花組芝居「花組HON-YOMI芝居 盟三五大切」
今もドキドキ感が続いてます。もう怒涛のような75分間でした。こんなにスピーディで、これほど自分がのめり込んで見られた「歌舞伎」は初めてかも。
HONーYOMI芝居、前回の「かもめ」のときは関西出張中のため見られなかったので、今回初見。実はリーディングと一人芝居はあんまり得意でないワタシでございますので、ちょっとのんびりした気持ちで会場のコレドに現れてみました。
初めは水下さんのリーディング(特に2本目の話がシュールで面白かった)、特別ゲストの原川さんの落語。
に続いて「盟三五大切」。
作品としても初見でした。粗筋についてはこちらのサイトを参照して下さい。
リーディング(台本を読んでる形)ですが、これはお芝居ですね。もちろん通常のお芝居のようには動きませんが、ラストシーンの並びとか舞台の絵面が鮮やかに頭の中に浮かびます(皆さん黒系の普通の格好なのにね)。
源五兵衛(桂さん)と三五(各務さん)、芸者小万(加納さん)の3人の人間関係が本当に眼前に立体的に表れてきて圧倒されました。
もう、桂さんのカッコ良さと言ったら! 打ちのめされる情けなさとその後の噴出するエネルギーの強さにはホントにゾクゾクさせられました。役のタイプは全然違うけど、自分の中では「ザ・隅田川 再演ニ非ズ」以来のノックアウト感があります。
三五の各務さんももう的確なほどの色悪ぶりで、それを魅力的に見せるのが上手いなあと。
加納さんの小万も今までやっていないタイプの役ですよね。源五と三五の間での小万の気持ちがとてもリアルに感じられました。リーディングで普通の格好であっても、小万なんだよなあ、すごいなあ。
水下さんの大きさとか、源五の家来の役の松原さんの忠義な一途さも印象に残ります。
久々の高荷さんは、「おおー、高荷さんだ!」って感じ(何じゃそりゃ)。
リーディングなので立ち回りとかはないんだけれど、それを逆手に取って、源五の殺しの場面のト書きを源五、小万、三五で読むんですが、もう本当に殺し場を見てるようなリアルさで、すごく面白かったですね。
実際目に見えて音に聞こえてるものと、頭の中で想起させられるものと、二重になって刺激的でスリリングな一晩でした。
本公演じゃなくても、この台本で舞台にしてぜひやってほしいなあ。
急に子供みたいな感想になっちゃいますが「芝居って面白い!」と改めて思います。小道具も何もない空間で、こんなスペクタクルが目の前で見られるなんてね。
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