなりうるのだ、というのが驚きの舞台。
TAP MAN熊谷和徳 ×PIANO MAN稲本響 × MOVIE MAN奥秀太郎という三人が創る舞台で、今回は完結編という。(9月8日に拝見)

タップダンサー、というよりはリズムタッパーと呼ぶのが近いみたいだが、人間の踏むタップの音がこれほど音楽的だとは思わなかった。まさにタップとピアノとのセッションで、あっという間に1時間半が過ぎていった。

タップの振りと映像がシンクロしていたり(足でホリゾントに向かって何かを掛ける振りをすると、壁に絵の具が掛かったように見えたりする)、ピアニストが小さいおもちゃのピアノで弾いたりと、茶目っ気の部分もあるのが楽しい。

特に印象に残ったのは飛び立つ鳥たちのCG映像を写しながらのタップ。稲本さんのオリジナルの曲と共に、踊る様は本当に飛翔していっているようで、なんだか不思議な感覚だった。
熊谷さんのタップ……本当に人間の体がこれほどに「音楽」を表現できるのか?と思うほど。目にも留まらないような超絶技巧の脚の動きで、彼の全身は音楽になっていた。
稲本さんのピアノも、その貴公子っぽい容姿のイメージとは違って時に激しく、そして伸びやかで、温かい。

二人のコラボレーションを奥さんの映像がイメージを広げる形で見せる。今回完結編ということだが、また何か違う形で見せてもらえたらいいなと思う。

余談ですが、熊谷さんがダンスをしてないときのふと見せるくしゅっとした笑顔が、なんだか可愛くて気に入っている(←何を見てるんでしょうか、私は……)。

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2006/09/09

新解釈の『夏の夜の夢』~内容・ラストに触れてます

前の記事で公開稽古に伺った旨を書きましたが、Studio Lifeの『夏の夜の夢』開幕初日と翌日のゲネ(ダブルキャスト初日)を拝見してきました。

とても楽しい舞台でした。弾ける舞台でありながら、最後にすーっと一点に集約した美しさが出せるのはスタジオライフ演出の倉田淳さんの手腕かと思います。恋人たち4人のダイナミックさはやはり男性が演じるものならでは、ですね(^^)。(ドレスを着ていながらもアクションがすごい(笑)、お怪我がありませんように……)
「シェイクスピアの言語のリズムの楽しさを、歌に変えて」…と公開稽古でおっしゃっていたとおり、歌が入ることで楽しさ倍増です。妖精たちが歌う眠り歌が頭をついて離れないんですけど……(笑)。

一番瞠目させられたのは、アマゾンの女王ヒポリタの造形です。
(前半だけ見た公開稽古のところでも書いたのですが)
今まで何本か見た『夏夢』の中では、ヒポリタと大公シーシアスとの婚礼については「既定のもの」という感じで、あんまり突っ込んだ考察がされてるものを見たことはありませんでした。
シーシアスの「害を加えて手に入れた」という台詞から、征服者である男性と結婚することになる女性である……という解釈(翻訳者の松岡和子さんがそうお考えになったようです)で、ヒポリタは白のドレスに足枷をはめた姿という非常に象徴的なスタイルで出てきます。
ハーミアの父親が「この娘は私のものですから、私の言うとおりにするのが当然」みたいな台詞を言うときの視線などから、父権(男性の権力というか)に屈せられようとするハーミアに対するシンパシーのようなものも感じられます。

征服者たるシーシアスを実は心の底では愛しているヒポリタ。ただ、敵対する国同士の間柄ということもあって、受け入れがたい思いがあり、自ら足枷の鍵を解かないままでいる(←自分で鍵を持っている…ということは、おそらく、足枷をつけられて無理やり連れてこられたのだけれど、ヒポリタを愛したシーシアスが鍵を渡したってことですよね)

