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2005/08/23

八月納涼歌舞伎「法界坊」

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初めての平成中村座の演目でもあった串田和美演出の「法界坊」を歌舞伎座で……という趣向。

改めて思うのだけれど、歌舞伎ってアバンギャルドだよねー。2幕まで芝居で来てて、最後は舞踊劇になっちゃう飛躍、とか。法界坊と野分姫の霊が合体。とか。
このアバンギャルドさに気づかせてくれたのは串田さんの演出の妙かな。

今回三階で見てたので、平成中村座で見たときほどの臨場感はもちろん味わえなかったのだけれど、1幕の人の出し入れの見事さとか(弧を描くように人を動かすのって、音楽劇の演出のときでもよくされてますよね)は楽しめたかも。

しかし亀蔵さんの体はどうなってるんでしょうか。あの体の動きは、「エクソシスト」の悪霊が憑りついた少女を思い出してしまいました(笑)。
勘三郎さんの前半のギャグの部分からひょっと覗かせる怖さと、ラストの舞踊の双面の面白さが印象的。
福助さんの松若は、おくみと一緒にいてもその実誰も愛していないような、不思議な空虚感というか透明感というかが、あったような気がします。

(この写真は、劇場ロビーに飾られていた串田さん作の「法界坊人形」。なぜか1円とか5円とか10円とかが供えられていましたが……法界坊でどんなご利益があるというのだ(笑))

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劇団健康「トーキョーあたり」

20日に拝見。
大人げない舞台でした。いい意味でね。
映画を撮っているはずが(小津映画と黒澤映画がモチーフになってる)、だんだん現実に侵食していく様。途中「こんなにグダグダになるなんて」という台詞がありましたが、芝居もそんなグダグダ感が、多分わざとあって。
緩さが気持ち良かった気がします。

初めの映像は強烈におかしかったんですけどね(笑)。

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2005/08/21

原川浩明厳夏落語会

花組芝居の原川さん主催の落語会にお邪魔してきました(20日19:30~)。全部で30人程度の小さい空間で、花組の役者さんによる落語を聞くという贅沢な夏の一夜です。
(冬に新潟で厳冬落語会というのをやったそうですが、さすがに新潟までは行けません(^^;ゞ。ということで今回が第2回)

私は落語家さんによる落語を聞いたのは多分10回にも満たないくらいで全然詳しくないんですが。
よく落語は一人芝居に似てる、と言われてますが、改めてこうやって役者さんによる落語を聞くと「一人芝居と落語は違うものなんだな」というのが浮き彫りになった気がします。たくさんの登場人物を演じてる部分もある(というところでは一人芝居的?)けど、地の部分を語る「話芸」が大切なんだろうなーと。
人物を演じてるけれども、その芯になる、ある客観的なものがあるのが落語なんでしょうかね。

普段芝居の役柄を演じてる人たちが、どう「話芸」の世界に近づくか、あるいは役者らしく落語を芝居の世界に持っていくのか、そういう微妙なバランスが人それぞれで実に面白かったです。

『皿屋敷』は緒湖月海丑(加納幸和さん)。初めのほうの『播州皿屋敷』の下りは、スピード感がありながら本当にその情景が目に浮かぶようで、スリリングな怖さがありました。後半のおかしさと対照的で(気弱な幽霊見物の人が、なんか可愛い(^^))、物語の立体感がさすがに加納さんだあ……と思わせてくれましたね。

『饅頭こわい』ロングバージョンの桂らんぷ(桂憲一さん)。饅頭こわいに幽霊話のくだりがあるのなんて知りませんでした(^^;ゞ。上方語りのリアルさが良いですね。感触としては一人芝居に近い感じもしましたが、長尺でも飽きさせない面白さがあって楽しかったです。

『鰻の幇間』は柱米朝(←本当は米の右上に小さい○がついて、「はしら ぺいちょう」と呼びます(笑)。原川浩明さん)。原川さんはかなり話芸的アプローチだった気がしますね。落語好きだからでしょうか(^^)?

なかなか楽しい催しでした。またの機会があったら良いですね。

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スタジオライフ『白夜行』製作発表

最近よく取材させていただいているスタジオライフの『白夜行』製作発表記者会見にお邪魔してきました(18日)。
東野圭吾さん原作のベストセラー・ミステリーの舞台化で、1部、2部にわたって上演という意欲作です。

入口から記者会見場までの案内を若手の役者さんが担当。会見の司会は曽世海児さんが担当されてました。いただいた会見出席者プロフィールの曽世さんの欄には「……“トークマシンガン”の異名を取り……」と書いてありましたが(笑)、実際会見中も出演者への質問になると
「それではせっかくですから曽世さんも質問に答えて下さい。はい、曽世です、篠塚一成という役は……(質問に答える)。はい、曽世さん、ありがとうございました」と一人二役記者会見?!を敢行して、場内のウケを誘っていました。

印象に残る言葉として。
河内喜一朗さん「スタジオライフの20年は『トーマの心臓』をなくしては語れない。人への思い、そしてそこから生じるファンタジーを追求した作品で、いわば『善のファンタジー』。『白夜行』は亮司と雪穂の思いから、二人に関わる人間が悲劇に陥るという『悪のファンタジー』。今回は新境地として悪のファンタジーを追求したい」
倉田淳さん「心が震える作品に出会うと舞台にしたくなります。走った後に考えるタイプで、気がついたらとんでもない世界に足を踏み入れていました」
東野圭吾さん「『東野さんて、雪穂みたいな女の人好きでしょ?』と知り合いに言われたんですが(笑)。男性だからこそ、魅力的な悪い女の人ができるかもしれない」

