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2006/07/07

「アンデルセン・プロジェクト」

以前このブログ内で、ラスベガスでやってるシルク・ド・ソレイユ「KA」を見てきた感想を書きましたが、「KA」の演出をしているロベール・ルパージュさんが演出している一人芝居「アンデルセン・プロジェクト」を見てきました。ルパージュさん自身が出てる版と白井晃さんが演じる版とあったんですが、私が見たのは白井さん版のほう。

実はあんまり一人芝居というものが好きでないのでめったに見に行かないんですけど、これは面白かった。というか、興味深かった。
パリ・オペラ座で子供向けのアンデルセン作品のオペラを上演することになり、それをプロデュースするオペラ座の人と、戯曲を書くカナダ人(ルパージュはカナダ人)、そして、戯曲化されるアンデルセンの作品(タイトル失念……、パリにあるマロニエの木が移植される。その中にいる妖精は華やかなパリに憧れていて、自分の命がこの後どうあんってもいいから…と願って、人間の姿になってパリの街に出ていきいろいろなものに出会う…というような話。設定はちょっと人魚姫に似てますね)、アンデルセン本人が多重的に描かれていて、それを一瞬の早替わりなどで白井さんが演じてます。

映像の使い方がとにかく見事。言葉では説明しがたいんですが、後ろに写されるスクリーンはもちろん垂直なんですが、その中に立ってる白井さんの足がめりこんでるように見えるようになってる(@_@)。まるで2次元のスクリーンの中に3次元の肉体があるように見えて、すごい不思議な感じ。映像と実際の動きとがリンクしててとてもスピーディだし、鮮やかに場面を見せてくれました。

知らなかったんだけど、アンデルセンは生涯性的な関係を持たなかったんだそうで…。堅物そうなオペラ座のプロデューサーが、実は奥さんと離婚寸前になっていて、覗き部屋に行ってしまうような性癖を持っているとか、「戯曲にされる妖精もパリに行って誰かと性的な関係を持ちたいという表れだ」とカナダ人が解釈することとか、それぞれの人の生き方にアンデルセンの姿が重なるようでもあり、重ならないようでもあり。

カナダ人は覗き部屋の上にあるロフトを又借しているという設定で、そこを掃除している移民の人というのも出てきます。ずっと無言なんですが、いろいろなところで落書きをしたりしてる。無言の中で書くことで何かを表現しているというところに、よくわからないパワーを感じました。

ラストに触れますが、「何かを多く望みすぎるものはアンデルセンの作品の中では必ず罰せられる」って……。芝居全体は分かりにくいことはまったくないタイプの作品だったんですが、この終り方はどう解釈したらいいんだろう。最後になって、後はお客さんで考えてね、と突き放してみたってことかな(^^;。

すごい台詞の量と半端じゃない着替えの量と、その中でそれぞれの役がきちんと立ち上がっていく様は見事で、白井さんは(演出だけでなく)俳優としてもやっぱりいいなあと改めて感じました。

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» 白井晃インタビュー、初のひとり芝居『アンデルセン・プロジェクト』を語る [演劇情報サイト・ステージウェブ]
世田谷パブリックシアターが6月下旬から上演する『アンデンルセン・プロジェクト』は... [続きを読む]

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