恋人同士が元の仲に戻って、3組の結婚式を挙げたあとの余興の芝居を見ている間もその足枷ははめられたまま。
ここからは倉田さんの新演出で、余興のピラマスとシスビーの芝居に「ロミオとジュリエット」の設定が加わります。(クウィンスの最後の台詞も『ロミジュリ』の最後の台詞になってます)
その芝居を見て、「悲しい物語のようにならぬよう…」と、自ら足枷を解き、シーシアスとの愛に生きることをヒポリタは選ぶのです。

すごく意外な新解釈のようにも思えるのですが、パンフレットの倉田さんと松岡さんの対談を見ると、いくつかの台詞でそう解釈できるヒントがあるようです(このパンフの対談、非常に面白い。『じゃじゃ馬ならし』の最後の台詞の解釈についてなどが書いてあって、資料的にも価値があるものだと思います)。

ピラマスの芝居を見ているとき、ヒポリタが「つまらないわ」というとシーシアスが「所詮、芝居は影」というのですね。芝居は影=見ている人を反映しているもの、ということでもあると思う。
既に恋人と一緒になっている2組の恋人同士はピラマスとシスビーの悲恋を見てもそれほどの反応はないけれど、現在自分の恋に悩んでいるヒポリタの胸にはとても響いてくる。という様子がとても対照的に描かれていたし、台詞がないシーンですが、ヒポリタの舟見和利さんはその心理の変化を如実に描き出していました。

舟見さんは独特の佇まいと静かな美しさで、ヒポリタの感情の流れを丁寧に見せてくれて、好演だったと思います。(というか、男性が何故こんなに女性心理が分かるのかー?!(汗)  倉田さんの演出の賜物でしょうか…)
シーシアスの牧島進一さんも、ヒポリタに対する深い愛情と共に、男性の傲慢さのようなものも奥に覗かせていてよかったなと思う。

家に帰ってから『夏夢』の本をめくって確認したのですが(ただし、福田恒存訳版(^^;ゞ)、付け加わっている台詞が意外と少ないことに驚きました。まさに(原作から逸脱したものでなく)「新解釈」なのでしょうね。

2組の恋人同士の話に加えて、ヒポリタとシーシアスの恋にも焦点を当てたことで(あと、もちろん妖精王のオーベロンとティターニアも)、重層的な『夏夢』になっていました。
(それと、殆どの『夏夢』は最後の余興芝居は蛇足みたいになっちゃうことが多いのですが、最後まで集中して見られたのも珍しいです(^^;)

ヒポリタの話が長くなってしまいましたが、これが女性演出家(&女性翻訳家)の目で見た『夏の夜の夢』ということで、とても興味深かったです。

ヘレナって可愛いなあ、とか、魔法に掛かったライサンダーと離れ離れになった後も、ライサンダーの身を心配するハーミアは健気だなあ、とかいろいろ書きたいことがあるのですが、とりあえず最後に。
倉本徹さんのパックがとても素晴らしかった! パックが大騒ぎして走り回る、その後にふっと空気を収束させる技が本当に見事で、掌からふわっと何かが立ち上がるのが見えたような気さえしました。往年の劇団しゅうくりー夢の『ド・ラ・キュ・ラ』のドラキュラ役以来に見た、倉本さんの真骨頂のように思います。

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2006/09/07

森川理文さんに…

昨日の博品館劇場で、久しぶりに森川理文さんにお会いした。
森川さん「会うのすごい久しぶりですよね?」
私「そうですよね……、えっと…」
森川さん「1年は軽く会ってないですよ」
……(@_@)そうかー。今は花組をお休みして地元の学校に行ってらっしゃって、お忙しい毎日のようです。昨日も、授業が終わった後に東京まで出てきて『百鬼』を見て、その日のうちに地元に帰るというスケジュールだったとか。
元気な様子で、会えて嬉しかったです。
ちらっと覗かせてもらった携帯の待ち受け画面が少年時代の律だった(^^)(『百鬼』初演で森川さんがやってた役)。
またいつか、舞台で森川さんが見られたらいいなと思います。

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また会える?~『百鬼夜行抄2』にまつわる私的な話~読み飛ばしてくれていいかも