会見では亮司役Wキャストの笠原浩夫さん、山本芳樹さんが出席されてましたが、小学生時代の亮司は別のキャストが演じ、二人は高校生以降を演じるそうです。及川健さんの雪穂役は小学校5年生から通しで出演。
ちなみに。会見に登場してきたときの曽世さんの説明のことば。「われらがチームリーダー。笠原浩夫」「看板女優。及川健」「憂いの貴公子。山本芳樹」でした。なんかイメージどおりでおかしかったですね(^^)。

最後はほかの劇団員も加わって、写真撮影。
(報道陣にまじって篠田仁志さんが“写るンです”で撮影していたのが、ちょっと微笑ましかった)

第一部は9/15~10/1 紀伊国屋ホール。10/14~16シアター・ドラマシティ。
第二部は12/1~11シアター1010。12/13~14.大阪厚生年金会館。

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2005/08/14

STEVE JANSEN@APPLE STORE

時々書いてるかと思いますが、往年のJAPANファンである私(2年前ロンドンでデヴィッドのライブ見てきたくらいねー)。坂本龍一のツアーのサポートで来日していた、元JAPANのドラマーであるSTEVE JANSENのレクチュアル・イベント(というのかな?)があったので、銀座アップルストアまで行ってきました(9日)。

内容はアップルストアらしく、MACを使ってドラムスを演奏する方法をレクチャーする…みたいなものでした。
ステージにいるスティーブの照明はずっと暗く、マックの説明画面が明るいという感じでしたが(^^;、スティーブは今もお変わりなく美しいですね。間近で拝見できて嬉しかったです。
今秋発売になるという、DAVID SYLVIAN とSTEVEともうお一人のアルバムから一曲を流してくれましたが、これはなかなか良い感じの曲でしたね。

最後にスライドショーでJAPANのラストツアーのときにスティーブが撮った写真が映し出されて、ちょっとノスタルジーに浸ってみました。

私たちの座った席の2列くらい後ろにスティーブの奥様とお子さんがいました。奥様はタイ人だそうで、なかなかラブリーなお子さんでした。

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2005/08/08

花組芝居オフシアター「ハイライフ」

ジャンキーのならず者たちの「緻密な」(はたから見れば破綻してる)犯罪計画と、その空中分解。
と書くとおよそ花組芝居らしくない題材ですが。これもまた「ネオかぶき」。

「夏祭浪花鑑」とか、殺人やら悪事が出てくる歌舞伎作品はいっぱいありますが、それらもその時々の人間の有様をある様式美を持ちつつリアルに表現しているもの。それと同様にこの作品も、今の時代の人間の生きる姿をリアルに切り取っていて、その精神は見事に「かぶき」かな、と思いました。

最近は闇雲に暴力的な表現をする舞台が結構ありますけれど、加納さんの手に掛かるとリアルでありながら「絵」的な美しさもあるのですよね。例えばバグがビリーを刺すシーンでも白い衣装に血のりが浮き上がってくるところは、怖いけどぞっとするような美しさがありました。また、戯曲で指定がある「ボーン・トゥ・ラン」(ブルース・スプリングスティーン)からの連想で、短絡的にはロックとか激しい曲をバックミュージックを使いがちだと思うんですが、ここで掛かってるのはバッハなど教会音楽をアフリカンにアレンジしたもの(←なのだそうです)。これは舞台に広がりを与えていたし、宗教も一種の「麻薬」、トランス状態を生むものなので舞台のストーリーとの符合も感じました。

カナダ人の作家、マクドゥーガルの96年の戯曲。
ジャンキーたちの日常は破綻していて暴力的なところもあるけど、どこか滑稽で憎めない。そんな微妙な「リアル」さがある舞台でした。
麻薬をやっているということは、もちろん一歩間違えれば死に直結するので、その綱渡り感、スレスレ感もあったのかな。

とにかく喋りまくるディック(水下きよし)、暴力的な力強さがあるけどちょっと可愛らしいところもある?バグ(原川浩明)。二人の中にあるピントの外れた「連帯感」が印象的です。
(ちょい余談ですが、96年だと「born to run」は既に懐メロの域に達してた筈なので、刑務所入りが長かったジャンキーたちのズレ具合もここで端的に表現されてますね)
二枚目の容姿と裏腹にどこか生き急いじゃってるようなビリー(各務立基)は、どちらかというと彼の両面のうちの「イヤな感じ」のほうが目立っていたかも。。
ヤクで内臓がやられてる小心者のドニー(松原綾央)も、止められてるヤクを誘われるとズルズルやってしまうような人間の「弱さ」が出てましたね。


ちと余談。原作が書かれた96年のちょっと前の時期に姉がイギリスに住んでたんですが、当時のイギリスのATMはとても信用がならないものだったらしく、通帳がないのはもちろんのこと、ATMでお金を下ろすと残高に2000~3000円の誤差(!)があることはそんなに珍しいことではなかったそうで、「そういうのを避けるために、窓口でお金を下ろしましょう」というのは当時のイギリス在住者でよく言われてたことだそうです。当時、この話を聞いて、日本ではまったくあり得ないことだったので、とってもびっくりした…という記憶が甦ってきました(^^;。
もちろんドニーみたいな人がこっそり下ろしてたわけじゃないんでしょうけどねー。

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