大阪公演『泉鏡花の草迷宮』『泉鏡花の日本橋』
大阪公演のラスト3公演を見せていただきました。
『草迷宮』の千秋楽が終わり、舞台後方の襖が閉じているのを見て、なんだか……この公演期間中に開いていた迷宮への扉が再び閉じてしまった気がして、暫く席から立ち上がれませんでした。ということは、その奥には今も迷宮の世界が続いている(気がした)ってことですよね……。
迷宮の夢の世界に永いこと遊ばせてもらっていた気がします。
大阪ではトラムと比べたら2倍くらいありそうな間口の劇場で、どうかなーと思ったんですが、意外にもはまってた気がします。ろうそくの明かりになる場面は劇場の広さが逆に功を奏して、周りの広い闇の広がりをより感じることができました。
夜中に小次郎がはばかりに行く場面で、宰八が怖がってる様子とか、「子供の頃どっかに泊まりに行ってるときに夜トイレに行くのが怖かったよなー」を思い出させて(笑)、懐かしさと共にリアルに物語に入り込めましたね。
その場面もそうですが、桂さんの小次郎は緩急のつけ方が見事で、お客さんが小次郎と同じ呼吸をしているのが感じられました。小次郎と一緒に迷宮世界を旅できた感覚が、今も身内に残っています。
そして松原さんも、(なんか偉そうな言い方でスミマセンが)初日から格段の変化が感じられた(特に千秋楽ね)。
大きい役をやった経験はあともずっと生きるものだと思うし、舞台である種の透明感が出せるという個性は他に得がたいものだと思うので、今後も楽しみにしてます(^^)。
そして『日本橋』。
お孝、清葉、葛木、赤熊の四人のそれぞれの愛がとても切ない舞台なのだなあ、と改めて思います。
愛するお孝に殺される赤熊の嬉しそうな顔に胸を突かれ、葛木の腕の中で死ぬお孝はことさらに美しい。
愛の中に死んでいく二人はどちらも究極の幸せの中にいるのと比べて、生きていく(生きていかねばならぬ)清葉と葛木のこれからはとても苦しいものなのだろうなと思うと……悲しいですね。
(これは鏡花の恋愛至上主義の表れなんでしょうかね?)
北沢さんの笠原巡査も、誓さんが演じていたときとはまた違う存在感があって、印象に残ります。
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タイプの違う(でも、共通するものを感じさせる)二作品を連日2回公演で上演! という大企画、まさに「まつり」でしたね。楽しい10月でした。
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