文字通り私的な話ですが……。
1989年のパルコパート3でやった『花組をどり』以来、ずっと花組芝居の本公演は見てきてましたが、唯一見てない公演が『百鬼夜行抄』の初演でした。
というのは、この公演期間中に療養中だった私の母が亡くなったからです。
(実は稽古場で通し稽古は拝見させていただいたんですけど、その模様を皆さんにお伝えする以前に母の容態が悪くなってしまったので……)
改めて考えると、『百鬼』初演の期間には(この作品の題材のように)生と死の世界を行き来するときを実際に過ごしていたのだなあと思います。

先日、『百鬼夜行抄2』の稽古場にお邪魔したときにはやっぱり3年前のことを思い出さざるを得ず……。今回はもちろん私の身の回りに何も悪いことは起こらず、本番の博品館劇場に向かうことができたのですが、「博品館で『百鬼夜行抄』を見てる私」ということにちょっと不思議な気持ちになりました。

もしかして、今の自分にとって『百鬼』を見ることが何かしら意味があるのかも……という思いで見ていたせいかもしれません。最後のかつら姫に向けた開の台詞、「自分の命が尽きたら、君の元へ行く」、そして晶ちゃんと三郎の「亡くなった人のことをこちらに引っ張ってきてはいけない」(引用不正確ですm(_)m)という台詞が胸に響いてきました。
実はあまり来世とかを信じてない(ので、その分、母の死がめちゃめちゃこたえた)人なのですが、芝居で描かれているようなことが本当にあればいいと……すごく思った。
(芝居だけでそう思ったのではなくて、最近友達のお父様が亡くなって、そのお父様の親友が「僕も、もう少ししたらそっちに行くから、そうしたらまたゆっくり一杯やろうな」と言っていたという話を聞いたということもあるんですが)

初日の翌日、母が亡くなってからずっと整理しなきゃと思いながら手をつけられなかったものを片付けました。物がなくなってもつながっている思いは消えないと、なんとなく思えたので……。

あまり芝居の内容とは関係ない(関係なくもないけど)個人的な話ですが……。何かが人の人生を変えることがあるのかもしれない。

「また会おう」

いつかまた会えるのかな……。


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2006/09/04

花組芝居『百鬼夜行抄2』~内容・配役に触れています

妖魔と日常と。あるいは彼岸と此岸と。
その両方を楽々と行き来できる世界を表現できるのは、やはり現実にはない存在である女形を擁する花組芝居以外にはないんじゃないかと。
今市子さんの漫画『百鬼夜行抄』の舞台化。3年前に続いて、今回がパート2。(初日と本日の2回拝見)

見鬼(妖魔の世界が見えてしまう)の能力を持つ高校生飯嶋律とそれに近い能力を持っていたり持っていなかったりする家族たちの日常……から、加納さんが原作からイメージしたとのは『お化けが出てくるサザエさん』だそうで、初演のときは3作オムニバス(…ってとても『サザエさん』ぽいですよね)でした。今回は26年間彼岸の世界にいた律のおじ、飯嶋開(各務立基)と彼の恋人だった妖魔のかつら姫(加納幸和)の物語を縦軸に、飯嶋家を横軸に描いた形でストーリーが展開。前回とは設定は同じでもストーリーは新たなものなのでパート1を見てなくても分かりにくいところはないはず(^^)。

わかぎゑふさんが脚本を書いているだけあって、いつもの花組芝居とはちょっと違うテイストだけれど、加納さんの演出の変わらず鮮やか。日常の潜む魔、というものを、見えていながら見えていない存在である黒衣たちの姿にしたのは(『眉かくしの霊』に続き)本当に上手いなあと思う。シンプルな枠の装置をスピーディに様々な形に変えることで、妖魔との結界や、飯嶋家の座敷などを出現させていて、見ているほうとしても想像力を刺激されました。
妖魔の力によりいろいろと飛躍のあるストーリーを追って振り回されて?いくうちに、開とかつら姫の彼岸と此岸を越えた愛に胸を詰まらせて……どこか明るい気持ちでラストが迎えられる。楽しい舞台でした。

