« ソウル旅行より帰りました(^^) | トップページ | 花組芝居「ゴクネコ」の通し稽古に…… »

2005/05/21

「ヘドウィグ」(韓国・ソウル・大学路ライブ劇場)

劇場は地下2階にあって、客席数は約300。間口はスズナリよりちょっと大きいくらいで、本当にヘドウィグがライブをやってそうな雰囲気のするところでした。

(※ラストの芝居について触れてますので、気になる方はご注意下さい)

……正直、そんなに期待は大きくはなかったのです。まず今回キャストが4人もいるということ。結構演じる人を選ぶ役だから、本当に適役の人がやってるのかなあとか。大ヒット映画「マラソン」主役のチョ・スンウが出るという話題のみが先行しているようにも見受けられましたし。それに、年代的にもヘドウィグをやるには若すぎる人がキャスティングされてる気もしたので。三上博史さんが雑誌のインタビューで「少女が女になる瞬間っていう表現があるけど、(ヘドウィグは)女がオバサンになる瞬間って感じ(笑)」というようなことを言っていて、それ当たりだなあと思ってたので、余計「若すぎ」と思ってたのかもしれません。

しかし、舞台が始まり、ギチギチの客席の中央通路からヘドが登場したときに、そんな思いは吹っ飛んだような気がします。私が見たのはオ・マンソクさん。(その日のヘドは誰だか分からずに、左隣の席の女の子に聞いて教えてもらった)すっごいメイクだけどとても美しく、細ーくて、そして歌声にとても説得力があり、上手い!

言ってる台詞はかけらも分からないけど、どんどん芝居に引き込まれていく自分が分かった。
(たとえば、お母さんとのことを回想して喋ってるところの可愛らしい表情とか、ドラッグクイーン的にお客さんをグイグイ引っ張っていくところとか、とっても切なく苦しい表情をするところとか……、様々な表情があって、目が離せない)

私は何故だか最前列に座ってたのですが、周りをふと見ると、右隣の席の女の子は胸の前に手を組んで一心に見てる。(←こんなポーズをして芝居を見てる人は初めて見たかも…)歌の場面では口ずさんでた(もちろん声は聞こえないけど)ので、よっぽどこの作品が好きで通い詰めてるんだろうなー、というのがよく伝わってきました。
(結構歌の場面では口ずさんでる人が多かったので、リピーターが多いんでしょうね)

さて、ラスト。自分の引き裂かれた片割れとも思っていたトミーを執拗に追いかけていたヘドウィグ。最後は狂ったように泣き叫び、かつらも脱ぎ捨てて…最後に舞台に倒れこむ。(このとき、ブラの中に入っていたトマトをつぶすんですが、私の足にトマトが飛んできた……)
(三上版ではここで一旦引っ込んで、トミーとして再登場してたと思います)

しかし、ソウル版ではかつらを取ったヘドウィグはそのまま引っ込まずに舞台後方に移動し、自然にトミーになり歌います。「…あれ、今、トミーになってる……?」とだんだんと気がついていく感じ。
歌い終わった後にまた自然にヘドウィグに戻り、イツハクが差し出したかつらを受け取ることを拒否し、イツハクの手を取ってくるっと回してダンスする。ヘドウィグの気持ちを察したイツハクは客席中央から退場。

歌が続く中、イツハクは再び客席中央通路からきれいな赤のドレス姿になって登場、ヘドは客席中央通路を通って去っていく……という終わり方でした。

切ないほどに(ストーカーのように?)トミーのことを追い求めていたヘドウィグ。「なんでこんな男を、自分の片割れと思うの?」というのがちょっと疑問だったんですけど、ソウル版を見て自分の中では初めて納得がいった気がする。
何かを求める切なさはなくならないけれど、でも、その求めているものは自分(ヘドウィグ)の中にあったになったんじゃないかって。

客席中央通路を使うというのも、ある意味劇場が大きな女性の体であって生まれ、死に、また再生するということなのかなと(うがってますかね?)。もしくは、見ているお客さん全員の心の中からヘドウィグが生まれ、またヘドウィグが帰っていった……ということなのかなという気もしました。
とても切ないけれど、深い感動が起こりました。

