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2005/10/27

高円宮殿下を偲んで「宮さまの作品とコレクション」展

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「鏡花まつり」大阪公演の会場のすぐそばの大阪ビジネスパーク円形ホールでやっていた展覧会を、見てまいりました。実は「この展覧会、いいよ~」と教えてくださった方がいたんで見てきたんですが、いやー、教えてもらってよかったです。

私は全然知らなかったんですが、高円宮様は根付のコレクターでもいらしたそうで、そのコレクションの一部が多数展示してありました。日本よりも海外での評価が高いという根付ですが、こんなにたくさんのものを一度に見たのは初めて。現代のものではマクドナルドとかホットケーキとかのもありまして、高円宮様のセンスが窺えます(^^)。5センチにも満たないような小さなものなのに、一つ一つの根付がそれぞれの世界を持っているという広がりを感じて素晴らしかったです。

そして、高円宮様と妃殿下が結婚されたときの装束が写真と共に展示されていました。実際に間近に十二単を見るのも初めてで、「実物はこうなんってるんだあ」と思いつつ、すべてが隅々まで精緻で美しく作られているのに感心して見ておりました。
おすべらかしの髪型のときに額につけてる、金色の……フジサンケイグループのマークに似てるヤツ(←レベルの低い表現で申し訳ない)の実物が見られたのがなんだか嬉しかった。

自分の意識としては十二単というと、6月新橋演舞場公演の報を聞いた『和宮様御留』が思い出されてしまいます。自分とは不釣合いなほど美しいけれど、どう考えても動くのが困難そうな十二単を身につけたとき、フキはどう思ったんだろうか……? 豪華な衣の重みを肌で感じていたのかなあ、なんて想像してしまいました。

他は高円宮さまの由縁の品や、撮影された写真なども展示されています。(運転免許やパスポート、ワールドカップ・サッカー代表選手全員にもらったサインなどがありました)
会期は10月27日までということで今日までなんですが、機会がありましたらぜひ。

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大阪公演『泉鏡花の草迷宮』『泉鏡花の日本橋』

大阪公演のラスト3公演を見せていただきました。

『草迷宮』の千秋楽が終わり、舞台後方の襖が閉じているのを見て、なんだか……この公演期間中に開いていた迷宮への扉が再び閉じてしまった気がして、暫く席から立ち上がれませんでした。ということは、その奥には今も迷宮の世界が続いている(気がした)ってことですよね……。

迷宮の夢の世界に永いこと遊ばせてもらっていた気がします。

大阪ではトラムと比べたら2倍くらいありそうな間口の劇場で、どうかなーと思ったんですが、意外にもはまってた気がします。ろうそくの明かりになる場面は劇場の広さが逆に功を奏して、周りの広い闇の広がりをより感じることができました。
夜中に小次郎がはばかりに行く場面で、宰八が怖がってる様子とか、「子供の頃どっかに泊まりに行ってるときに夜トイレに行くのが怖かったよなー」を思い出させて(笑)、懐かしさと共にリアルに物語に入り込めましたね。

その場面もそうですが、桂さんの小次郎は緩急のつけ方が見事で、お客さんが小次郎と同じ呼吸をしているのが感じられました。小次郎と一緒に迷宮世界を旅できた感覚が、今も身内に残っています。

そして松原さんも、(なんか偉そうな言い方でスミマセンが)初日から格段の変化が感じられた(特に千秋楽ね)。
大きい役をやった経験はあともずっと生きるものだと思うし、舞台である種の透明感が出せるという個性は他に得がたいものだと思うので、今後も楽しみにしてます(^^)。

そして『日本橋』。
お孝、清葉、葛木、赤熊の四人のそれぞれの愛がとても切ない舞台なのだなあ、と改めて思います。

愛するお孝に殺される赤熊の嬉しそうな顔に胸を突かれ、葛木の腕の中で死ぬお孝はことさらに美しい。
愛の中に死んでいく二人はどちらも究極の幸せの中にいるのと比べて、生きていく(生きていかねばならぬ)清葉と葛木のこれからはとても苦しいものなのだろうなと思うと……悲しいですね。
(これは鏡花の恋愛至上主義の表れなんでしょうかね?)

