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2005/03/01

シルク・ド・ソレイユ「O(オー)」

「『オー』がもう一度見たい」

と長いこと思ってたのですが、今回シルクの新作『KA』が始まったこともあって、再びラスベガスの地に降り立つことになりました。

前回行ったのは4年前、母と一緒でした。そのとき「今まで見たどんな舞台、パフォーマンスとも似ていない」ステージに本当に感銘を受けました。(ちなみにその更に前になんでラスベガスまで行こうかと思ったかというと、たまたま当日券でシルク・ド・ソレイユの「キダム」を見て、「うわー、すごいな」と思ったのですが、近くに座ってた人たちが「ラスベガスでやってるシルクのショーのほうがこれよりもっとすごいんだよ」という話をしてまして(笑)、「そんなにすごいっていうんなら、本当に見てみたいわ」と思って、ラスベガス&NY旅行を企画したのでした。今はその偶然話してた人たちに感謝、かな)

冒頭は客席から舞台上に上げられた男性が「携帯電話は切りましょう」みたいなことを読み上げさせられるのですが、その人がビューっと天井まで吊り上げられる、ということから始まるのですね。その人は仕込みのシルクの人(前回はあまりにフランス語訛りだったので「仕込みね…」とすぐ分かった(笑)。不自然に野球帽被ってるし(笑))で、彼が水と人間が織り成す不思議で幻想的な世界にはまり込んでいく……というのが大雑把なストーリーです。

パフォーマンスなので、言葉で表現することが難しいのですが、まさに幻想的な……「この世のものとは思えない」ような美しいステージです。
特に冒頭、天井中央から空中ブランコでゆっくりクルクルと女性が回りながら降りてくる光景は、印象的な音楽とあいまって、忘れられない場面となっています。

見どころはまずセットで、舞台上に円形のプールになっており、それが高飛込みができるような深さになっていると思えば、それがほぼ一瞬にして歩ける高さになったり、徐々に深さを変えていったり…と変幻自在になっています。

その不思議さにまず驚かされますし、水の中から人が突然現れたり、徐々に足元から水の深さが深まってだんだん水の中に消えていったり……というのが、本当に「あり得ない」世界が目の前に繰り広げられていきます。

いわゆるサーカス的なアクロバットな大技やシンクロも印象に残るのですが、大体必ずそこに別の登場人物が何かをしていたりするのですね。2000人の劇場で1990人の人はそのアクロバットを見ていて、10人もその小芝居?を見てないんじゃないかと思うんですが(^^;ゞ。でも何かその中に意味がありそうな気がします。

『O(オー)』というタイトルは「eau」の意味、フランス語の「水」を意味します。砂漠の地、ラスベガスにおいて水はもちろん生命の源。具体的に葬送の行列が遠景に出てきたり結婚式の場面もあったりして、幻想的な世界の中に「死生」というものがこのパフォーマンスのテーマの一つでもあるのかなと思わせます。

冒頭の男性は、その幻想の世界にいる女性に恋をしてアクロバットの仲間に加わったりしつつ、女性を追いかけ続けるのですが、カーテンコールになって、彼は初めに被っていた野球帽を返されるのですね。彼が現実世界に戻されるラスト?と思いきや、最後の最後に登場人物の一人にふざけるようにプールの中に突き飛ばされて終わります。「夢の世界は続く……」みたいな感じかな。

4年前に見たときに、冒頭の仕込み男性の吊り上げシーンのことを「あれは、『死んだ』ってことを意味してるのかしら?」と母が言ってました。そのときは私はそうは思わなかったけど、「そういう考え方もあるかなあ」と思ってたのです。で、改めて今回『オー』を見てみて自分はどう思うかなと思ってたんですが……、やっぱり自分ではそうは(『死んだ』ってことでは)思わなかったです。彼が入っていったのは幻想的で不思議な世界ではあるけれど…。
そのときの母のような状態であったら、また感じ方が違うのかもしれないですけどね。

これから1年とか何年とかたって見直して、自分がどういうことを感じるのかな、と思いますし、そういう意味でもまた時間を置いて見てみたいステージでありました。


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あんまり褒め言葉でないことを書くと、途中に2回割りと普通のピエロのお笑いシーンがあるんですが、(前回も思ったけど)これが面白くない(^^;ゞ。まあ、息抜きなんでしょうが全体の流れからしてもあんまりそぐわないしなあ。なんでこの場面なくならないんでしょーかね。

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ちなみに今回は会場の「ホテル・ベラッジオ」のサイトからチケットを取りました。未だにチケットがとりにくいし、2000人満席なんですが、ずーっと覗いているとキャンセルでぽこっと良い席が取れたりします。私もそれで前から3番目の「wet seat」をゲットしました。
wet seatって言ってもびっしょりにはなりませんが、多少はぬれます。えーと、「夏祭浪花鑑」くらい(笑)?
ステージが円形になっていてかなり奥深いので、前から3番目でも近すぎって感じはしないです。多分できるだけ前方席で見たほうが良いステージな気がしました。

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» LA NouBa [FUTOPPARA]
『シルク・ドゥ・ソレイユ』はカナダ・ケベック州生まれで、ストリートパフォーマー、 [続きを読む]

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