今回のポイントとしては、飯嶋律に美斉津恵友さん、律のいとこ・司に堀越涼さん、謎の妖魔・鬼灯(きちょう)に小林大介さんと前回初舞台の新人がメインキャストに配されたこと。美斉津さんの律は、前回公演のときの体温が低そうな(^^;律とはちょっと違うのだけれど、「大丈夫、助けられるから」と言える潔さが美斉津さんのストレートな持ち味と合っていましたね。「芯がある男の子」感が魅力的でした。(枠の装置が激しく動く中で見せた体のキレがとても良くて、ちょっとビックリしました)堀越涼さんは前回『ザ・隅田川』の清玄尼に続いての大役。今日見たときに衣装が破れてしまうアクシデントがあったのだけれど、動じずに芝居を続けられる度胸があってすごいなあと思いました。普通の女の子の格好でキレイに見せるのはちょっと難易度高いでしょうか。酔っ払ってるときの演技が結構好き。小林さんは既に新人とは思えぬ雰囲気なのですが(笑)、押し出しの強さが良いですね。

新人を揃ってメインで使う、というのは(古い話ですが)『花組沙翁劇 ロミオ&ジュリエット』で植本さん、桂さんたちの期の人が揃って大役に入ったとき以来かなあ、と思います。花組芝居も20周年を来年に控えて、新しい転機を迎えつつあるんでしょうか。

加納さんのかつら姫は、まずハードロックに乗って出てくる登場がとてもカッコ良くて(^^)。開とももちろんだけど、律と一緒の場面でも全然違和感なく添うことができるのですよね。すごいなと思いました。20歳の内面と46歳の外見を持つという開役の各務立基さん。父親との葛藤など複雑な心情がきちんと見えていた。上に書いたとおりラストはぐっと来るものがありますよね…。前回と同じ配役の方たち。(妖魔のことは)分かってないはずなのにすべてが分かってるように見える瞬間がある、底知れぬ(?)飯嶋絹は八代進一さんにはとてもピッタリ。情けなキャラの覚おじさんは桂憲一さんで、絶妙なバランスで芝居の中に存在してたと思います。覚おじさんの最後はもう、ウケましたね~(^^)。

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2006/09/02

百鬼夜行抄2開幕&稽古場写真アップしました

いよいよ本日、花組芝居『百鬼夜行抄2』開幕!

それに合わせ、先に掲載していた稽古場レポートに稽古場写真をアップしました。↓

百鬼夜行抄2稽古場レポート

※こちらを見ると配役が分かってしまうと思うのでご注意下さいませ。私が撮った写真ですので、多少はお目こぼしの上、本番の素晴らしさに思いを馳せていただければ幸いです。

花組芝居らしさが溢れる楽しい舞台です。博品館劇場にて、9月10日まで上演中!

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2006/09/01

イアゴーに翻弄されて~りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ『オセロー』

植本潤さんのイアゴーがとにかくすごかった!
りゅーとぴあの能楽堂シェイクスピアシリーズは前回の市川右近さん、市川笑也さんが出た『マクベス』を見ています。能楽堂ということもあって、装置はまったくなく、能楽的なすり足の動きを取り入れつつ、限りなくシンプルな形でシェイクスピアの真髄に迫ろうとする舞台です。

さて、『オセロー』。
潤ちゃんがイアゴーって見る前は意外な感じがしてました。
今まで私が見た『オセロー』はやはり、(タイトルだし)オセロー中心に見えるものばかりだったと思うのですが、今回はイアゴー中心と言えるような構成。
そのものすごい台詞の量と、その用意周到、頭脳明晰、変幻自在……とまさにイアゴーという人物に圧倒されます。
劇中何度か、イアゴーとすれ違いざまに、イアゴーが他の登場人物をくるっと回すような手振りが出てくるのですが、まさにその振りの通りに多くの人たちを自在に操ってしまうイアゴー。彼をここまで駆り立てる源になってるものは何なんだろう……? と、見ながら何度も考えてしまった。
人間がここまでできるのかという、能力(この場合、プラスの能力でなくてマイナスの能力だけど)のすごさも感じました。恐ろしいほどの量の台詞を聞かせることで、彼の能力の底知れなさを浮き彫りにするという構造も見事です。

