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2006/03/10

春のシェイクスピア祭り…夏ノ夜ノ夢&十二夜

…とも言うべき2本を見てまいりました。
まず、松竹『夏ノ夜ノ夢』。尾上松緑さん主演、加納幸和さん演出、小池竹見さん脚本です。
どこか不思議な感じのアジアが舞台。(舞台真ん中には鳥居、その前に井戸?があり、そこからパックが出入りしてる)
松緑さんはパック。パックというと「ダッタン人よりも早く」(…ダッタン人って誰??)で敏速なイメージがありますが、そこは松緑さんの(若いのに)重厚なイメージに合わせてかどっしりした感じなのが意外で面白いです。
パックを妖精の王様オーベロンと人間との間の子、という設定にしたのが特徴かな。
ラストの奥(人里?)に向かって歩いていくパックの、どこか切なく、しかし何か成長したような姿が印象的でした。
職人を演じた花組芝居の皆さん(水下さん、北沢さん、八代さん、秋葉さん)が舞台全体を支えていましたね。
オーベロンの村井国夫さんは、ちょっとしたおかしみと大きさがあって素敵。床嶋佳子さんはゴージャスでセクシーな美しさが発見でした。

全体的には加納さんが以前出たペーター・ストルマーレ版に近い雰囲気もある『夏夢』でしたね。

『十二夜』は子供のためのシェイクスピアカンパニーで、初めての新国立劇場小劇場での公演。
黒いマントとコート、クラップ(拍手)などはいつもの形ですが、今回は以前にもまして演劇としての楽しさがあった気がします。『十二夜』という男女の取替えが特徴の作品のためか、シザーリオ(とマライア)を伊沢磨紀さん、ヴァイオラを植本潤さん、フェステを円城寺あやさんと男女が入れ替わった形での配役をしたことが、とても効果的だったんじゃないかと思います。
冒頭とラストで、黒い衣装からフェステの衣装に変わるところの円城寺さんが、本当に物語の世界をそのまま脱ぎ着しているように見えました。夢の遊眠社時代と変わらぬ少年性が見られたのが嬉しかった。
ヴァイオラの植本さんはとてもキレイで可愛い。(私の隣で見てた編集さんが非常に受けてました)この芝居のテンポを一番作ってくれていた気がします。「運命の神様」の姿は(以前はロングチュチュの可愛い神様だったのに)殆ど凶悪と言ってもよいかもしれない(笑)。
シザーリオの伊沢さんはとても清清しい。
佐藤誓さんは今回サー・アンドルー(前回はフェステだったそう)。相変わらず的確な芝居をなさる方だなあと思います。

(余談ですが、パンフレットに「嘘のような本当の話」というが共通質問であって、伊沢さんの答えが「私のひいひいおじいさんが総理大臣」とあって、とってもびっくりしました。そーなの?!)

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コメント

おお! 詳しい情報ありがとうございます。
今の私たちにとっては「だったん」と行ったら「韃靼そば茶」ですよね~。(今、「韃靼」とすぐ変換できたことに軽くびっくり)

投稿: おおはら | 2006/05/18 13:24

> ダッタン人って
気になったので調べてしまいました(^^;;

Swifter than arrow from the Tartar’s bow.(韃靼人の矢よりも速く)「韃靼(TartarまたはTatar)」本来の意味は、モンゴル系少数民族タタール人のことだそうなのですが、ロシアやヨーロッパで「タタール」と言えば、蒙古襲来の恐怖の記憶とともに、モンゴル族の総称として用いられることがあったようです。
この箇所は小田島先生も松岡和子さんも、「ダッタン人」と訳されてました。本来の意味+イメージを喚起させる付加的な意味合い、どちらも満たす稀有な漢字表記なのでしょうか

とか書いてたら、韃靼そば茶が飲みたくなってきました(^^;;

投稿: froufrou | 2006/05/07 17:41

松緑さんは歌舞伎以外に出るのは結構珍しいですものね。達者な方だけに、いろいろな形で舞台を拝見したいものです。

投稿: おおはら | 2006/03/28 00:11

重量級のパック(^^)ご本人がインタビューでおっしゃってたのですが、十代のころはちょっと荒れてて、補導されたりしたこともあったのだそうです。人でも妖精でもない悲しみ、といったところも、ご本人の生い立ちに重ねてしまう感がありました

投稿: froufrou | 2006/03/21 17:23

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