北沢さんの笠原巡査も、誓さんが演じていたときとはまた違う存在感があって、印象に残ります。

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タイプの違う(でも、共通するものを感じさせる)二作品を連日2回公演で上演! という大企画、まさに「まつり」でしたね。楽しい10月でした。

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2005/10/15

二度目の観劇>花組芝居「泉鏡花の草迷宮」

13日に2回目の観劇をしてまいりました。
観劇前に久しぶりに「草迷宮」の文庫本を読み始めたんですが、全然訳が分かりません(^^;。
この原作をこういう形で解体→再生した加納さんの手腕に改めて脱帽いたします。

開幕前から思い切りセミの声がしてて、夏でしたね。でも、夜半になってくると秋めいて感じるのは、自分の中ではやっぱり変わらない…。
舞台上には本物のろうそくが揺らめいているのですが、それがいつの間にか消えてたんですよね。今日改めて見ると、夜寝る場面の前になると黒衣さんが出てきて消してたんです。その気配の消し方がなんだか絶妙でした。

初めの20分くらいの小次郎とおばあさんがやりとりしているところがとりわけ好きなのですが、言葉を契機として、そこから現実の世界とパラレルワールドのような異界が立ち上がってくる。
この感覚は独特のもので、鏡花の(本で読んでるだけでは、私にはつかめない)言葉が文字どおり生きたものとして自分の中に入ってくる快感は、得がたいものですね。

初日の感想で書いた明の松原さんもどんどん変わっていらっしゃるようで、13日は(巨大)手毬を愛しげに抱く姿が印象に残りました。

18日の昼にもう1回日本橋を見ようかなーと思ったら、仕事になってしまってちょっと(;_;)。

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2005/10/10

夏なのか(^^;

昨晩
>秋の草迷宮
と書きましたが、よく考えたら「一夏激しい暑さに……」とか台詞にありますので、夏ですよね(^^;。

ん、でも、実際の気温の記憶に惑わされてるのかもしれないですが、初演のときはじりじり灼け付くような暑い夏、ってな感覚があったんだけど、今回はそれとはちょっと違うような感じを受けたんですが。夜よなかの、もうちょっとひやりとしたような感覚というのかな……。夜の闇に劇場中包まれてるような。どうなんでしょうね?
(単に虫の音=秋? と思っちゃったのかもしれない(笑))

ついでに一言。「ホームページ、見てますヨ」と声を掛けて下さったJさま。自分としては意外だったお言葉だったんですが、えーと、こんなところにまでお越しいただいてありがとうございます。お恥ずかしゅうございます…。またよろしくお願いしますね。

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花組芝居『鏡花まつり 泉鏡花の草迷宮&泉鏡花の日本橋』

鏡花まつりは秋の華。
これはもう花組芝居でしかできないという、鏡花2作品連続上演企画が開幕しました。
初日の8日に拝見。

2作品連続上演用にセットも組まれて、上手下手にそれぞれ2階建て。基本的にはシンプルなものながら、ぼろぼろ襖とちゃんとした(?)襖、周りのススキのありなしなどでまったく違った景色に見えるのが面白いです。上部には金文字で「鏡花」。←これ、結構すごいというか意表ついてますよね…。

さて、13時に上演された『泉鏡花の草迷宮』から。
12年前の初演時の私の感想はこんな感じで、今も「本当に暑い夏の夜に見た一夜の夢」のような印象が強く残っていて、それだけにもう一度見るのが怖いような気さえしてました。
でも、実際に、客席の明かりが消えて(開幕前後のアナウンスはちょっと苦手ですが…スミマセン)、舞台のろうそくがぽっぽっとついて、潮騒の音と虫の音があたりを満たしたとき、不思議なくらいすんなりその世界に入っていけた気がします。
言うなら、初演は夏の草迷宮で、今回は秋の草迷宮、という感じ?
秋の夜のように深い、深々とした闇のような広がりを感じさせてくれる舞台でした。

旅の小次郎法師(桂憲一)が出合ったおばあさん(八代進一)の話を聞く内に入り込んでいく、幾重にも折り重なった迷宮世界。小次郎法師と一緒に私たちも迷宮に分け入っていくような、その構図が見事です。
(見るからにおばあさん変なのに、気づかずに普通に話してる小次郎がなんかおかしい…)