これほどのマイナスのパワーを発揮できるのも人間なら、あれほど愛していた奥さんを偽りの言葉で信じられなくなり最後には殺めてしまう(オセロー)のも人間なのですよね……。
能楽堂という、ある意味「神のよりしろ」のようなところで行われている分余計に、人間という存在の弱さ、はかなさを改めて感じさせらる舞台でした。(バーバリーの亡霊を実際に登場させていることによっても、人間の弱さが対比的に感じられてました)


余談その1。千秋楽の昨日のマチネを見てたんですが、終幕に結構大きい地震が(@_@)。客席からは思わず悲鳴が。でも、止まらずに芝居を続けていたのはさすがでした。一瞬上を見上げるイアゴー。もしかして地震はイアゴーへの天罰…?!(なんちゃって)

その2。終演後に安寿ミラさんをお見かけして、「ああ、潤ちゃんたら安寿ハムレットを相手に可憐なオフィーリアもやってたんだわ……」と思ったら、余計、恐るべしと思ってしまいました(^^;ゞ。

その3。演出の栗田芳宏さん、モンターノー役でご出演もされてたんですが、扮装とメイクがどう見ても「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウだったんですけど……(^^;。

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Studio Life『夏の夜の夢』公開稽古

稽古場の話が続きますが、最近よく取材させていただいているスタジオライフの『夏の夜の夢』の公開稽古にお邪魔してきました(28日)。
劇団としては初めての公開稽古だそうです。私自身も稽古開始前の稽古場にお邪魔したことは何度かあったのですが、稽古をしているところを拝見するのは初めてです。

稽古場に入るとすでに稽古用の扮装をした役者の皆さんがうろうろして、準備万端といった感じ。
曽世海児さんの最初の挨拶のあと、見せていただいたのは冒頭からライサンダーが魔法に掛けられてしまうところまで。ダブルチームで途中で役を替えて演じていました。
(倉田淳さんがどういうふうに演出するのか…というのが非常に興味あるところだったんですが、実際に演出する場面はここでは見られなかった)

歌が入っていることもあって、テンポ良く楽しい『夏夢』だなと思います。他の方が演技しているのを皆が回りで見ているのですが、皆さん他の人の演技に興味津々?!と言った感じで、出ているときも出ていないときも楽しそうにしてらした。皆で一丸となって舞台を作ろうとしている様子が伝わってきまました。
終わった後の倉田さんのご挨拶によると、シェイクスピアが持つ「韻」を踏む面白さをなんとか現代に置き換えられないかなと思って、歌を入れることにしたとのこと。全11曲歌があるそうで、それぞれ耳慣れたロック・ポップスを使ってるのがいいですね。(個人的には1曲目にオーベロン役の石飛幸治さんが歌ってた曲がツボにはまった。うまい選曲だなと思います。妖精たち4人が歌う歌もちょっとアイドルチック? でカワイイ)

恋人4人は見せていただいた場面が違うので単純に比較はできないけど、それぞれ色が違って面白いなと。客演の坂本岳大さんは初めて拝見しますが、とてもイキイキしててメリハリの利いた演技で、ライフの方にもいい刺激になるんじゃないかと思います。

ヒポリタとシーシアスの婚礼が話の発端なのですが、ヒポリタの造形が今までの『夏夢』にはない解釈ではっとさせられました。具体的には書きませんが(本番前だし)、女性ならではの視点かな、と思います。
(女性ばかりの劇団である宝塚が殆ど男性演出家であるのに対して、男性劇団のライフを女性が演出している面白さを改めて感じました) 終幕に向けてこれがどう展開していくかが楽しみです。

稽古場で仮組だった装置はすべて劇団員で作ってるとのこと(松本慎也さんのご挨拶より)。そして、それが本番ではブルーグレーの幻想的な美しいものになるようです(こちらは倉田さん談)。

心弾む楽しい舞台になりそうです(^^)。9月7日より、シアターサンモールにて。

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