===================================

アングリーインチバンドのセカンドギターの人が稲垣吾郎似で、リードギター(でヘドウィグのお気に入りの人)は、堂本光一君似で超イケメンでした(笑)。ルックスで選んだのか(^^;? でも演奏も確かでしたよ。
アンコールはメドレーで4曲ほどやって、客席総立ち。その後にもやまぬ拍手に答えてもう1回アンコール。(こっちの方は「エンコル」と言うのですね)「YOU NEED PUNK ROCK?」とヘドが叫んで、「アングリーインチ」を一曲歌い、客席ダイブもあって、皆こぶしを挙げて叫んでた。
(私の左隣の人は始まる前はすごーくしらっとしてたんですが、アンコールになったら控えめな声で叫んでた(笑)。ああ、心を動かされたんだなと思って、ちょっと嬉しかった)

芝居って、特に良い芝居って、本当に世界共通の言語だな、ということを改めて感じた晩でした。

(6月にもロンドン版の公演があるらしく、ちょっと心が揺れております(笑))

|

« ソウル旅行より帰りました(^^) | トップページ | 花組芝居「ゴクネコ」の通し稽古に…… »

コメント

忘れたころのコメントでスミマセンm(_)m。
三上さんのヘドウィグを見て、もちろん三上さんのヘドはオリジナリティに溢れていてとても素晴らしいんだけど、改めて韓国版ヘドの素晴らしさも知った気もしました。

Mさん、また見にいらしてたのですね。羨ましいです。11月にも再演があるんですか! ちょっとそれは要検討ですねー。

wigさん、コメントありがとうございます。私が見た日は夜8時開演の1回公演だったと思います。(平日は1回だったんじゃないかなー)本当に言葉がなくても、良い芝居は世界共通ですよね! オ・マンソクさんの舞台、また見てみたいです。(11月の再演は別の方がやるのかしら…)

投稿: おおはら | 2005/07/20 03:42

kaoruさん、はじめまして。
韓国ヘドのレポ楽しく読ませていただきました!劇場の演出方法の解釈は、なるほどー!って思ったりしました。
私も韓国ヘドにすっかり心奪われてしまった一人です。
>芝居って、特に良い芝居って、本当に世界共通の言語だな、ということを改めて感じた晩でした。
おっしゃる通りです!!彼は本当に言葉ではない、そんなもの必要としない次元で、訴えてくる芝居をされていました。
kaoruさんは、何時の回をご覧になられたんですか?

投稿: wig | 2005/07/01 05:42

お久しぶりです。こんにちは。
またまた観てきてしまいました。大楽オさんは大人気でticket取れず、ソン ヨンジンさんの楽を観劇してきました。また違った味があって、良かったです。元々ロックバンドのヴォーカルということで、歌がしっかりロックしてました。ただ、切ない表現とか、表情はオさんの方が一枚上手かなぁ。この日はソンさんのファンの女の子達が集結したようで、床が抜けるのではないだろうかという盛り上がりで、なかなかすごいことになってました。最後、隣りの席の女の子ふたりが号泣してました。
劇場入口でCDが発売されていたので迷わず購入。4人それぞれ違った魅力があって、楽しいです。
11月に再演(これからオーディションとか)するそうです。またまた行かなくては・・・。

投稿: M | 2005/06/28 15:42

Mさん、コメントありがとうございます(^^)。わざわざ「オ・マンソクさん」で検索してきてくださるとは……! オ・マンソクさんのヘド、とてもよかったですよね。
韓国のヘドウィグを月末に仕事で韓国に行く人にも「よかったですよ」と勧めておいたんですけど、Mさんもまた見られるとはうらやましいです。
よかったら、見終わった感想をまた聞かせて下さい!

投稿: おおはら | 2005/06/16 01:13

kaoruさん、初めまして。
ちゃんと内容を確認していないのですが、「オ マンソク」さんで検索してたどり着きました。
私も先々月、彼のHedwigにやられ、どうしてもまた観たくなり、今月、楽に渡韓します。残念ながら、オさんでは取れなかったのですが、別のcastで観てまいります。韓国ミュージカルにすっかりやられ気味の今日この頃。また訪れさせていただきます。しかし、最前列でご覧になったとは,,,うらやましい限りです。

投稿: M | 2005/06/14 15:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/34077/4218544

この記事へのトラックバック一覧です: 「ヘドウィグ」(韓国・ソウル・大学路ライブ劇場):

« ソウル旅行より帰りました(^^) | トップページ | 花組芝居「ゴクネコ」の通し稽古に…… »