なかなか開かない後ろの襖がバーンと開いて、迷宮世界が展開していく瞬間は、スペースマウンテンで宇宙に突入していって眼前に宇宙が開ける瞬間のようにすごい。

自分も迷宮を一緒に体験しているような気持ちになれるのは小次郎法師を演じる桂さんの視線が明確だからで、様々な怪異現象の妖しさを堪能しつつも、つい小次郎の表情を追ってしまうことが多々ありました。

前回に引き続きの宰八の大井靖彦さん、今回もこの扮装で出てくるとは思わなかった(汗)。でも、おばあさん共々、人ならぬ身の面白さ、不思議さを体現してますね。おばあさんの八代さんは12年前と変わらず上手いです。

今回初の大役の葉越明の松原綾央さん。劇中(小次郎と共に)ただ二人の人間なのですが、どこか妖怪の世界と馴染んで違和感がないような、透明な空気が新鮮でした。ただ、「亡き母が歌ってくれた手毬歌を求める」という思いの切実さがもう一つ伝わりにくかった気が……。私が見たのは初日なので、これからどんどん変わっていかれるんでしょうね。期待します。

重層的な話で多分全部わかってないと思うんですが、それでもよい(よいのか?)と思える、「チョンチョン幕」の最後の場面、絵面が本当に見事でした。

18時開演の『泉鏡花の日本橋』。
こちらは一転して、人間ドラマがすごいスピード感(1時間40分!)でもって展開しています。
何より加納幸和さんのお孝が良い! これは加納さんの当たり役ですね。はじめのほうの気っぷの良さに、「お孝さん、カッコ良いッ!」と思ってしまう。変わって「同じく妻」の場面での柔らかな風情、別れの場面の切なさ悲しさ……と場面ごとの色合いの違いが、よりクッキリしてましたね。可愛くて悲しいお孝さんでした。

植本潤さんの清葉は、見る前は予想がつかなかったのですが、耐える風情の中に、どこか芯のあるものを感じさせられて印象深いです。何よりとても美しい清葉さんでした。葛木の姉の面影を宿す女性、という設定で、今回は二役で回想の葛木の姉も演じていますが、清葉から姉に変わる場面は、芝居の魔力というか、「おおっ」と思っちゃいました。

葛木晋三の各務立基さんも今回初役。初演の桂さんとはまた全然違った感じで、葛木のイヤな男のところを表現しながらも、でもお孝が惚れるのも無理はないよねというように納得できるような、というフクザツなものを魅力的に表現してました。各務さんの台詞の響きの良さはやっぱり鏡花物には合ってますね。

(すごく好きな場面が、葛木が「お孝の、巡礼にならないといけない」と別れていくところ。徐々に張られていく「南無阿弥陀仏」の紙と、そして、後ろに流れる、台詞とはうらはらの『聞かせてよ、恋の歌を』の曲との対比と……。お孝と葛木←は身勝手だけど……の切なさが胸に迫ってきて、忘れられない場面です)

赤熊は初演以来の持ち役である水下きよしさん。前半の色悪?っぽいカッコ良さと、磊落してもお孝を思い続けるという、情けないほどの恋の苦しさが際立ってましたね。

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鏡花物としてタイプが違う作品だと思ってましたが、2本通して見てみて「(作者の鏡花自身が投影されていると言われている)母(姉)に似た面影の女性を追い求める男性像」が両方に出てきていて、根底に流れるものの共通性に気づきました。ある意味「合わせ鏡」のようになってるのかな? これも2作同時上演の妙ですね。

この2作品を一度に堪能できる機会を与えてくれたことに感謝します。これもやはり花組芝居ならでは。

ということで、まだ見ますので追々書けたら書きますね。

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2005/10/06

ロンドンより帰りました!

ロンドンより無事帰って参りました。1週間いたけどやっぱり最後のほうは駆け足な感じになってしまいましたね。もうちょっといたかったです。
観劇したのは「ガイズ&ドールズ」「メアリー・ポピンズ」「ビリー・エリオット(邦題リトル・ダンサー)」の3本。ビリー・エリオットは本当に文句なしに素晴らしかった!
ガイズを見て、正直「日本も負けてない」と思いましたが、翌日に「ビリー・エリオット」を見て「日本人にはこう言う作品は作れない」と思いました(まあ、国民性の違いなんですけどね。外人に歌舞伎はできないし)。

帰った翌日から取材に走り回って時差ぼけしてる暇がありません(^^;。でも英気を養ってきたので頑張ってます。ロンドン話は追々書いていきますね。

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